映画『メン・イン・ブラック:インターナショナル』ネタバレ感想。新生コンビは伸るか反るか。

原題:Men in Black: International
2019年の映画
おすすめ度:☆☆☆☆

【一言説明】
男女コンビならではの展開が賛否両論。

メン・イン・ブラック:インターナショナル 映画

みんな大好き宇宙人ネタ。実は地球にはとっくの昔に宇宙人が来星しており、彼らの管理と外交を担当する組織が秘密裏に存在していた……というのが『メン・イン・ブラック』の基本あらすじ。新世代のジーニーことウィル・スミス氏と、宇宙人ジョーンズことトミー・リー・ジョーンズ氏で始まった大ヒット作品の新シリーズが封切りとなりました。

主演は『マイティ・ソー』シリーズのクリス・ヘムズワース氏とテッサ・トンプソンさん。ソーとヴァルキリーとして『アベンジャーズ:エンドゲーム』でも大活躍だったこの二人が画面狭しと大暴れ! 製作発表時からめちゃくちゃ楽しみにしてたんです。

ところが。

yahoo!映画での評価が3.13!!(2019.6.15時点)

あっれ? あれえええ???
3.13って、駄作レベル!!??? まさかの!!!???
すんげー衝撃。だって天下のメン・イン・ブラック。しかもクリス・ヘムズワース氏なのに!?

筆者は普段映画を見に行く際は、yahoo!先生のレビューを参考にしております。以下が指標。評論家の評価は当てにならないが、一般大衆の意見はほぼ九割外すことがないというのはまさに事実。

4.0越え 傑作。見逃したら大損。
3.8以上 面白い。見逃したら損。
3.6-3.7 そこそこ面白い。見に行っても損はしないレベル。
3.5   どうしても見たい場合は映画館に行く。他媒体でも可。
3.3-3.4 TSUTAYAでも借りなくていいレベル。
3.2以下 文句なく駄作。
2点台  見たことを悔いるor生まれたことが罪。

まさか3.2以下になろうとは……!
残念ながらyahoo!先生の評価を確認したのは、チケットを買ってしまった後だったんです。面白いに決まってると疑いすら抱かなかった。だから「あー……駄作かあ……」と肩を落としつつ劇場入りしました。

ところがどっこい。

面白いじゃん!!!

少なくとも筆者は楽しめました。今回は残り一割に当てはまったようで、重畳でございます。
あくまで個人的な意見なので、参考までに。

あらすじ

幼少時代、家に忍び込んだエイリアンを目撃したモリーは、変人扱いされながらも宇宙の真理を突き止める夢を抱き努力をし続けていた。
そして二十年後、ついに宇宙人を目撃。例の組織が彼を隔離する現場に居合わせる。
黒い服の男たちを追跡するモリー。そのまま『メン・イン・ブラック』のニューヨーク支部に忍び込んだ彼女は、腕を買われて見習いエージェントとして働くことになる。

最初の任務はロンドン支部にて自分の真価を発揮すること。功績が認められれば正式なエージェントに昇格、憧れのニューラライザーも支給される。
そこで敏腕エージェントのに同行を取り付けたモリーことエージェントMは、果たして昇格&地球の危機を救うことができるのか???

※以下ネタバレ。未見の方は注意。

 

ジャンルとしてはバディムービーに属する本作。MとH、二人が主役ではありますが、あくまで本作はMを主軸とした彼女が正式なエージェントになるまでの物語。Hの立ち位置はKに近く、先輩エージェントとして彼女を先導しつつ、どちらかと言えば裏方的な役割を果たします。

本作のヴィランはハイヴという超凶悪な宇宙人。冒頭でHと支部の局長であるハイT(リーアム・ニーソン氏)がエッフェル塔の上で彼を追い詰める。二人は知恵と銃一丁だけで相手を倒し、局長室に絵として飾られる程の伝説となったらしい。(ちなみにこのシーンではKとJが第一作のバグと戦う絵も飾られている。さすがはKとJ!)

しかし三年後。再びハイヴの影がちらつき始める。
とある種族の王族ヴァンガスが来星したのをきっかけに、もわふぁふぁーっとした双子の宇宙人が彼を追ってやって来る。二人の目的はヴァンガス暗殺のようで、HとMの護衛の甲斐もなく彼は敵の手にかかって命を落としてしまう。
死の間際、旧知の仲のHではなくMを選んでヴァンガスはあるものを託す。
「気をつけろ。Hはもうかつての彼ではない」
読心術を使うヴァンガスは、Hの心を読んだ後に彼女に警告したのだ。Hに若干の不信感を抱いたMは、MIBにも不穏なものを感じる。

「ヴァンガスが来星していたことを知るのは、自分とH、それにハイTとエージェントC、上層部のみだわ」

のみと言うわりに範囲は広いが、これはもしやMIB内に裏切り者がいるのでは……??

