映画『ハンターキラー 潜航せよ』ネタバレ感想。強敵同士のまさかのタッグ=最強という熱すぎる漢たちのドラマに大興奮!

ハンターキラー 潜航せよ 映画 アクション

原題:Hunter Killer
2018年の映画
おすすめ度:☆☆☆☆

【一言説明】
……アツい!

ハンターキラー アンドロポフ

絶賛公開中の『エンド・オブ・ステイツ』にて大暴れ中のジェラルド・バトラー氏が主演を務める本作。yahoo!大先生での評価が高いことは知っていたので、このたびジモYAにてレンタルして参りました。
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』にてアカデミー賞を受賞されたゲイリー・オールドマン氏が共演。ポスターを見るとバトラー氏の次にでかでかとお姿が載っているんですが、ポジション取りが若干おかしいのではないだろうか。そこは特殊部隊の四人とかザカリン大統領を配置すべきではないだろうか。
細けぇことはいいのか!

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あらすじ

ロシア領海にて突如消息を絶った米国潜水艦タンパ・ベイ
軍事機密と110人もの乗員を乗せた艦をこのままにはしておけんと、軍は秘密裏に調査&救援の目的で別の艦を派遣することにした。
攻撃型潜水艦――またの名を、ハンターキラー。
アーカンソーと名の付く艦を率いるは、兵学校ではなく一兵卒からの叩き上げで艦長となった男ジョー・グラス

「潜航を開始する!」

彼の合図により、物語はかつてない熱い展開を見せ始めるのだった……。

※以下ネタバレです。ご注意下さい。

 

 

感想

懺悔します。正直なめてました。
映画館にて何度か予告編を目にしたんですが、主役がジェラルド・バトラー氏かつ潜水艦もののアクション映画っぽかったので、はいはいあれでしょ? またあの『エンド・オブ……』シリーズ的な、バトラー氏が国家の命運を背負ってドンパチやるいつもの展開でしょ? 『エンド・オブ……』とか言って、絶対終わらないっつーか俺が終わらせないっていう心熱くなるあのアレでしょ? 
そういうの大好きだけどさ、映画館に見に行かなくてもさ……。
なんつってたら。
めっちゃ面白い!

というか、

アツい!!

何だこれ……アツい……アツいぞ……! ドラマが……超アツいじゃねーか!!
映画館で見ればヨカッタ!

最初はですね。なんかこうですね。ロシアの原潜を追っていた米国の潜水艦がロシアの海域で何者かに撃沈されてしまったという展開に、なんだよーまたロシアかよー、冷戦終結から何年経ってんだよー的な感じで見てたんですが。
が。
ジェラルド・バトラー氏演じるジョー・グラスが突如消息を絶った潜水艦の調査に駆り出され、撃沈の現場でロシア側乗員の救出を行ったあたりから、物語はアツさを加速度的に増していくんです。

自国の海域とはいえ、警告もなしに米国の潜水艦に攻撃を仕掛けてきたロシア側。しかしロシアの大統領ザカリンは米国との対話を試みようとするも、電波妨害に遭って通話がつながらない。
「どういうことだ?」と尋ねる大統領に、突如銃を向ける国防相。
「戦時下において大統領が病に倒れたとき、すべての権限は国防相にゆだねられる……」
そう、つまりはクーデター。
このご時世にクーデター起こすの? なんて疑問は吹き飛んでいく。
なんと拘束されたロシア側の大統領を、秘密裏に潜入した米国の特殊部隊が救出しようという前代未聞の大作戦が決行されようとしていたのだ。

アツーーーーーい!!
何じゃそれ、アツすぎぃっ!!
しかもですね、グラス氏が救出したロシア側の艦長がですね、ザカリン大統領を助けるために米国側に協力しようとするという……まさかの米露共同作戦なんですね!?
まさかのね!?

というわけで、本編の上映時間の大半をアツいがゲシュタルト崩壊するくらいてんこ盛りでアツい展開が続く本作。
以下は未だ興奮冷めやらぬ筆者による名場面紹介にてお楽しみください。

もうこれはあれです。このアツさを鎮めるには、パジャマで寒空の下に飛び出して身を縮こまらせ、「サムぅい……」くらい言わないと目が覚めない! 記事を書き終わってから実践だ!

