映画『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』ネタバレ感想。ラドンさんは日和見主義。

ゴジラ キング・オブ・ザ・モンスターズ 映画 アクション

原題:Godzilla: King of the Monsters
2019年の映画
おすすめ度:☆☆☆☆

【一言説明】
地元じゃ一番だった……。

ゴジラ キング・オブ・ザ・モンスターズ ラドンさん

みんな大好き! ハリウッド版ゴッジーラの二作目!

思えば1998年のローランド・エメリッヒ版『GODZILLA』から早十数年……。ハリウッド版ゴジラ製作に歓喜した人々が見たものは、単なる巨大な爬虫類が肉食ってるという悲劇の映像でした……。
こんなのはゴジラじゃない。ただのでかいトカゲですやん。

だがしかし。過去の失敗を反省し、『GODZILLA』は進化を遂げて帰って来た!
2014年度版のリブート第一作が好評を博してからの、満を持しての第二弾! ヒャッハー!!

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さて本作。レイトショーの映画館は往年のファンであろうスーツ姿のおじ様や若者、親子連れで来た女性陣など幅広い年齢層の人々で満員。さすがはゴジラ。老若男女に愛されてるぅ!
筆者は字幕版を鑑賞しましたが、吹き替え版ならお子様にもお勧め。怪獣たちがどーんどーんと暴れまくるけど、怖いシーンはほぼ皆無なので、小さい子でも安心して見られますよ! (ただ冒頭でちょっとだけ人死にがあるので、未就学児童は避けた方がよいかもです)

本作はエンドロール後にも重要な映像があります。最後まできちんと見よう。

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あらすじ

ゴジラムートーがわっちゃらわっちゃら暴れまくってから早五年。世界各地で他の巨大怪獣たちが目覚め始め、地球は新たな時代を迎えようとしていた。

そんな中、中国は雲南省にあるモナークの基地で、一匹の蛾の幼虫――モスラが覚醒した。学者のエマオルカと呼ばれる音波装置を使い、モスラと交信することに成功する。

エマ「こんにちは」
モスラ「コンニチハ
エマ「やだ、通じた!?」

しかし感動もつかの間。突如現れた武将集団に娘ともども拉致されるエマ。
彼女が連れ去られた場所は南極にあるモナーク基地。その中心にある分厚い氷の中で、巨大な影が胎動を始めていたのだったが……。

日本でおなじみの登場怪獣は、ゴジラ・モスラ・ラドン・キングギドラの四体です。他は多分ハリウッド版のオリジナル。世界各国で何十体もの巨大怪獣が同時に目覚め、あらゆる建造物を破壊しまくるのが本作の売り。
そして怪獣たちは一か所に集まり、誰がボスなのかを決めることに……。

つまりは、あれ!

ヤンキー頂上決戦!!!

東はゴジラ、西はキングギドラ。
二大ヘッドが己の尊厳をかけ、タイマン・ステゴロ大決戦!

面白かったです!

前作よりも人間パートがテンポよくなったし、何より序盤からゴジラがバンバン出てきてくれます。
前はほら、ブラピ主演映画におけるブラピの総出演分数くらい、ゴジラ登場の尺がなかったじゃないですか。映画三時間あんのにお前出てるの実質三十分かよ、みたいな。その不満が本作はかなり解消されております。

しかもCG技術の進歩のおかげで、キングギドラが超かっけー!!!
いやー、いいわー。やっぱゴジラはいいわー。

最高だわーーーー!!!

(……ただやっぱりちょっと人間パートは退屈……でありました……怪獣パートは大興奮でしたがね……)

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感想

※以下ネタバレ。未見の方は注意です。

 

今回は名場面集でお届けします。時系列は前後するかもだ。めんご。

●モスラ覚醒
中国のモナーク基地で目覚める幼虫体のモスラ。幼虫故になんかうごうごしていてかわいい。
お目覚めした後、小さい奴らが狭いところに閉じ込めようとしてくるので怒った。だがエマとマディソンが決死の覚悟でオルカを起動、ぴったりの波長を見つけて挨拶してきたので怒るのをやめた。
モスラ「挨拶は基本」

