映画『来る』ネタバレ感想。迫りくるアレを調伏せよ。全国霊能力者が大集結。

来る 映画 ぼぎわん ホラー

2018年の映画
おすすめ度:☆☆☆

【一言説明】
アレが……来る!

来る 映画 琴子

第22回日本ホラー小説大賞を受賞した『ぼぎわんが、来る』を原作とした映画『来る』。公開当時は、評価があまり芳しくなく、劇場に行くのは二の足を踏んでおりました。
それがこの度Amazon Prime Videoにて、無料配信となっているではありませんか。あー、これこれ、見たかったんだよねー、と言いながら、再生ボタンを押すことの幸せ。
恒例の、Amazon Prime Videoは神ぃ! となった次第であります。

マジで神なんだわ、これが。入会は↓よりどんぞ。

主演はご存じ岡田准一氏。他に 妻夫木聡氏と黒木華さん、 小松菜奈さん、松たか子さんなど、豪華キャストが目白押し。
とくに、松たか子さん演じる最強霊媒師・琴子姉さんが、超かっちょよかったのでございます。

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あらすじ

「秀樹もきっと呼ばれるよ。だって、あんた……●●やから

幼かったあの日。
一人の少女が消えた。
大人になった秀樹は、消える直前の彼女との会話を思い出していた。

お山に呼ばれたの。呼ばれたら絶対に逃げられない」

どうして逃げられないの?

「……来るからよ」

何が?

「……アレが」

そう。
アレが、来る。

秀樹の元に。
今、まさに。

※以下ネタバレです。本作はホラーのため、若干の残虐な表現を含みます。未見の方と苦手な方は注意。

 

 

 

 

感想

『ぼぎわんが、来る』の存在を知ったのは、原作よりも映画が先だった筆者。
そのシンプルなタイトル、『来る』が爆裂に恐ろしく、何が……何が来るんけ? と、見ても読んでもないのに想像力を膨らませ、布団にくるまりガタガタ震えている、という珍事に。
で、いざ映画が公開されてみれば、ちっとも怖くないだの、原作とは別物だの、なんともいえないレビューが相次ぎ、じゃあ映画じゃなくて原作読んでみっかな、と『ぼぎわんが、来る』を手に取ってみれば……意外なほど、怖くない。
どちらかというと、原作は、何故秀樹が『ぼぎわん』に襲われるに至ったのかや、そもそも『ぼぎわん』てなんぞや? というミステリ要素が強め。
祖父宅を訪ねてきたときの描写や、秀樹の後輩の顛末など、序盤はかなり不気味だったんですが、いざ秀樹がぼぎわんに襲われるにあたり、その遺体が顔面の半分を☆☆されていた……という描写を見て、これは何か別方向に舵を取り始めていないか……? からの、最強霊媒師・比嘉琴子登場を機に、琴子VSバケモンの霊能力大バトルへと発展。
あっ、これ……普通のホラーじゃねえな。という感想を抱いた次第です。
怖くはないけど、面白いという。

だから、今回の映画を見た感想としては、原作とは別物だけど、大体合ってる、と申し上げたい。
後半の霊能者大バトルは、針が振り切れたとんでも展開だけに、かなーり面白かったです。

大体の流れとしては、

1.秀樹パート。
素敵イクメンパパ! な田原秀樹。
……と思ってるのは本人だけ。上っ面だけのお調子者感がにじみ出る秀樹君の周囲で、謎の怪奇現象が頻発。
職場に「チサの件で」女性が訪ねて来たと言う後輩。けれど彼は女性の名前はおろか、容姿や年齢も思い出せず、突然背中から血を噴き、救急車で運ばれてしまう → 入院 → 激痛に苦しみ、衰弱して死亡。
秀樹のスマホや家電に謎の電話がかかってくるようになり、自宅にいる妻の香奈知紗にまで被害が及びかける。
  ↓
これってアレじゃね?
昔、じいちゃん宅で留守番したときに訪ねて来た、真っ赤な手のひらのアイツじゃね……?
  ↓
餅は餅屋だ!
知り合いのツテを頼り、霊媒師・比嘉真琴とその恋人の野崎という胡散臭い連中に助けを求める。
  ↓
「もっと家族に優しくしてあげてください」
「優しくしてますぅ!」
  ↓
優しくする=当社比だったため、いよいよアレの接近を許す秀樹。
真琴の姉、琴子が電話の音声のみで登場。
「あんた、このままだとヤバイで」
「なら助けて!」
「他に重要な案件あるから無理」
「ヒェー」
  ↓
身体の空かない琴子に代わり、実力霊媒師=一見普通のおばちゃん=逢坂セツ子と食堂で会合する秀樹と野崎。
さっそくかかってきたアレからの電話。
「叫んだりしないように」 → 案の定叫ぶ秀樹 → 霊媒師に被害が行って、右腕が☆☆☆
セツ子ぉぉぉぉ!!
  ↓
「ここは俺に任せてお前は行け!」という、一生に一度は言ってみたい台詞を吐く野崎を残し、自宅へと戻る秀樹。
そこに琴子からスマホへと電話がかかってくる。
「今カラ私ノ指示通リニシテクダサイ」
なんだか声が自動音声のような琴子=いつも通り。
大人しく鏡を全部割り、刃物はまとめて戸棚に隠し、廊下には水を張った器をたくさん並べる秀樹。
「全部終わりました!」
「デハ、戸ヲ開ケテクダサイ」
「えっ……それじゃ、アレが来ちゃうじゃないですか!」
そこにかかってくる家電。
なんと、相手は琴子。
「今すぐそこを離れてください。アレは巧妙に、他人の声を真似します」
「えっ、じゃあ、スマホのこれは……」
  ↓
BAD END。