名場面集

※この先「アツい」が連発され、非常にむさくるしい様相を呈すことをあらかじめお詫び申し上げます。すでに連呼してっけど。

●発端
ロシア領海にて露原潜を追尾する米原潜タンパ・ベイ。追跡は今のところ気づかれてイナイ。
だが突然何者かの爆撃を受け、撃沈するロシア原潜。
「どうしますか?」と聞かれた艦長は叫ぶ。
「我々の存在を知らせろ!」
……アツい! 初っ端から判断がアツい!!
こうなったら敵も味方もない。我々が救出せんでなんとするというその魂!
だがその直後、真上から魚雷が降ってくる。
「直撃します、艦長!」
轟音と光に包まれる画面。
タンパ・ベーーーーイ!!!

●主役登場
消息を絶ったタンパ・ベイの行方を探るため、派遣されることとなったアーカンソー。その艦長に抜擢された男ジョー・グラスは、スコットランドの高地にて今しも牡鹿を狙撃しようとしていた。
なんでや。食うの?
彼が引き金を引こうとしたその時……視界の端から現れる鹿親子=牡鹿の妻と息子。
すっと銃を下ろすグラス。
アツい!!

●飲んだくれる乗員たち
二日間の外出許可を得たにも関わらず、秒で連れ戻されることが決定したアーカンソーの乗組員たち。やつらはきっとパブにいる。
「俺と君(副艦長)とで根絶やし作戦だ!」
グラサンをかけなおすグラス。グラスだけに。

●軍部要人登場
フィクス少将にNSAのノーキストが挨拶。
「ジェーン?」
彼女の胸につけられたシールの名札を見て尋ねる少将。
「学校の行事で……」
闘うお母さんがアツい!!
そしてノーキストが言うには、タンパ・ベイ爆撃よりも前にすでに官邸から出立するという動きを見せていた露大統領ザカリン。
まさか先ほどの攻撃は、ロシアの宣戦布告なのでは……??

●特殊部隊登場
ロシア側の真意を探るため、極秘で特殊部隊の潜入捜査を決めた軍部。訓練中だったとある部隊に司令書が届けられる。
「家を買うんですが、契約書じゃないッスよね?」
司令書を受け取るビーマン隊長の軽口がアツい!!

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●潜航開始
自身が叩き上げの身であることをアナウンスにて話し、乗員の気を引き締めるグラス。
「死力を尽くせ。これは訓練ではない」
ついに潜航を開始するアーカンソー。斜めに傾く船体に合わせ、ぐぐっと斜め姿勢になって堪える乗員一同。
常人なら容易に尻もち付きそうな姿勢なのに、余裕の表情を見せる乗員たちの腹筋は層が厚い!
そしてロシアの有名な広場の名前は赤い!

●タンパ・ベイ発見
爆撃により撃沈していたタンパ・ベイ。愕然とするアーカンソーの面々を、突如頭上から発射された魚雷が襲う!
「戦闘配置!」
海面に浮かぶ氷塊の下に潜んでいたロシア原潜。これだ。こいつにタンパ・ベイは沈められたのだ。
警告なしの突然の攻撃。動揺する乗員たち。
だがさすがはグラス。氷に潜む敵原潜を見つけ出して撃破、かつタンパ・ベイを囮にし、魚雷をやり過ごすことに成功する。
「……開戦ですか?」の問いに静かに答えるグラス。
「足を踏み入れてる」の返答が渋い!!

●特殊部隊到着
「俺たちはゴーストだ」
捕まっても身元がばれないよう個人的な品を飛行機に残し、雷雲にヒャッハーする隊員たち。
バランスを崩したのかわちゃわちゃしまくる新人隊員マルティネリをがっつり捕まえるビーマン隊長がえらい!!
山を越えてたどり着いたボリャルヌイ司令部では、ちょうどザカリン大統領と彼の国防相ドゥーロフが対面しているところだった。誠実そうな大統領に比べ、腹に一物二物ありそうなお顔のドゥーロフ氏。こいつは絶対裏切るで……!

●ロシア乗員救出
タンパ・ベイの近くで撃沈してたロシア原潜の残骸。見るとその傷跡は外側からではなく内側から爆発したときについたものであることが判明。
「子どものときに爆竹で遊んだろ?」との問いに、「艦長とは育ちが違うので」とさりげなくディスってくる乗員一名。お前後で艦長室来い。
何があったかを知るため、かろうじて生き残っていたロシア側の乗員たちを救出するよう命じるグラス。
「タンパ・ベイを沈めたやつらを助けるんですか!? 命令違反だ!」
だが譲らないグラスがアツい!!
そしてジェラルド・バトラーの瞳は青い!