●チャールズ・ダンスさん襲撃
モスラと仲良しになったのもつかの間、突然傭兵軍団の襲撃を受けるモナーク雲南省基地。現れたリーダーを見て、脳が「あー、誰だっけ。ほら、あれ、あの人。何かに出てた」という高難易度ミッションを挑んできたのだが、結局最後までわからなかった。
 ↓
帰ってググったらチャールズ・ダンスさんだった。まだピンとこなかった。
 ↓
主な出演作品を見た。ピンときた。
あれですよ。映画『ゴールデン・チャイルド』のサードさん!! いたいけなチャイルドに、血液入ったおかゆを死ぬほど差し向けて来た人。だから食わねーってば、とさすがのチャイルドも苦笑いをしていた人。

↓『ゴールデン・チャイルド』。エディ・マーフィー氏主演。ダンスさんが悪役で出演中。


そしてノリノリでモナーク基地の人々をせん滅するダンスさん改めアラン・ジョナ氏。すわ、モスラの誘拐かと思ったら、狙いはオルカとそれを開発したエマだったようで、仲良く親子で拉致された。

●マーク&芹沢登場
とても目力が強い中年男性が登場。名前はマーク。誘拐されたエマの元夫でマディソンの実父。オルカのプロトタイプは彼が作ったそうな。
自然豊かな地で野生動物と戯れる彼を芹沢博士が迎えに来る。
芹沢「あんたの元嫁と娘誘拐されたでー」
マーク「マ ジ か よ」
芹沢博士はモナークのトップになったらしい。出世街道、出世街道!

●モンスター・ゼロ
一方、エマとマディソン、それにジョナ氏は南極にあるモナーク基地にいた。彼らの目の前にある分厚い氷の塊の中で、巨大な怪獣らしきものが眠りについている。
これは……あれだろ……。『モンスター・ゼロ』と呼ばれちゃいるが、絶対にアレだろ……!?

●ゴジラ観測所
2014年の登場以後、ゴジラは海ですやすや眠っていたらしい。モナークはなんとゴジラの観測のため、海中にゴジラ観察所を作ってしまっていた。

芹沢発案疑いようなし。

愛しのゴジラの寝顔を見つつ、毎度恒例。周囲が何度「ゴッジーラ」「ガッジィーーーラ」と口走ろうとも、一度息を吸いなおしてまで、

「ゴジラ」

と正しく発音する芹沢博士。愛がすごい。
その後モンスター・ゼロの波動を感じたのか、ゴジラは突如海の向こうに消えていった。
消える前に基地に対してオラついていくのも忘れなかった。
もちろん追いかける芹沢博士。君が行くならどこまでも、だ。

●泳ぐゴジラ
前作では泳ぐ背中しか映らなかったので、全身は本邦初公開!
だがなんと。

手と足を使っていない!

尻尾しか動いていない。てっきりばた足はしてるんだろうと思いきや、なんと動いているのは尻尾だけだった。なのに速い。ゴイスー。

●決戦、南極基地!
エマ&ジョナ氏が氷を破壊したことで、目覚めてしまったモンスター・ゼロ。
三本首より黄色い光線=電撃系? を発し、当たれば人体は文字通り粉々になって消滅してしまう。超危険生物。
何故かエマは自ら爆破装置を押し、しかもオルカを使ってモンスター・ゼロにモナークの面々を攻撃するよう誘導する始末。雲行きが怪しくなってきた。
そしてまさかのサリー・ホーキンスさん演じるグレアム博士がここで退場。モンスター・ゼロにぱっくり食べられてしまった……嘘だろおぉぉぉぉ!!! 我らのサリー・ホーキンスさんを……くそっ……許さないぞ、モンスター・ゼロ。

からの、ゴジラ登場!

よかった、やっちゃってください、ゴジラの兄貴!
最初から臨戦態勢のゴジラさん。モンスター・ゼロに掴みかかり、ムートーをも沈めた破壊光線を発しようとするそのお口。
うぃんうぃんうぃんうぃん……と尻尾から充填し……

明後日の方向へと飛んでいく光線。

なんでだよ!
初っ端外してなんとするよ!
しかも代わりにモンスター・ゼロの吐いた光線が直撃。これは痛い。
ゴジラも負けじと三つある首のうちの三郎を打ち取るが、あっという間に再生してしまう。チートだな!
一郎・次郎・三郎は時々ぶつかりあって「おい、てめえ」と首同士でこぜりあったりするけど、大事なところでは息が合ってます。いいですね、いいですね。

●オキシジェン・デストロイヤー発射!
出た! 悪名高き、デストロイヤー!
ゴジラとモンスター・ゼロがどやさどやさやってるうちに、人間側の提督が発射してた最強兵器。
提督、事後承諾はやめてください!

