映画『ジョン・ウィック:パラベラム』ネタバレ感想。VS全世界男&とばっちり軍団の死闘に酔いしれるべし。

ジョン・ウィック パラベラム 映画 アクション

原題:John Wick: Chapter 3 – Parabellum
2019年の映画
おすすめ度:☆☆☆☆

【一言説明】
平家。

ジョン・ウィック パラベラム マー・フー

名優キアヌ・リーブス氏の当たり役『ジョン・ウィック』。その三作目が公開となりました。
せっかくだから1と2も合わせて感想を書こうとTSUTAYAに行ったら、ものの見事に全部空。その後何度行ってもやっぱり空。
なので前作までの展開に若干の怪しい部分があるものの、とりあえず爆音上映にて鑑賞してまいりました!

主演はもちろんリーブス氏。そして前作に引き続き、『マトリックス』でも盟友だったローレンス・フィッシュバーン氏が続投。でもってなんと『チョコレート』でアカデミー賞を受賞したハル・ベリーさんが出演されています。
豪華じゃのう。

※エンドクレジット後に映像はないので、席を立っても大丈夫です。

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あらすじ

裏社会の聖域コンチネンタル・ホテルにて禁を破った男ジョン・ウィック
かけられた懸賞金は1400万ドル=15億円。

るか?
るだろ。
だが、相手はあのジョン・ウィックだぜ?
だからなんだよ。15億だぞ。

そんなわけで始まった、ジョン・ウィックVS全世界のし屋対決。

あっちこっちから湧き出る刺客を、あの手この手で撃退しまくれ!

よーし。手始めに、でいっとこーか!!

※以下ネタバレ。未見の方注意。ついでに1と2もネタバレしてます。

 

 

感想

面白かったです。
ジョン・ウィックといえばキルカウントというくらい、とにかくあちらこちらで害しまくっているウィック氏ですが、今作でまた記録を更新したのではないでしょうか。
犬=ドッグ・フー。馬=マー・フーという格闘術が新たにお披露目されましたが、映画冒頭。フライングで襲ってきたアーネストというし屋を本を使ってばっかんばっかんと倒すウィック氏。
まさかの本・フー!
フーをつければいいってもんじゃ……。
圧倒的体格差を、本の分厚さを持ってひっくり返す御業に感心しきり。これは今回も面白いんじゃないの、と思ったらその通りでした。

そしてジョン・ウィックと言えば愛犬家。前作で彼のそばにいたピットブル犬が、なんと予告編では最初しか出てこない。
まさか……激闘の中でまさかの展開なのか……!?  と打ち震えていたら、ニューヨークを離れる前に、ちゃんとコインを使ってコンチネンタル・ホテルに預けられていました。
なんだー、よかったー。心配させるなよー。
まああの子にまで何かあったら、ジョンが正真正銘の修羅と化すだろうからそんなことは起こらないですよね。ほっと一息。

さてストーリーですが。前作で全世界を敵に回してしまったジョン。完全に詰んでいる状態からスタート……かと思いきや、わんこを預けた後でどこぞの組織のアジトへと向かう。そこには強面な人々が大勢いますが、何故か襲われないジョン。どうやら組織のボス(アンジェリカ・ヒューストンさん!)が育ての親だった模様。
そして生涯に一度しか使えない権限を使い、船旅にてニューヨークを脱出することに成功。けれど着いた先でもやっぱり襲われ……という休む暇もない展開が続きます。
一応船に乗ってる間とか、砂漠で気絶してる間とかに休んだことになってるんだろうけど、それにしたってし屋が多すぎやしないか?
主席連合の力が大きすぎて、世界はとっくにこいつらに牛耳られてるんじゃないのかと思えるほどです。
まあその非現実的なスケールの大きさと、裏世界を貫く厳格な血の掟が本シリーズの魅力なわけですが。ホテルが聖域とか、誓印の借りは絶対返さなくちゃダメとか、漢心をくすぐるギミックが満載すぎてぶっちゃけ大好きなんですけれども。
だからといって敵があまりに大きすぎて、ジョンの明るい未来がまったく見えてこない。
このままし屋と戦い続ければいずれは死ぬ。
じゃあどこか遠くに隠れてひっそり暮らせばいいのか? いや、きっとどこに行こうと組織の人間は必ずいる。
じゃあどうすんの?

多分大勢の人が最終的に行きつく結論は一つだと思いますが、本作ではそこに至るまでにもう一つ工程が挟まれます。
船旅でたどり着いた異国の地で、ジョンはその地の主席に謁見する機会を得る。そして、なんと慈悲を請うんです。もう一度チャンスがほしいと。
その対価として提示されたのが、ジョンが再び殺し屋に復帰するという条件。手始めに、彼の追放処分までに一時間という猶予を与えた裏切り者・ウィンストンをしてもらおうかと。
承諾するジョン。服従の証に彼は左手の薬指を切り落とし、妻との結婚指輪まで献上してしまう。