そして託されたのはただの石かと思いきや、実は超新星をそのまま圧縮して銃に閉じ込めた、星エネルギーを出力できる最強兵器ということが判明。
敵も味方もこの武器目指して向かってくる中、果たしてMは守り抜けるのか? そしてHは自分の味方なのか???
一抹の不安を残しつつも、二人は地球を救うために奔走するのだった。

感想

本作の欠点として、脚本の大味さと「これじゃない感」を挙げている人が多いようです。
たしかに。KとJコンビにあったような「シリアスな笑い」が本作には存在しません。あの二人の絶妙なユルさ。
世間的には一作目の評価が高いようですが、筆者が旧シリーズで一番好きなのは二作目。いっちばんユルーーーいんです。一作目で顔合わせも済ませ、Jがエージェントとして経験を積み、中堅になった後の円熟っぷり。
カーチェイスが終わった後で機をずらして飛び出るエアバック人間。「あんたはばしゃーっが大好きだった。ばしゃーっして! ばしゃーっ」と適当をかますJに対するKの真顔(記憶がないのにいつも通りの真顔)。でもって爆散しそうなヒロインの目の前で繰り広げられるJの必要以上のもたもたっぷり。ああ、大好き。

でもあの空気って、ウィル・スミス氏とトミー氏がいてこその空気。ウィルのツッコみ不在前提のボケと、トミーの真顔。二人だから出せる空気ですよね。
新しいキャストで同じ方向を目指しても、不協和音が鳴り響いたのではと思うわけです。

実際、MとHは魅力的なキャラクターになってました。あの二人ならではの方向性とバディ感は成功一歩手前までいっていたはず。それを妨げてしまったのは、多分Hが敵か味方かわからないという疑惑の種があったからでしょう。
冒頭を見る限り、HとハイTはハイヴに勝利したとは思えない。二人のうちのどちらか――もしくは両方とも洗脳されている可能性がある。
「たぶんキャスト的にもハイTだけど、万が一にもHかもしれない?」と思って観客は見ているわけで、Hが活躍するたびに最後のどんでん返しを警戒し、いまいち彼にノリきれない。
それはMも同じこと。
本来なら、互いの異なる個性でぶつかり合うはずの二人が、「裏切り者かも?」という疑惑の上でぶつかってしまっている。黎明期のバディにとって、外部からの余計な要素は不要なのにだ。だから彼らが最終的に結束するための紆余曲折がうやむやであり、結果感動が薄くなっているのだと思う。
裏切り者がMIBにいるのはいいとして、早い段階でHを疑惑から完全に外してしまえば結果は違ったのではないだろうか。そこが残念。
でもHのチャラ男ぶりはいい感じだし、決めるところで決められない部分を後輩のMが補ってくれるのは凹凸がはっきり出ていて面白い。

恋愛要素も筆者的には大歓迎。コンビに男女を持ってきた時点で不可避だし、『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー:リミックス』でスターロードがガモーラに語った通り、お互いわかってるんだけど認めない的な要素はいい緊張感をもたらすと思う。

まっ、とにかく細けぇことはいいんだよ!

続編があれば、きっと本作の不満点を解消してさらに面白くなると思うので、ぜひ期待しております。

人物紹介

●M
本作の主人公。気のせいか、エージェント任命後のビジュアルが、二作目で登場したあの人に似ているような……。彼は結局エージェントにはなれなかったんだろうなあ、うん。
幼いころに自宅に忍び込んだエイリアン(シャンブリアン? とかそんなおいしそうな名前だったハズー)に遭遇し、彼を逃がしてあげた。その恩のおかげで武器商人リザとの対決で勝利を上げる。いささかご都合主義ではあるが、絶対この展開くると思ってたので「キターー」と思った。来た。

それ以来「ゼッタイ宇宙人イル」なやばい奴認定されていたが、独力でMIBの場所を見つけ出せるくらいの有能さを発揮し、逆スカウトされた。多分なんだが、エイリアンを見つけたいがためにめっちゃ努力を重ねてきたんだと思う。訓練時の成績がぶっちぎりで優秀だったし、描写されてないだけで超がんばったんだろう。

見習いエージェントになってからも、嗅覚と勘と持前の対応力を発揮し、先輩Hを助け助けられ最終的に地球を救った。

でもおめー、未知の武器をほいほいぶっ放しちゃだめだろー。砂漠だからいいってもんじゃないんですよ、お嬢さん。砂漠にだって、生き物いるんだからねっ!