2.香奈パート。
初っ端、「秀樹が死んで清々した」と語る香奈。
第一部との間に何があったんだお前。
  ↓
実はイクメン好青年とは名ばかりで、実態はとんでもモラハラク●野郎だった秀樹。
実はというか、たいがいの人が気づいていた本性を暴露される秀樹。
香奈パートに立ってみると、百害あって一利なし状態の秀樹。
  ↓
頼れる親戚もなく、育児疲れ気味になる香奈。
唯一彼女が逃避できるのは、秀樹存命時代からの浮気相手、津田大吾との逢瀬のみ。
知紗を真琴に預け、堂々と津田の元へと通っていく香奈。
正直、はすっぱな黒木華さんは超好み……ではなく、「ならあげるわ、その子」というやらかし発言をかましてしまう香奈。
  ↓
途端に、怪しい気配が満ち始める田原家。
来ちゃったよ、アレが。
真琴の犠牲で、無事に自宅を逃げ出した香奈と知紗。
  ↓
駅のトイレに避難するが、追ってくるアレ
秀樹の時は、消えた少女の姿をしていたアレが、香奈の前には彼女の母親の姿で現れる。
「あんたなんて産まなきゃよかった」
  ↓
BAD END.

3.野崎琴子パート。
香奈パートで重傷を負った真琴を見舞う野崎。
目覚めない恋人を、とても神妙な表情で見つめている……が。
お前、初登場時は足で彼女を蹴って「起きろ、●●」とか言ってなかったか?
  ↓
満を持して登場する琴子。
全身黒のスーツにグラサンというたたずまい。
漂う只者じゃないオーラ。
タバコの煙を妹に吹きかけ、傷口から入った悪い呪いを浄化する琴子。
  ↓
病院の食堂(多分)でラーメンをすする琴子。
  ↓
犠牲者を取り込み、力を増していくアレを退治するため、全国から仲間を呼び集める琴子。
「アレをおだて上げ、田原家のマンションにおびき寄せて祓います」
  ↓
集まる猛者たち。
だがアレの妨害に遭い、たどり着けたのは半数のみ。
「人手が足らんから、あんたが田原家の部屋を掃除しておいて」
未来の姉の命令におとなしく従う野崎。
  ↓
始まる祈祷。舞う巫女たち。
「……来るよ」
  ↓
バケモン(アレ)VSバケモン(琴子)の結末やいかに!?

という感じで、真っ赤な血がやたらに流れるものの、ビビッドに、スタイリッシュに執り行われる日本を挙げての大決戦が、どこにでもあるフツーの家族向けンマンションで行われるというこの絵面。
一見の価値あり……どころか、めっちゃ面白かったです。

ぜひぜひ、松たか子さん演じる琴子姉さんをシリーズ化していただきたいですね。『ずうのめ人形』とか、いかようにも脚本に琴子姉さんの出番をねじこめるじゃろ。
夜露死苦ぅ!

