映画『交渉人』ネタバレ感想。どいつもこいつも目力半端ねぇ!

交渉人 映画 サスペンス

原題:The Negotiator
1998年の映画
おすすめ度:☆☆☆☆

【一言説明】
ハラドキ立てこもりサスペンス。

交渉人 映画

なぜ立てこもったのか。
奥さんに「無茶はしない」と約束した舌の根も乾かないうちに、「野郎、無茶しやがる……!」状態になる主人公、ダニー。
本作は、彼が巻き起こす騒動を、ある時はハラハラしたり、ある時はイライラしたり、ある時は胸にグッときたりの百面相で見守る内容となっております。

主人公ダニーはご存じ『スター・ウォーズ』シリーズのメイス・ウィンドゥ役ことサミュエル・L・ジャクソン氏、彼と張り合うもう一人の交渉人には『アメリカン・ビューティー』のケヴィン・スペイシー氏を迎え、半ばやけくそ気味な立てこもり事件は、画面を圧迫しつつ勃発するのであったよ。

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あらすじ

「誰かが俺をハメたんだ!」
かつての仲間に必死に訴えるも、冷たい反応しか返ってこず四面楚歌状態の男ダニー・ローマン
東分署内で優秀な交渉人ともてはやされた彼に、突如警察年金基金の横領疑惑と、それに付随する相棒殺しの容疑がかけられてしまった。
自宅からは横領の証拠とされる海外の口座が見つかり、ほぼほぼ有罪は確定したかに見えた。
このままではムショ入りは確実……愛妻カレンとも二度と会えないかもしれん……!」
死んだ相棒ネイサンが遺した情報から、横領に関わる男ニーバウムの事務所に乗り込んだダニーは、そこで起死回生の手段に打って出る。
ニーバウム含む数名の男女を人質に取って立てこもり、彼の口から黒幕の名前を引き出すのだ!

「死なばもろとも!!!」

大・迷・惑。

突如として指名され、スキー服で呼び出された西の交渉人クリス・セイビアン氏も迷惑顔だ。
「こちとら妻と娘の親子喧嘩を仲裁してたっつーのにもう……」

四方八方に消せない傷を残しつつのこの作戦。果たして成功するのか否か!?

※以下、ネタバレにつき注意。
本作だけでなく映画『ユージュアル・サスペクツ(1995年)』の決定的なネタバレも含まれております。

 

 

感想

Amazon primeにあったので再視聴。
前回から十年以上経っており、立てこもる以外の要素をまるっと忘れていたおかげで初見並に楽しめたのは僥倖であるも……画面が……画面が濃いのだよ……。

サミュエル氏の目力、スペイシー氏のにじみ出る曲者感、デヴィッド・モース氏の「どうせ悪役なんでしょう?」感。ヒロイン枠であるはずの奥さん・カレンすら眼光鋭いってなんやねん……。せめて一人でいいから爽やかなイケメンを……ほんのワンカットでいいから箸休めの清涼剤を入れてくれたら……。

……。

入れてくれねーよ……。

2時間19分という長丁場を、ほぼほぼ濃ゆい面子で埋め尽くす本作(褒めてます)。
サミュエル・L・ジャクソン氏とケヴィン・スペイシー氏のダブルキャストが売りのはずが、スペイシー氏演じるセイビアンが登場するのは四十分を過ぎてからなので、前半はほぼほぼサミュエル氏です。
サミュエル氏を取り巻く仲間たちが次々と現れては白い眼を向けてくるため、ダニーのメンタルは急降下……かと思いきや、逆に得意のメンチ切りをかましてくるよ! ヒェッ!

さて、中盤あたりで東分署の有象無象の面子が映されるのだが、要するに彼らはみんな容疑者要員 → この中の誰かがダニーをハメた犯人。
だから注意して見ておくと、あとで犯人がわかったときに「あー、こいつ!」となる……はずだったのだが。

いざ横領に関わった連中の名前が発表されるも……。

三悪人


……。

…………。


誰……?

 

印象の薄い三悪人

見直してみると、確かにその内の一人がニーバウムを射殺した実行犯だった。だがなんちゅーか……立ち位置が地味というか印象的な見せ場が事前になかったのと、心優しい狙撃手パラーモが場をかっさらっていったため、まったく記憶に残らなかった。

パラーモ最大の見せ場、ダニーをスコープ越しに完璧に捉えてからの
「撃てません……!」
は熱かった……!!!
作中屈指の名シーンではなかろうか。

まあ何はともあれ、最後は黒幕の正体も暴いてのハッピーエンド。
終わりよければすべてよし。
よく考えなくてもダニーのやったことはたいがいではあるが、きっと仲間がかばってくれることだろう。

多分……。

おそらく……!

