映画『インシディアス 序章』ネタバレ感想。ダース・モールさん前日譚に本人がちろっと出演。

インシディアス 序章 映画 ホラー

原題:Insidious: Chapter 3
2015年の映画
おすすめ度:☆☆☆
ビビりでも大丈夫度:☆☆☆☆☆

【一言説明】
美少女が幽霊に狙われます。

先日『インシディアス』1と2の感想を書きましたが、3以降はジェームズ・ワン氏が監督ではないので気が向いたら……なんて言っていたところ、なんとAmazon Prime Videoで無料配信になっておりました。

これは……鑑賞せよということか。

見なければ漢が廃るというもの。いざ、いざぁ!!
というわけで、視聴の運びとなった『インシディアス 序章』でございます。
主演は前作より続投のリン・シェイさん。スペックス役のリー・ワネル氏とタッカー役のアンガス・サンプソン氏も変わらず。他に幽霊に取り憑かれる役で、ステファニー・スコットさんというめんこい女優さんが出演されています。

1と2の感想はこちら↓

続編『インシディアス 最後の鍵』の感想はこちら↓

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あらすじ

前作から時を遡ること数年前。霊能者エリーズはとある事情から現役を引退していた。そんな彼女の家のドアを久しぶりにノックする者が現れた。
少女の名前はクイン・ブレナー。一年半前に乳がんで亡くなった母の気配を、最近頻繁に感じるという。話がしたくて呼びかけてみたというクインに、エリーゼはそっと忠告をする。

「気を付けて。一人に呼びかけるとみんなに聞こえる――」

結局母の霊と交信できなかったクインは自宅へと戻り、将来をかけた演劇学校のオーディションへと挑む。だがその会場で、遠くからこちらに向かって手を振る人影を目撃した彼女は不吉な予感を覚える。
果たしてその予感は的中したのだった――。

※以下ネタバレです。未見の方は注意。インシディアス1と2もネタバレしております。

 

 

インシディアス 序章

「どうしてやろうか」と聞くと、NHKの深夜コント番組『LIFE! ~人生に捧げるコント~』のムロツヨシ氏演じるキャラクター・どうしてやろうかしゃんを思い出す筆者です。ちなみに同番組内での筆者一押しコントはゲスニックマガジンの西条さんです。余談でサーセン。

さて本編。

ズンズギャーーーンっっって鳴るタイトルは健・在!!

だが3ともなると進化していた!
今回のは画面手前からINし、奥に向かって遠ざかっていくタイプだった。
ズギャドゥグブギャーーーン……っていいながら小さくなっていくタイトルを見ながら、なんか爆音流しながら走っていく迷惑車みたいなやだなーと若干かわいらしく思……わねーよ。「きっと来る」と身構えていたにも関わらず、タイミングが掴みにくかったため、例によってヒャンッてなったわ。

もし4を見ることになったら、絶対ヒャンッとならないぞと宣言する次第であります。(4は評価低いらしいから見る機会がないといいなとか思ったり思わなかったり。でもきっと見るんだろうなぁぁ)

さて本編。
エリーズは数か月前に夫のジャックがうつ病の悪化で自殺してしまい、彼の霊魂を探しに彼方の世界に入ったところ、幼少ジョシュ(1と2の主人公)に憑いていた老婆の霊と遭遇。過去の因縁から心底自分を恨んでおり、しかも殺す気満々だったため、恐ろしくて二度と交霊する勇気が出せない状態になっていました。
それでもクインに請われて彼女の母の霊に呼びかけてみたところ、案の定クインママではなく老婆(実は女装した老人)がやって来ようとしたために中断。力になることはできませんでした。

クインは仕方なく自宅に帰るも、あらすじの通りおかしな影に路上で注意を取られた隙に車にはねられ両脚を骨折。ギプス姿で三週間以上もベッドから動けない状態で過ごすことに。
だがこのシーン、脚というより胴体に横から車体がすんげー勢いでぶつかってきてるんですが、何故か骨折が長引くのは肋骨と骨盤ではなく両脚の骨という。
解せぬ。

そして動けないクインの周囲で心霊現象が頻発。
同じアパートに住む老夫婦のおばあさんのほうが、「あなたの部屋に誰かがいるわ。息ができない男よ。あなたがいない隙に出入りしている」と教えてくれる。

怖ぇーよ!!