「もう撃っちゃった」じゃねーよ!

個人的には芹沢氏がもっとゴジラを心配するシーンを入れてくれたらよかったと思います。生物を軒並み破壊する最終兵器を、ゴジラに撃たれて平気なわけはあるまい。だが指導者としてぐっとこらえたのだろうと思うと泣ける。

●奥様は犯罪者
ここに来てエマが黒幕であることが判明。
2014年のゴジラとムートーの戦いの後、破壊されつくしたはずのサンフランシスコの町に、自然が爆発的によみがえったことを知ったエマ。彼女はある考察を思いつく。
曰く、怪獣たちは地球の意思であり、自然を破壊し調和を乱そうとするもの=人間を罰するために現れたのではないか。彼らの破壊は再生を促すためのものであり、巨大怪獣によって地球は新たに生まれなおすのだと。
だから怪獣を順々に目覚めさせ、大部分の人間は排除されるだろうけど地球を救って、結果生き残った人たちで新しく文明築こうね、というのがこの悪女の主張です。

頭ーおかしいなー。

言いたいことはわかりますよ。主張だけならご立派です。
彼女の推察では、モンスター・ゼロは怪獣達の頂点に立つもの=王であり、これをオルカを使って御しつつ、世界中の怪獣を目覚めさせて自然を再生させようというのが計画だった。
そんな上手くいくんかい。

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●モンスター・ゼロv.s.ラドン
デストロイヤーによってゴジラの生命反応は消えたが、モンスター・ゼロは平気だった。彼の呼びかけによって、世界各国で動き始めた巨大怪獣=地元じゃナンバーワンなやつら。
アジア圏のどっかの火山でラドンが目覚め、モンスター・ゼロと鉢合わせ。
ラドン「ここは俺の地元じゃ!」
  ↓
ぼこられる
  ↓
ラドン「兄貴ぃぃ!」

ラドン……。

●偽の王
ここに来てとんでもないことが判明。なんとモンスター・ゼロは宇宙から来た外来生物=侵略者=偽の王だったのです。
エマ「なんか……おかしいと思ってた……」
だよね? 起きてからこっち、暴れるしかやってないもんね? めっちゃ凶悪だもんね???
あんなんが自然の使者のわけねーだろ! 
もう、馬鹿! この人馬鹿!!

●キング・ギドラ
たしかこのあたりで名前が判明したはず。
そう……モンスター・ゼロはキングギドラだったのです!
ひゃー、びっくり! ひゃー!

●ゴジラ復活大作戦!
もはやギドラを倒せるのはゴジラしかいない。
デストロイヤーを発射したくせに、唐突にゴジラ信仰に目覚める人類たち。
なんか昔の神話にも、ギドラの天敵はゴジラだよって書いてあったし。あいつを南極に氷漬けにしたの、多分ゴジラだったしぃ……。
今更遅いっちゅーねん。と思えど、それでは世界が滅んでしまうので前向きに考えましょう。
海底でかろうじて生きているらしいゴッジーラ。彼を元気にするにはどうしたらいい……?

出した結論が「核食わせろ」

しかも優しい手ずからの給餌でなく、瀕死のゴジラが寝ている海底都市に入って起爆しろとのこと。

どこまでも優しくない組織だな!

普通ならゴジラは怒ると思いますが。
だがしかし。
芹沢だから……!

●芹沢が気合いを入れ過ぎた
芹沢博士ーーーーっ!
まさかの芹沢死亡。
人類(主に提督)の罪を……過去シリーズの罪を……すべて背負って、奴は逝きやがったぜ……!

だが冷静に考えると、どうせ爆発させるんだから、ミサイルに核搭載して外から寝てる場所に打ち込んだらよかったんじゃないすかね。博士を犠牲にせんでもね。ぷんすこ。

●モスラ、真の覚醒!
モスラーや、モスラーや、の曲に合わせ、うごうご幼虫さんから綺麗で幻想的な羽根を持つ成虫へと覚醒するモスラ。
チャン・ツイィーさんが双子設定ということにここでようやく合点が行き、「あの双子か!!!」となった。
あの双子です。

そしてモスラは女の子だった!!!