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人物紹介

●田原秀樹
第一部の主人公。
演じる妻夫木聡氏の演技力が炸裂し、原作よりも輪をかけてク●度が増したク●野郎と化しております。
正直、延々と映される秀樹の日常には辛いものがありました。でも、よく考えると原作もそうでした。
垂れ流される、イクメンの皮をかぶっても隠しきれない何か臭に顔をしかめつつ、アレの登場を待ちわびるという謎展開。
だからこその、アレ襲来時のカタルシス……という。
こんな感想を抱かせる、秀樹さんマジパねぇっす。
野崎によれば、「彼は必死に妻子を守ろうとしているように見えた」そうなのだが、「……そうだっけ?」と首をかしげるくらいに、そうだっけ……?

というか、どういう襲われ方したら、ああなるんでしょうか。這って逃げようとして、後ろから食いつかれたとかそんな感じなんでしょうか。
いずれにしても、隣人がそんな怪死を遂げたというのに、いつもの日常が回る田原家マンションの住人が怖い。
多分琴子が手を回して、ガス爆発による下半身損壊とかで処理したんだと思うけど、損壊するかよ。

そんな秀樹君。成仏できずに、自宅でうろうろしていたのを、霊能者大決戦の直前。逢坂セツ子さんの手により、自身が死者であることを認識させられ、無事に昇天していった。
たしか原作では、アレに連れていかれた人はお山に囚われたままだったような気がしたんですが、そこは救いがあってよかったんだす。

●田原香奈
秀樹の妻。第二部の主人公。
外面ばかりが良く、中身のまったく伴わない夫に辟易。「秀樹が死んでよかった」と言わしめるほど、疲れ切っていた様子だが、無理もない。あれじゃあね。
原作では、夫亡き後も娘の知紗を大事にしており、津田の好意も断っていたのが、映画では娘を置いて彼とアーン☆しているという改悪設定に。
そのため、原作とは違って、アレに襲われ命を落とした。
真っ赤な血の滴る中、お世辞にも清潔とは言えない駅トイレの床に、べしゃっと倒れ伏す黒木華さんという、衝撃的絵面にヒェッ。さすがはプロ。敬服いたします。

熱で保育園に呼ばれたときのやり取りや、職場での糾弾など、現実にもあるあるなやり取りが見ていて辛い。靴の下りは一見非常識ですが、それだけ香奈の精神が追い込まれていたと見るべきか。
秀樹はその後のフォローがあったにも関わらず、彼女に関しては特に語られることがないので、そこだけ「なんでや」ってなりました。ある意味、平和に戻ったことを示す『オムライスの国』が、彼女への鎮魂歌なのかもしれん。

●田原知紗
秀樹と香奈の娘。めんこい少女なのだが、両親がちょっとアレだったためアレに連れ去られ、行方不明になってしまう。
琴子の言では、「アレを呼び込み、手懐けた」とされており、実際、白目をむいての「ちがぁつりぃぃ」発言は、そのまま異界にお帰りくださいと平伏したくなる大迫力。
だが心優しき真琴と野崎の尽力(というか進言。実際に尽力したのは琴子姉さんだぁよ)により、無事にアレと分離され、現世へと帰還した。

その後は、父と母も亡く、囲む大人二人が満身創痍の中、オムライスの国の夢を見るという無邪キッズ。
原作では、完全にアレからは解放されておらず、寝言で「ちがつり」とつぶやいているので、映画版では完ぺきなるハッピーエンドを告げる証ではないかと思われる。
そう考えると、映画版のほうが終わりは明るいような気がするのだが、横たわる死者の数はこちらが半端なく上なので、よく考えるとそうでもなかった。
まあ、子供が無事ならそれでいいのさ!

●野崎
第三部の主人公。オカルトライター。
初登場時は実に胡散臭く、寝ている恋人の腹に蹴りを入れるなど、意図的にバッドメンとして描かれていたのが、三部に入ると、ちょっと悪ぶってるだけのごくふつーのあんちゃん感を醸し始め、最終的に、腹をナイフでぶっ刺されても立ち上がりマンションの最上階から突き落とされたにも関わらず、幼女を守りぬいてしかも無事という、とんだヒーローポジションに収まるから、やっぱり岡田准一氏はパネぇ。
だめだこの人。何してもヒーローにしかならん。

でも、最終決戦に真琴の部屋から出勤していったりと、若干のヒモ感をかもすところが味噌醤油。インテリアからして、てっきり真琴ちゃんだけの部屋かと思ったら、お前も住んでるのかよ。

過去に、恋人の子供を堕ろすよう進言するなど、原作と違って漂うクズ要素があったものの、あの最強霊媒師を前に、「この子はただのガキだ。寂しかったらバケモンとだって遊ぶさ!」と啖呵を切るなど、やっぱり何してもヒーローになる宿命を背負っている模様。それが鼻についてベランダからドン! された。