●クーデター勃発
やはりというか案の定裏切ったドゥーロフ。ザカリンを守ろうとするSPたちを次々と始末していく。だがその様子は現着したビーマン隊により、米軍部に生中継されていた。
「クーデターだ……!」
ざわつく本部。急きょ米大統領を迎えての緊急会議が開かれる。空母を派遣する意向を示す大統領に、フィクスとノーキストが待ったをかける。
「ザカリン大統領を救出できるとしたらどうです?」
「なんですって?」
そして始まる米特殊部隊と米原潜による露大統領の救出作戦。
ありそうでありえない、けれどありえたかつてない状況。
「空母は派遣します。けれど救出作戦も許可します」
大統領の英断がアツい!!

●アンドロポフ艦長大活躍
ザカリン救出のため、ボリャルヌイ司令部に接近を義務付けられたアーカンソー。無茶が過ぎる命令にどよめく乗員たち。
「あそこは機雷原とソナー網が広がり、通り抜けるのは無理ゲーです」
そりゃそーだ。だが顔色一つ変えない全身肝男ことジョー・グラス。
「案内人が要るな……」
連れてこられるロシア原潜艦長アンドロポフ。
乗員「マ ジ か よ」
ちょっと艦長、それ軍法会議ものぉ! 指令室に敵を入れるとか何考えてんの!?
だがアンドロポフの適切な指示により、海底に沈む罠をすいすい抜けて進むアーカンソー。
目と目で通じ合う漢同士が超アツい!!

グラス「規則と生存とどちらが大事だ?」
副艦長「艦長……ご命令を!」
グラス「副艦長が替わる」
ジョー・グラス! ジョー・グラス!

●ビーマン隊のアツい夜
「いい知らせと悪い知らせがある」
「隊長そのフレーズ好きっすよね」
「原潜が迎えに来る」
「ヤッター!」
「ザカリンを連れてくれば乗れる」
「Oh……」
そこに迫る露側の偵察部隊。どうやらあちらの隊長は怪しい=とりあえず撃っとけ精神の持ち主らしく、潜伏場所に放たれた銃弾に無言で耐えるビーマン隊。
運悪く太ももを撃ち抜かれてしまう新人狙撃手のマルティネリ。歯を食いしばって耐えるその姿がアツい!!

●救出作戦決行
負傷したマルティネリを残し、夜の闇に紛れて近づくビーマン隊。途中で死んだと思っていた大統領付SPの一人オレクと遭遇する。
「誰だ!?」
「三人の亡霊さ」
アツぅぅぅい!!
「なぜここに?」
「……わかるだろ?」
アッッツぅぅぅい!!
なんだここ、フィヨルドなのに熱帯夜かよ!!

そしてオレクの手引きで大統領の拘束を解く三人。
「米軍が私を救出に?」
「嫌々ですよ」
ビィーーーマァーーーン!!

大統領を逃がすため、退路を守って死亡するオレク。まさか最期の言葉が「F」で始まるワードになろうとは、幼いオレク少年は夢にも思わなかっただろう……。
そして降下途中で隊員の一人ホールが犠牲に。加えてダム近辺にてザカリン大統領が負傷。詰んだかに見えたその時……どこからともなく響く狙撃音。
マルティネッッリ!!
さすがやればできる子、YDK!!
さらにイケメン隊員ジョンストンが死亡。なんとかザカリンを連れて原潜が派遣した救命艇に乗り込んだビーマンだったが。
「入り口を閉めてくれ!」
「……お前が閉めろ」
再び海中へと身を投じるビーマン。そう。陸にはまだ残してきた部下がいる。
隊長の覚悟がアツい!!

●VS.駆逐艦
ザカリンを奪われたドゥーロフは、ここぞとばかりに駆逐艦を派遣する。
このままアーカンソーごとザカリンを沈めてしまえば、『米国に大統領を誘拐されたため、止む無く開戦した』という大義名分が立つ。
逆に追い込まれる形となった米国側。なんとしてもザカリンを守り切らねばならない。
「駆逐艦の全乗員は私が鍛えた。彼らは失敗しない。絶対にだ」
さらりと絶望ワードをぶち込んでくる男アンドロポフ。
今それ言う必要ある? と思えど、容赦なく発射される敵側魚雷。
とっさに応戦の構えに出たグラスだったが、魚雷を発車しようとしたそのとき、目力という名のアンドロポフの視線と出会う。
(お前……約束したよね。殺さないって)
(そう……俺は約束したね。コロサナイって)
魚雷を取りやめるジョー・グラス。
目が点になる乗員たち。
えっ、今そんなこと言ってる場合? 確かに約束って大事だけど、ついさっき「規則より生き残る方が大事だ」って言ったじゃん艦長。漢気を発揮してる場合じゃないじゃん艦長。生き残れないじゃん艦長!
だが生き残る艦長。
海底が柔らかい泥土であることを利用し、海底に急降下、着底。巻きあがった泥に魚雷を着弾させ、そのまま死んだふりをすることに成功。
「駆逐完了」とつぶやき去る駆逐艦……と思いきや、爆発でひでーことになった艦内の阿鼻叫喚音を拾われ、あっさり帰ってくる駆逐艦。
どうする? どうする? 最早蛇ににらまれたカエル状態のアーカンソー。
だが動じない肝男ジョー・グラス。
「全員鍛えたと言ったな?」
アンドロポフに無線機を差し出すグラス。
「えっ……それ通じると思ってるノ……?」
とまどいつつも、「攻撃スンナ」と駆逐艦の乗員に呼びかけてみるアンドロポフ。
  ↓
通じた。
なんか昭和のドラマにて『母ちゃんの呼びかけに答えて涙ながらに投降する立てこもり犯』を見てるような気持ちになりましたが、駆逐艦の目の前に浮上してきたにも関わらず、上官の乗った艦は撃てない……と攻撃を止める隊員たちがアツイ!!
でもその後「いいから発射しろや!」と叫んだドゥーロフ側の艦長をザカリン大統領が無線に出て止めていたので、最初からザカリンを出したらよかったのでは……と思わないでもなかったが、細けぇことはいいんだよ!
上官と部下の絆がアツい!