……あれ? 日本ゴジラって子どもいなかったっけ? てっきりゴジラも女の子だと思っていたんだが……。

どう見てもハリウッド版のご尊顔は男の子ですね。サーセン。

●最終決戦
怪獣大戦争!!
これが見たかった! 大満足です。足元でどんな人間ドラマが繰り広げられていようと、怪獣達は意に介さない。どっかんどっかん、好きに暴れるだけ。これでいいんですよ、怪獣映画は。
誰が人間の味方だとか、誰が地球の敵だとか、細けえことはいいんだよ!!!
本シリーズではゴジラがヒーローみたいに描かれてますが、正直彼らにとって人間はどうでもいいでしょう。前作・今作ともゴジラと人、互いの目が合うシーンがありますが、あれを何かしらのメッセージだと思ってはいけません。ただの気のせいです。人間なんてアリンコみじんこタケノッコくらいにしか思われておりません。ゴジラはゴジラ。怪獣です。「ギドラむかつく、ぶっ飛ばす」しか思ってない。そこがいい!

だがラドン。てめーはだめだ。
なんでお前そっち側やねん。

●モスラぁーーーー!!
いい仲だったのに……! いい仲だったのにイィィィ!

ギドラの一撃によって塵と化してしまうモスラ。
多分にラドンの裏切りのせいもあってあの日和見野郎。

映画『もののけ姫』でモロと乙事主がいい仲だと宮崎駿監督に言われた時に、美輪明宏さんが「あんたまだそんなバカな事考えてるの」と呆れていらっしゃいましたが、ゴジラとモスラもその域ですね。でもいいですね! 二人の交わる視線に愛を感じます。
なのに! なのにいぃぃぃぃぃ!

●王が……目覚めた……
ヒェッ……。

覚醒した後のご面相があまりにあまりすぎて、なんつーか今は味方だとわかっちゃいても、キングゴジラさんこっわってなる。
あれほど強かったギドラさんが赤子のようです。

●鳴り響くテーマ曲
これですよ! 待ってました!

マニアに言わせると、前作のゴジラは鳴き声がだめだったそうです。
が、今作で復活したそうです。古き良き、ゴジラの鳴き声だそうです。
へー。

●キング・オブ・モンスターズ
タイトル回収。

ラドン「兄貴ぃぃ」

ラドン……。

●クレジットおまけ映像
モスラの卵!
娘なのか? それとも本人なのか? どっちにしろ今後もいい仲。

そしてちゃっかり生き残っていたジョナ氏によるギドラの首回収。
ゴジラ単体での続編もアリか……!?

●監督
マイケル・ドハティさん。ゴジラ愛に溢れたお方。
とてもとても満足のいく怪獣大戦争映画でした。ありがとうございます!!

次回作

2020年3月に『ゴジラv.s.キングコング』が公開だそうですね。早いな。一年経たないですね。

Amazon Prime Videoでは、本作の公開を記念してゴジラ祭りをやっておりまして、『ゴジラ対キングコング』を見直してみました。いやはや、これがめっちゃ面白いのなんのって。

ゴジラが飛び蹴りしてた!

尻尾ばかりでコングをぶっ叩いてたから、「お前はいつも手足を使わんのー」とツッコんでからの飛び蹴り。さすがゴジラやで。と思ったら、今度は

コングが背負い投げをした。

最早ツッコみどころしかない。だがそれがいい。ハリウッド版にも期待大です。
今のところ、下馬評だとゴジラが十割占めてる状態ですが。キング状態のゴジラに勝てるのかい、コングさんは……。それとも彼も覚醒し、まさにキング・コングの名にふさわしい何がしかになるのでしょうか。
愛情あふれるスタッフの方々が、きっと両者に華を持たせてくれると信じております。今から楽しみに待っていよう! ふーっ!

↓『ゴジラvsコング』の感想はこちら。

↓Amazon Videoにて配信中! 頂点を掴むのは誰だ!

↓前々作『ゴジラ(2014)』と前作『キングコング:髑髏島の巨神』はAmazon videoにて好評配信中。世界のケン・ワタナベが「ゴジラ」って言うよ!

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