えええええ。
ジョン、お前それでいいのかよ。
主席自身が言ってたんですが、「あんだけを流して、結局元の木阿弥かよ」と。
お前が言うなや。

仕方なく、黒シャツのし屋ルックでニューヨークに戻るジョン。
もし言われた通りにウィンストンをしたら幻滅すんぞって話ですが、この『どれだけ最強と呼ばれたし屋でも、結局は掟に従う存在にすぎない』という点が魅力なのもまた確か。
ジョン・ウィックはけっして無敵ではなく、敵との戦いの中でも「今ここでこういったら勝てるんじゃね?」という瞬間が山ほどある。けれど運にも恵まれ生き残る=結果最強。このバランスが素晴らしい。
その最たるのがホテル頂上での平家軍団との対決シーン。いいですね。いいですね。キレッキレなんだけど、どこかもっさりする瞬間もある。これを見に来たんだよ、ってなりました。

最終的にウィンストンたちホテル組は名誉を回復したけれど、ジョンは再び抹対象となり、いよいよ嫌気が指した彼はある決意を固めた模様。

ついに主席連合とガチンコ対決展開、来るで!

というわけで、続編も楽しみにしております。

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人物紹介

●ジョン・ウィック
ご存じ主人公。伝説にして最強のし屋。映画界のタイマンによる総害人数記録を塗り替える男。
馬・フーというから馬上でかっちょよく敵をばったばったとなぎ倒すんじゃろうと思っていたら、前半パートは「先生、ってください!」とばかりに怯えたお馬さんを誘導し、足を蹴り上げた先に標的がいるように仕向けるというはなはだ迷惑な戦法であったことが判明する。
馬がかわいそうだろうが。

そして薄々感じていたけど最凶の疫病神であることが判明。
前作かつ本作で関わった人々には多大なるご迷惑をかけたことを心からお詫び申し上げ……やかましいわ。
ジョンの歩いたところ骸ととばっちりしか落ちてねーよっていう、おとなしく引退させておいたほうが世界は平和だったのに、一作目のポンチキドラ息子の罪は大きすぎやしないでしょうか。寝た子を起こすなバァァァカ!

前作の直後――15億の懸賞金だよファイッ! から始まったため、映画開始直後からそれはもう有象無象の輩に襲われ、ばっしゃらばっしゃら本使ったり、刃物投げたり、馬乗ったり、車に轢かれたり、まあとにかく満身創痍状態になりつつ異国に逃げたけどやっぱりそこでも襲われたり、犬と共闘したり、砂漠で放浪したり、助かったと思ったら誓約で薬指詰める羽目になったり、旧友せ言われたり、ニューヨーク舞い戻ったり、愛犬と再会したり、暗者のニンジャ軍団倒したり……と色々あった。
そして極め付けが超高層であろうホテルの最上階から旧友自身の手によって銃撃された挙句に落っことされるというすんげー目に遭う。

さすがにキレた。
そりゃキレるわ。
キアヌ・リーブス氏がホテルの側面をしゃぱぱぱーって滑り落ちて、対岸のビルの階段にガンッつって跳ね返り、ぼこぼこゴミクズみたいにあちこちぶつかって落ちてったときは我が目を疑ったっす。
主席連合解体待ったなし。
次回は何・フーが見られるのでありましょうか。楽しみザンス。

●愛犬
前作より引き続き登場のピットブル犬。名前はまだない。ケナゲンティウス族。
予告編で冒頭しか出てなかったので、おいおいおいと思って見ていたが、そこはさすが愛犬家。ごくごく早いうちにこの子のみタクシーにてコンチネンタル・ホテルへと送迎され、その後コンシェルジュによって手厚くもてなされていた模様。
終盤のホテルを舞台とした攻防戦では、ウィンストンとともに主賓室にて優雅に主人のガン・フーアクションを見守った。
ご主人がビルから落っこちた後も、すかさず合流する愛犬の鑑。
次回作でも活躍に期待。

●ウィンストン
とばっちりその1。ジョンの旧友。ニューヨークにあるコンチネンタル・ホテルの支配人。ジョンの追放処分に一時間の猶予を勝手に与えたことから、裁定人に問題視され、退任を要求された。
要求を突っぱねたため、ホテルの聖域を解除され、送られてきた精鋭部隊に対し、ジョンと共闘という形を取ることに。
部隊を見事壊滅させたことで裁定人を協定のテーブルに引っ張り出し、見事権威の復権を獲得した。さすが老獪裏世界の住人でごんす。

復権の対価として、ジョン・ウィック害を要求され、あっさり承認。
もちろん彼の命を救うための行動……だとは思うが、多分にとばっちりを受けたことへの腹いせも入っていたのではないかと感じるのは気のせいでしょうか。
続編ではどっち側にもつかず、中立の立場なんじゃないかと想像。

●シャロン
コンチネンタル・ホテルのコンシェルジュ。超頼りになる紳士。紳士の中の紳士。終盤のホテル決戦にて、銃をぶっ放す姿も最高に紳士。
ジョンが追放処分となった後も、義理堅くわんこを預かって安全に保護してくれた超いい人。
演じるランス・レディック氏はTVドラマ『フリンジ』時代から大好きですが、彼のちょちょいっとかけた眼鏡がいやもう似合うのなんのって超好きっす。