最後は真琴と二人、眠る知紗を挟んで、激闘の余韻を味わう姿で幕を閉じた。
「なんだそりゃ」は平和の証。

●比嘉真琴
比嘉家の三女。野崎の恋人。
「私の力は血筋によるものではありません」と琴子は言うが、原作では次女含め、女性全員がそっち系なので、十分血筋。
最強の姉に憧れ、姉の背を追って無茶を繰り返したため、妊娠ができない身体になった。そのため、知紗に多大な関心を寄せており、姉に逆らってまで、彼女を守ろうとする。

アレが香奈と千紗を襲撃した際は、一人ベランダに飛び出してアレと対峙。大怪我を負う。
ガラスに飛び散った血液の量からして、一見死んだのかと思いきや、その後バスルームに逃げ込み、アレの大嫌いな鏡の前に立ったことで、なんとか一命をとりとめた。
だが、その際、傷を通してアレの毒素を受けたことで、一時的に身体を乗っ取られるも、琴子によって助け出される。

色々とアレな人々が多い中で、一番の良心ともいうべき人物。
演じる小松菜奈さんの魅力がサクのレツにて、実にかわいい。しかも、仕事一徹。無情に見える姉・琴子の唯一にして無二の弱点という超美味しすぎるポジション。
これを最高と言わずしてなんと言おうか。ぜひシリーズ化をお願いしたいのであります。

●比嘉琴子
日本最強霊媒師にして、おいしいところを全部持っていく本作の顔。
というか、盛りすぎではないだろうか?
美人で全身傷だらけ、声に抑揚がなく、座り方が男前。なのに妹一番大事な姉属性で、最強で最凶、しかもラーメン食べるビール頂く挙句の果てには松たか子さんという、最早ツッコミが追いつかないくらい、キャラが立っている。
そして妹の婿候補には、無言顔パン腹にナイフぶっ刺し、最後はベランダ突き落としと、百獣の王より厳しい態度で挑む。そんな貴女に憧れる。
でも下手したらというか、岡田准一氏でなかったら死んでたからな!

そんな琴子さん。集めた霊媒師を全滅させるアレを前にし、さしもの最強霊媒師も大苦戦か……と思われたのですが。
おそらく、生死不明のまま迎えるラストは、観客の想像におまかせしますということだと思うのですが、個人的な見解としては、琴子姉さんがアレに負けるわけねーずら。
一度血を吹かせたからといって、これワンチャンあるで! と調子に乗った結果が、最後の血液ぶっしゃーーーー! なので、とにもかくにも相手が悪かったんだよと、アレに声をかけてあげたい筆者です。
合掌。

●アレ
別名がんこ、ぼぎわん。映画でも由来や正体のヒントについて、津田氏や琴子さんがちろっと言及しているものの、詳しくは解説されないため、結局あれはなんだったんかいな……となる人も多いはず。
その正体は、口減らしにお山に連れて行かれた子供たちの霊の集合体。
原作だと、ぎざぎざの歯が並んだ巨大な口を持った化け物で、秀樹の部下や逢坂セツ子が噛まれたのはこの口による攻撃。
欧米から伝わった『ブギーマン』という呼び方が、なまって『ぼぎわん』になり、子供をさらう妖怪の呼び名として残された……とかだったと思う。多分。
映画では、狙われた人が恐れる姿となって登場するのですが、もしモロに化け物風の姿で登場していたら、それはそれで興ざめなので、むしろナイス采配だったと思います。

鏡と刃物が嫌い、という設定があり、いざ秀樹君を迎えに来る際には、偽琴子として電話をかけ、念入りにそれらを隠すか壊すかさせた。
が、終盤の展開を見るだに、鏡と包丁があったところで、それで身を守れるとはとても思えないのだが……?
真琴はなんで助かったんだ?

原作の最終決戦は、田原家の一室という、わりとこじんまりした舞台だったのが、映画では何十倍にもパワーアップ。
まさか、日本中の霊媒師をほとんど全滅させるほどの脅威とは思わなんだ。
問題は、日本中の霊媒師 <<<< アレ <<<<<<<<  琴子姉さんという、恐怖の図式が完成してしまうことではないでしょうか。
最早人里に放してはいけないレベルなんではないか?