息ができない男っちゃなんじゃい。単純に考えると『死んだ男』って意味か? 
不穏に思いつつも、自室でごろごろするしかやることがないクイン。そんな彼女の部屋の壁を、向こう側からノックする音が。
隣室には同学年のヘクターというナイスガイが住んでおり、クインにホの字なのがばればれ。だからお隣さんのいたずらかと思い、しばらくノック合戦を繰り広げた後、彼にメッセージを送るクイン。すぐに返事が。

「今ばあちゃん家にいるよ」

なんとヘクターはおばあちゃんっ子不在だという。

じゃあノックしてるのは誰?

ひゃーーーーー!
これは怖い。マジで怖い。作中一怖いシーン。
なのですが。
視聴している当時は台風六号が絶賛接近中だったため、やたら風の音がうるさくてノックの音がまったく拾えなかったという珍事が発生。だから普通なら怖いところを「えっ、なんて? クインがやたら壁叩いてるけどなんで?」的な反応しかできなくてすいません。ヘッドフォン? 無理だぜ。心臓止まります。

というわけで作中最恐シーンが終わった後は、まあなんとかとんとん拍子で見ることができました。
結論を言うと、今回の敵は悪魔ではなく幽霊。クインの上の階は空き室になっているのですが、そこで昔孤独に死んでいった酸素マスクをつけたおっさん(=自力では息ができない男。だったらそう言いんしゃい)が怨霊化し、同じアパートの住人が何人かこいつに狙われて自殺する羽目になっているという。おっさんは今度はクインに目をつけ、なんとかその魂を支配して身体を乗っ取り、苦しませて自殺させようとしているようです。

残念ながらエリーズが再び交霊を試みようと彼方の世界に行くも、待ち構えていたのはあの老婆。すっかり怯えた彼女は戦線を放棄して帰宅。そこでクインと弟、父親が次に頼ったのがインターネットで怪しい交霊動画を上げていたスペックスとタッカー。
呼んだらすぐに来てくれたものの、私服なせいでうさんくささが増している。もはやただのユーチューバ―。
と思ったら本当にただのユーチューバ―=幽霊退治をしたというのは嘘っぱちの偽物だったことが判明する。
恐怖体験のラッシュで精神がすり減ってしまったクインは息のできないおっさんの侵入を許し、身体を乗っ取られて誰彼構わず鈍器でぶん殴って来る憑依状態に。

スペックス&タッカー「サーセン。僕らには無理ッス」
クイン父「無理ッス、じゃねえよ!」

一応機械で幽霊を感知はできるものの、退治してたというのは誇大広告だったそうな。激怒して二人を追い返そうとする父親。

そこに登場する我らがエリーズ。

2で登場したカールさんに、「暴漢に襲われたら人は警察を呼ぶ。では幽霊に襲われたら誰を呼ぶ?」という『ゴーストバスターズ』の歌詞(Who you gonnna call?)みたいな言葉で諭され、再び対決の場に戻って来たという。
さすがは優しくも強さを秘めた女傑です。

いざ決戦!!

再び彼方の世界に入るエリーズ。息のできない男の他、件の老婆に加えてなんと自殺した夫との邂逅を果たす。
魑魅魍魎が待ち受ける中、果たしてエリーズはクインを連れ帰ることができるのか……!?