●H
みんな大好きイケメンパイセン。ハンサムさが売りなのは自他ともに認められているが、彼の真価は外面だけではない。タコだっていけるド根性の持ち主。いやもしかすると根性いらなくて、タコってぶっちゃけ吸盤が●×▽かもしれないじゃんね。(規制)

冒頭でハイTとともにハイヴに挑むが、挑んだところでばっさり場面転換となるため、「あっ……」と察する。おそらくハイTが洗脳されてしまい、彼の放ったニューラライザーによって記憶を改変される。
この部分は明らかにミスリードなので、周囲が言う「Hは昔と変わってしまった」発言が、どこがどう変わったのか説明されずに終わってしまう。
推測で補うと、多分二人はハイヴ相手に、まさに「知恵と銃一丁で」そこそこいい勝負をしたのだろう。だからこそ脅威と認定されてしまい、ニューラライザーによってHの根底にある「熱い」部分を改変されてしまったのではないか。周囲からは優秀と認定されるHが、本作に至っては爪の甘いポンコツ扱いになったのはそれが原因と思われる。元々チャラ男ではあっただろうが、傲慢さと無謀さが悪い意味で強調されてしまったんだろうね。

次回作があれば、ぜひ評判通りの優秀な彼の姿を拝みたいものだ。

●ポーニィ
本作のマスコットキャラ。

ぶっちゃけなまらめんこい。

まじめんこい。ほしい。

一介のポーンなので名前はまだない。自分で選んだ名前は「スティーブ」。茶化してたけど多分ガチ。

最後はHのお目付け役としてMから彼に譲渡されたが、胸ポケットが定位置の彼からすれば、なんでいきなりマッチョの胸板やねん、な心境か。かったそー。

●ハイT
MIBロンドン支部の局長。部下にTがいるからハイTなんだろうね。
演じるリーアム・ニーソン氏は背が高い故に、いつも弟子と並ぶと凹凸っぷりが際立っていたが、今回は文字通り並び立つ弟子で画面に華があった。

配役を見た時点で絶対にこの人がアレだろうなーと思った期待を裏切らずにアレ。
最後もうちょっと活躍してくれてたらよかった。というか、ニーソン氏なんだから、根性でハイブだけ分離してワームホールに投げ込むとかできた、多分。

●O
ニューヨーク本部の局長。ブラックスーツが決まっている、できる上司。
『メン』・イン・ブラックにはやはり前から思うところがあった模様。
ロンドンが舞台なので本作では始まりと終わりに出てくるだけだが、さすがの存在感だ。次回作では彼女も活躍させてほしい。

●リザ
Hの元カノ。孤島に城を築く武器商人。もちろん地球内ではなく外を相手に様々な武器を取り扱う。
「映画のチケット余ったんだけど買わない?」程度のノリで、最強兵器を売りつけようとする怖い女性。
イカれた髪型とファッションをそれでも着こなすファーガソンさんの美しいことよ。ぶっちゃけ足で踏まれたい。

それにしてもタコだの三本腕だの、Hは玄人好みなんすね。

●部下
名前を失念。リザの部下。Mが幼少期に出会ったエイリアンの成長した姿。
過去の恩を忘れず、MとHを助けてくれるが、お前はいたいけな幼児時代になんつーおっそろしい言葉を残して去るんだと説教したい。37564、イクナイ。

●双子
ヴァンガスを狙ってやってきた異星人。通常は星間ガスみたいにもやもやーっとした形状だが、別の生物に成りすますこともできる(電気信号か何かで情報を読み取るのか、取られた相手はどろどろに溶けて死ぬ)。
ダンス界で有名な双子さんが演じているそうな。作中のダンスがあまりにキレッキレなために画面がバグったのかと思ったが、実際に踊ってるんですね、ごいすー。
最終的にハイブを抹殺したかったらしく、敵の敵は味方な扱いをされていたが、冒頭で死んだ若い男子がかわいそうやろ……。というかお前らが素直にMIBに協力を求めていたら解決した……わけねえわ、ハイTが乗っ取られてたんだもん、ありゃりゃりゃ。

●ヴァンガス
気性の荒い宇宙人の王族。粗相したらいつでも地球ぶっ壊すかんね、と脅しを駆けつつ遊びに来る。来んな。

見逃したのか何なのか、こいつが最強兵器を自国から盗み出した目的がよくわからなかった。
星一つを銃に閉じ込めちゃうとかすごい技術力っすねー。そりゃ強気にもなるわー。

●ハイヴ
本作のヴィラン。うねうねした触手がいっぱい突き出た強い奴。エッフェル塔の最上階に道をつなげて地球で悪さしようとしていた。
ハイTの身体を乗っ取り、本体が来るためだかなんだかの道(このへんうろ覚え)をつなげようだかなんだかしていたけど、MとHの活躍により最終兵器でぶっ飛ばされる。
若干名前が独り歩きしていた印象。

●監督
F・ゲイリー・グレイさん。
賛否両論はあるでしょうが、面白かったです。ありがとうございます!

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