●津田
秀樹の高校時代からの友人で、イケメンの大学准教授。
彼とはズッ友の間柄……と見せかけて、彼の大事なものを次々と奪っては捨ててきたと豪語する。
秀樹もそれに気づいていた、と彼を軽蔑するような発言をするが、そんな見下しをする相手にしつこく嫌がらせをし続けるお前も十分たいがいだぞ、と言ってやりたい。
秀樹亡き後も、香奈を手玉に取って嫌がらせを続けるというある意味あっぱれなアフォ。
香奈のもとにアレを呼び寄せる過程で、自分も呪いにかかり、死亡した。

原作では、香奈に振られた腹いせに魔導符を贈っていたが、映画では香奈を手に入れたうえで、さらにダメ押しのように贈っているので、秀樹ともども、輪をかけて性格がク●になっている。
仲良しやん。

●逢坂セツ子
琴子に信頼を寄せられる、TV出演も多い有能霊媒師。
原作では、初回の襲撃で命を落としていたが、映画では右腕を失ってなお霊媒師大決戦に参加し、最後まで抵抗を続けて力尽きるというハードボイルドさを見せる。
演じる柴田理恵さんがあまりにかっこよく、彼女版座頭市を制作してもよいのではと思うくらいにハマっている。ゴイス。

●霊媒師たち
日本中から集められた琴子の愉快な仲間たち。
タクシー乗車中にトラックに突っ込まれ、全滅してしまったユタのご婦人たちは残念でしたが、自撮りJKかと思いきや、荘厳な舞を披露し、「来るよ」と発言する巫女ーズや、「一人くらいは生きてたどり着けるやろ……」と分散したにも関わらず、全員生存して儀式に参加したおっちゃんたちなど、とにかく超絶かっけー方たちが多数。
様々な調伏方法ごった混ぜのなりふり構わぬ感が、アレの強敵具合を物語っているのがまたかっけーのです。

●チサ
失踪した秀樹の幼馴染。映画オリジナルキャラ。
かわいい幼女かと思いきや、「あんた……嘘つきやから」と冷酷に事実を突きつけてくる。
お山に呼ばれる悪い子だったらしいが、彼女の悪徳はなんだったのか。

●虫
アレあるところ、芋虫あり。
幼女の靴だろうと、ランドセルだろうと、ベランダの鉢植えだろうと、容赦なく現れてはうごうごうごめく不気味な存在。
やめれ。
マジやめれ。

●マンション
ごく普通のファミリー向けマンションかと思いきや、とんでもねー目に遭う悲劇の建物。
ガス漏れを建前に、近隣住民の一斉避難が行われたのだが、あちこちから血が吹き出すわ、流れるわ、死屍累々だわで地獄絵図。
事故物件ってレベルじゃねーぞ。

●秀樹の後輩
名前は忘れたが、うっかりアレさんの来訪を取り次いでしまったがために、ひんでー目に遭って亡くなったかわいそうな人。
初回の緊急搬送で帰らぬ人になったのかと思えば、けろりと一度は職場復帰 → その後入院。
「痛ェ……なんの呪いだよ」と悪態をつきつつ、エクソシストばりのブリッジ体勢を披露してくれる。
マジとばっちりーヌ。

●香奈母
まだ存命なのに、最後は怨霊みたいな扱いになってしまったかわいそうなママン。女手一つで子育ては大変だろうし、彼女には彼女の物語があるんでないのと思わせる。

●秀樹祖父
幼少秀樹が祖父宅で留守番している際に、アレと初遭遇する。
映画にはなかったが、本来は「あんなもん……呼ばないと来ない」という発言がなされるシーンがあり、秀樹が襲われたのは偶然ではないことが示唆される。
実は、この祖父が妻=秀樹の祖母にDVをかましており、それを恨んだ祖母がアレを呼び寄せ、悲劇の幕が開いた。
祖父がお山に連れていかれた後、アレはきっちり祖母の元にも訪れており、秀樹がアレの襲来を受けた際には、祖母の「なんで私まで……」という考えると超怖いセリフが聞ける。
そりゃー、ものがものだけに、呼び寄せたほうもただでは済むまいよ。

●披露宴の招待客
純粋に祝福しているであろう人々がいる中で、ちらほらと感じの悪い人物が映される。
結婚式あるあるが過ぎて困る。

●監督
中島哲也氏。『下妻物語』や『嫌われ松子の一生』などを撮っているお方。
とても面白かったです。ありがとうございます。

↓Amazon Videoにて好評配信中。世紀の霊能者大決戦を目撃せよ!

↓原作小説。映画とは別物……のようで、後半が『最強霊媒師大バトル』になるのは共通なのデス。

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