●サンティーノ
冒頭、遺体としてご登場。カメオ出演……ではないわな。

●コンチネンタル部隊
突入してきた主席連合部隊と対決するホテルマンたち。
できる気配を漂わせていたにも関わらず、シャロン以外あっちゅう間に倒されてしまったがお約束。

●ゼロ
今回のラスボス。別名平家ニンジャ。
裁定人よりジョン害を依頼された暗者だが、普段は『平家』という名の寿司屋にて寿司を握っている模様。多分フグの解体免許も持っているはずだが、もし持ってなくて裁定人に提供していたら一発で営業停止。
平家て。せめて源氏ではないのか。

人大好き! 冷徹なる暗者……かと思いきや、ジョンのファンであることが判明し、せっかく彼と距離を詰めてソファに座ったのに、別場所に座りなおされてガーンというお茶目な一面も見せる。
そして日本人設定なのに日本語が最高に怪しい。
『アベンジャーズ:エンドゲーム』時のレナー兄さん程ではなかったが、キメのシーンで日本語で話そうとするからやめーやってなる。

非常に生き生きした表情でジョンと対決。
最初はこっちのほうが技がキレッキレで優位に立っていたかに見えたが、次第に押され気味になり、狩る側だったはずがいつの間にか狩られる側になる展開は最高にアツい。

最後は日本人的気概を見せ、胸に刀貫通状態で姿勢を正そうとするなどあんたいい悪役やったでえーー! ってなった。

●ゼロの弟子
こちらもジョンの大ファン。
最初は「本当にジョン・ウィックか?」「動きが鈍いぜ」とか言ってたが、次第に動きのよくなってくるジョンの前に敗北。最後は漢気のある温情をかけられ、「その振舞い……まさに伝説級……!」となって力尽きた。多分。

●キング
とばっちりその2。主席連合に属しない地下組織の王様。反骨精神に溢れた人。
前作でサンティーノ害に用いられた銃をジョンに提供したため、裁定人に処罰されてしまう。
「七発の銃弾を提供したんだから、七回斬られるべき」というイカれた裁定に乗っ取り、ゼロによってびしばし斬られた。
死んだと思ったが生きていた。
なんで生きられたのかよくわからんけど、とにかく落っこちたジョンを助けてくれたので無問題。続編では反撃ののろしを上げてくれると思われる。ヒャッハー!

●ディレクター
とばっちりその3。ジョンの育ての親ポジらしい熟女。アンジェリカ・ヒューストンさんはさすがのオーラ。
劇場を有しており、バレエダンサーとガン・フーの使い手たちを裏で育成している模様。超OBを前にした生徒たちの「あれが伝説の……」的視線がまぶしい。
自己の掟に乗っ取り、ジョンを海外に逃がす手助けをするが、それが裁定人の目にとまり、報復として両の手をゼロの刀によって貫かれた。
痛い。が、無事で何より。

●裁定人
主席連合より派遣された美女。掟を破った相手を掟に乗っ取り裁いていく。
正直かなりいけ好かない人物。敵も多そうだが、裁定人に手を出すことは許されていないのだろう。最後まで無事でいる。チッ。
だがどこぞのニンジャにフグを差し出されていた時は食べた。その後ケロッとした顔を披露してドヤっていたが、フグ毒は時間差で現れることを忘れてはいけない。食べてすぐに症状は出んからね。

●ソフィア
モロッコにあるコンチネンタル・ホテルの支配人。超美人。
本作のヒロイン的なポジションなのかと思っていたら、真逆の苛烈とも言える人物で、愛犬が撃たれたのに激怒してご当地マフィアを壊滅させてしまった。ヒエッ……。
ドッグ・フーというのはジョンではなく、彼女が披露する格闘術だった。

一作目から思っていたが、世の愛犬家の八割は潜在的にジョン・ウィックになりうるという事実を悪漢たちは肝に銘じておいたほうがいいのではないでしょうか。ジョン並に無双できるかはともかくとして、わんこには手を出さないほうが身のためだぜ。

美人なのに、ペットボトルにぶくぶくがらがらびっしゃーの荒業を披露してくれる。
ジョンのせいで愛犬が危険な目に遭ったとも言えるので、しゃーないっちゃしゃーない。

●ワンコ
ソフィアの愛犬二匹。多分ジャーマン・シェパードだと思うけど、牙をむいて耳を伏せた姿が怖すぎて、ドーベルマンか何かかと思った。
ソフィアを守ってドッグ・フーを披露。
一匹がご当地マフィアのアフォに撃たれてしまうが、防弾チョッキを着ていたため無事だった。
だがご主人が大魔神化した。

●アーネスト
まさかの本・フーの犠牲となった人。現役バスケットボール選手が演じているそうだが、とにかく背が高い。
思い出を収めた本に血がべったりなのだが、それでいいのかジョンよ。

●監督
チャド・スタエルスキ氏。三作すべてこのお方。超イケメン。
とてもとても面白かったです。ぜひぜひ四作目も続投してくださいませ。ありがとうございます。

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