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感想

中々面白かったです。
特に前半。息のできない男……のくだりといい、得体の知れない何かがじわじわとクインの身に迫ってきている不気味さがよく表現できており、特にオーディション会場でのファーストコンタクトが秀逸。ふと目を向けた楽屋の窓の向こう側で、見知らぬ人影が手を振っているシーン。
後から考えると、

なんでお前フレンドリーに手を振ってるんだよ

と思うんですが、日常的な動作が一転して不気味に見える演出がすばらしかった。知らん人が手を振ってたらそりゃ怖いわ。
あとは上述の壁ノックシーン。ぞわっときますよね。しかも壁の後ろかと思わせておいて、天井から来るってのがまた。

ただ後半は少し残念でした。前半で登場した友人マギーとヘクターがまったく登場しない上に、結局クインのオーディションは上手く行ったのかとか、ダメだったなら進学はどうなるんだとか、プロムの話が出てきてあんなおいしいイベント他にないのに関係ないんかい、とか。若干張った伏線を投げっぱなしの印象が。
おっさんの霊もあれで完全に滅したのかどうかもわからんし、そもそもあいつなんだったのっていう。正体がよくわからん。

エリーズに関しては素晴らしかったです。なるほど、彼女は1で死ぬとわかっていて挑んだんだなあ……と、過去作を見返してみたくなりますね。

それでは以下、人物紹介です。

●クイン・ブレナー
本作の主人公。アパートの四階に住んでいる高校生。女優になるのが夢で演劇学校のオーディションを受けるが、緊張のあまり失敗気味に終わる。それを友人のマギーになぐさめてもらっていた時、道路の奥に会場で見たのと同じ人影を見つけ、ついふらふらと路上に出たところをエグい勢いで車に激突される
結果両脚を骨折。治るまで不自由を強いられる。

実はポスターの大口を開けている人は彼女だと知って衝撃。口の中に目玉があって気持ち悪いぜよと思っていたら、なんと劇中で再現される。息のできない男に乗っ取られたクイン。その状態を文字通りクインの体内に男が隠れているというビジュアルで持ってくるそのセンスがイカれております。スペックスと目が合った後、「あっやべ、見つかった」みたいにひょいっとするおっさん。
こそこそしてんじゃねーよ!!

息のできない男に加え、突如床を四つん這いになってはい回る怪しい顔のない女が登場……したと思ったら、実は魂を囚われかけていたクイン本人だったという事実が判明し、よくわからなさが最高潮。
乗っ取られた際は鈍器でもって、パパとスペックス&タッカーを殴りまくるし、これは相当ストレスが溜まっておりましたぜ。

けれどエリーズが助けに来てくれたおかげ&彼女が母リリーを呼んでくれた甲斐あって、無事におっさんの支配を解いて彼方世界から脱出できた。
結局オーディションがどうなったのかはわからないが、ハッピーエンドだったということだろう。ほっと一息。

●クイン父
妻を癌で亡くし、息子はやんちゃ盛り、クインは扱いづらくなったと思ったら両脚を骨折。仕事を休んでまで娘を看病する良きパパン。
アパートの管理人と二人、何故か真っ暗な五階の部屋に懐中電灯も持たずに調査に入る。ホラー映画恒例の、”わざわざ暗い中ヤバい場所に行く登場人物たち”が本作でも踏襲される。お前らちゃんと見えてんのか? と言いたい。
最初はクインが「霊現象に遭った!」と訴えても半信半疑だったが、寝ていたはずの娘が突如五階で泣き叫んでいるのを目の当たりにし、彼女の主張を信じることにした。
藁にもすがる思いでスペックス&タッカーを呼ぶが、藁どころか詐欺師だったことが判明して激怒する。相手があれでは仕方ない気もするが……。
最後は元に戻った娘とともに、笑顔でエリーズたちを見送る。よかったぜよ。

●クイン母
乳がん末期の苦しみから逃れるため、自殺したことが示唆される。
おっさんが娘を苦しめてるんだから、もちっと早く出てきてくれればクインも助かったんではなかろーかと思う。しかしまあ死人ビギナーズには、現世人とたやすくコンタクト取ったりできんのでしょうて。
さすがはクインを産んだ母。美人である。

●クイン弟
やんちゃざかりな小学生。
姉がひどい目に遭っているが、隔離されているため被害には遭っていない。
最終決戦前にもベッドに行くよう指示され、おとなしく従うあたり根はいい子。
現代っ子らしくインターネットでスペックス&タッカーを発掘してパパに教えた。