●有言実行職人ビーマン
「俺が生き残ったら助けに戻る」と言っていた通り、森で敵兵に囲まれたマルティネリを間一髪で助け出したビーマン。
「助けに戻って来た?」
「腹ごなしにな」
ワイルドに微笑む姿が超アツい!! ビーマン隊に入隊希望!

●決着
「乗員が攻撃しましぇん……」という駆逐艦の泣き言を受け、「なら俺が撃つ!」となったドゥーロフ。アーカンソーに対し、空対艦ミサイルKH35をぶっ放してくる。
応戦しなくては死が待つのみ。
だが撃たない艦長。
えっ、おい撃てよ。着弾しちゃうよ。なんで黙ってんのさ。着弾するってば!
だがなおも撃たない艦長。
アンドロポフでさえ「チョイチョイチョーイ」となっている中、一人顔色変えずに黙ったままのジョー・グラス。
「残り10秒!」
「5秒!」
「3秒!」
「着だ……」
突如火を噴く駆逐艦。
アーカンソーに襲い掛かるミサイル全弾を、機銃にて次々と撃ち落としていく。
そして間髪を入れずにボリャルヌイ司令部=ドゥーロフに向かってミサイルを発射する駆逐艦。
眼前に迫るミサイルを前に愕然とするドゥーロフ → 粉々に爆破される基地。

「こうなると思っていたぜ……」
ぽかんとする一同の横で、一人ドヤ顔を披露するグラス。
おい、誰かこいつを今すぐ殴れ。

だがまあとにかく大統領と大義を守るため、自国の国防相を自ら爆破しちゃう駆逐艦乗員たちがまことにアツゥゥゥい!!

●大団円
すべてが終わり、歓声に沸く米参謀本部。
がっちりハグするフィクスとノーキスト、そして両者に握手を求めるドネガンがアツイ!!
あんだけ「応戦ダ」を連呼していたにも関わらず、なんか急に握手を求めてきやがって……と思わないでもないが、ドネガンだって国のためを思っていたわけで、まあしゃーない。
そしてフィヨルドに浮かぶアーカンソーの艦上にて、別れの挨拶を交わすグラスとアンドロポフ。
「私は君以上に豪胆で勇敢な艦長を知らない」と言うアンドロポフに、「俺の目の前にいる」と返すグラスが超アツい!!

そして大トリはもちろんグラスとビーマン隊長。二大巨頭がそろい踏みし、
「やれやれ、終わったか」
「今日のところはな」
と笑うやり取りがアツすぎるッッ!!

からのエンドクレジットにて映される、四方向から撮ったアーカンソーの航海ショット!
ぶっちゃけ大した違いがなくね? と思えど、潜水艦に対するスタッフの深い愛情が感じられ、最後に一際大きな声で……
アツい!!

●ミカエル・ニクヴィスト氏
アンドロポフ艦長役のミカエル・ニクヴィスト氏は2017年に亡くなっており、本作は彼の遺作の一つとなっているそうです。本国版『ドラゴン・タトゥーの女』のミカエル役や、『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコロル』のヘンドリクス役などで活躍されていらっしゃったすばらしい役者さんでした。
心よりご冥福をお祈りいたします。

●監督
ドノバン・マーシュ氏。他にも何作か撮っていらっしゃるお若い方のようです。
大変面白かったです。次回作も楽しみにしております。ありがとうございます。

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