●エリーズ
最強の霊能者。夫ジャックを亡くし悲嘆に暮れているため、力を失っている。
クインに助けを請われ、二度挫折するもそのたびに立ち上がり、ついにはおっさんと因縁の老婆を退ける。
夫のふりをした老婆の霊が「君がいないと私は駄目だ。死んでくれ」と剃刀を渡した瞬間に、「こいつジャックじゃねーな」と察して表情が一変。「ジャックは私に死ねなんて言わない」の一言で正体を現した老婆への一喝。

「だが今日じゃない」

からの

「かかっといで!」

は最高にしびれた。しかもまさかの頭突き。
いやー、本シリーズのヒーローはやはり彼女なんだと再認識しました。生きていてもいなくても、最高にカッコいい女性です。拍手!

●ウォルター
エリーズのわんこ。めんこい。
「いつも私を助けてくれてありがとう」の言葉通り、まさに存在が癒し。いつも聡い目でご主人を見上げる忠犬だが、1の後この子はどうしたんだろう……。数年前だからもう他界しているのか、それともスペックス&タッカーが引き取ってくれたのか。後者だとよいなあ。

●スペックス&タッカー
本作でも迷コンビっぷりは絶好調。今回は私服にて登場。
なんというか役に立ったか非常に微妙だったが、彼らが出てくると画面の閉塞感がふっと和らぐのでウェルカム。
最後はやる気を取り戻したエリーズに助手としてスカウトされる。あのMIBみたいな服装はエリーズ提案だったんですね。
「あなたは何ができるの?」と聞かれて「……記録取る」と答えるスペックスに笑った。だから記述担当だったのか。絵がうまいし、よいではないか。

●ヘクター
クインにホの字の同級生。序盤で存在感を発揮したにも関わらず、ホラー演出に使われた後は登場なし。
マギーとともに、もうちょっと活躍してくれてよかったと思いますよ、残念。

●息のできない男
名前はなんてーのとwikiを見たが、なんと『呼吸不能な男』、英語版でも『The Man Who Can’t Breathe 』とあるのでノーネームのようだ。なぜクインに目を付けたのかはわからないが、リリーの死をきっかけに彼女の周囲をうろうろし始めたらしい。

クインの身体を乗っ取ってすぐ、無理やり足を打ち付けてギプスを粉々にした。憑依した効果で足が治ったのかと思いきや、その後も足取りがおぼつかないためそういうわけでもないらしい。

多分脚がめっちゃ痒かった。

三週間もギプスしてればしゃーねーわ。

最後は覚醒したクイン本人にマスクを力づくで剥がされ、口からきちゃない何かを吐き出しつつ消滅した模様。イッピカイエーほにゃらららでございます。

●ミュージックボックス
冒頭、エリーズを尋ねて来たクインの横で、執拗にカメラに収まり続ける古い機械。「母はよくレコードを聴いていたの……」とクインが言うので、きっと突如母の思い出の曲が鳴りだすんだろうと身構えて身構えて、さあもう鳴ってもいいですよ、ふふふ鳴らないように見せかけてそろそろ鳴るんじゃね、いやいや、いい加減鳴ったらいいんじゃあるまいか……と待っていたが鳴らなかった。

鳴れよ。

●ダース・モールさん
最後の最後で一瞬だけ登場。どうせまたラストにタイトルがズンギュアアァーーンって出るんでしょう? と思っていたら、タイトルではなくエリーズさんの背後にダース・モールさんが映って終わりました。
よ、よし。今回はヒャンってならなかったぞ!!! ダース・モールめ、首を洗って待ってろよ!!

●監督
リー・ワネル氏。今回も楽しませていただきました。さらなるご活躍を期待しております。ありがとうございました!

 

ちなみに。
2の最後で出た『アリソン』のアの字も出ない。
だからアリソンて誰なのさ。

↓Amazon Videoにて配信中。急にポスターの趣旨が変わったなあ……。

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