人物紹介

●ダニー
主人公。なまじ眼光が鋭すぎるために、中盤以降に立てこもってからは「ああ、この人闇落ちしたのね」と、それまで彼に寄り添って見ていたはずの観客をたやすくだましてしまう罪な人。
わたしゃ……わたしゃてっきり殺したと……!
あまりに眼力が鋭いために、後年ヒーロー復讐部隊の司令官に抜擢されるに至っては、片方の目を封じられたくらいである。多分目から出る光線でサ●スを殺れる。
奥さんも眼力がパない。
彼のせいで観客は「野郎……無茶しやがって……」と幾度となくつぶやくことになる。
その極めつけが、終盤セイビアン氏に腹を撃たれたこと。黒幕を欺くための芝居かと思いきや、実は本当に撃たれていたことが判明。ダニー氏の無茶ぶりは天井知らずであったことを思い知らされる。
もしかすると撃った側の腹いせもあったかもしれないが、腹ズドンだけで済んだんだから結果オーライ。無実が証明されてよかったね!
そして思っていたよりも背が高い。

●セイビアン
東のローマン、西のセイビアンと謳われたかは知らないが、突然の呼び出しにもかかわらず期待された役目を十二分に果たしたので非常に有能。さすが我らがカイザー・●ゼだZE!
初登場時からスキー服を着て登場。「スキー服て」と思っていたら、本人も気にしていたのか上だけ半脱ぎになるも、下に着ていたのがジャージだったためにやっぱり緊張感がない。なので途中でお着換えシーンが挟まれるが特に誰も得しなかった。
「上に行く」と軽く言って本当に上に来てるけど、電気が通ってないのでエレベーター使ってないですよね? 階段ですよね? 大変じゃないですか? あっ、だから暑くてスキー服を脱いだんですね! と妙に納得した。思ったよりフットワークが軽い御仁だ。
事件は無事に解決したものの、その後妻と娘が和解できたかどうかは謎。それどころか戦線放棄と見なされて、帰ったら「お父さんのせいで旅行に行けなかった!」「仕事と家族とどっちが大事なのよ!」とかつての敵同士による共同戦線が張られていた可能性すらある → 大丈夫、彼は優秀な交渉人です!
名前の響きがとっても素敵。

●ニーバウム
「お前がやった」「お前のせいだけどな」とやたら念を押してくるいけ好かないおじさん。ダニーが無実であることを知っている身としては、この底意地悪く罪を着せようとしてくる態度が癪に触って仕方がない。
正直早よ消えろと思っていたところ、ダニーを狙ったと見せかけて侵入してきた味方に口封じに殺されてしまう。その手口があまりにもあからさまな上に、彼自身は黒幕ではなかったため、同情する人が出たかというと多分そうでもない。口は禍の元ってね。

●ベック
悪 役 だ と 思 っ て た。
すべてが終わった後で思い返すと、なんであんなにダニーを殺したがっていたのか非常に謎。
私怨か。私怨なのか。
まさかダニーの新妻カレンとの三角関係をめぐってのあれやこれやではあるまいな? あるまいな!?
そして思っていたよりも背が高い。

●ザ・人質ズ
まずい場所にまずい時間に居合わせたせいで、気の毒にも巻き込まれた人々。前述のニーバウムに秘書の女性、ルーディー氏にダニーの同僚フロストの四人。最後まで生き残ったなら、巻き込まれ型主人公の映画オーディションに参加するといいかもしれない。
自業自得君もいるにはいるが、あとは完全なとばっちり。とくにルーディーには何の罪もない。服の趣味がちょっと悪いくらいだ。
どうしても気になるのが、生理現象を訴えたら「これにしろ」とジュースのカップを渡された人。向こうの人は膀胱が大きくて滅多にトイレに行かないって聞いたんだけど、 そうなるとあのサイズで間に合ったんでしょうか。2Lペットボトルくらいでないと足りなかったんじゃないでしょうか。

●フロスト
黒幕。ニーバウムと愉快な囚われの仲間たちかと思いきや、ここで会ったが百年目の仇敵。お前のせいでネイサンは……! 最初に救出された人質として人々の喝采を浴びるのだが、見返すたびに憎たらしい。
ダニーとセイビアンの罠にかけられ、大勢の同僚たちの前でそうとは知らずに犯行を自白。すべてを悟った瞬間に自害しようとするも寸前で阻止される。貴様には生き地獄がお似合いだぜ……。

●パラーモ
つまようじを加えた狙撃手。いいところを持って行った。
映画中盤でダニーの頭部を完全に捉えるが、人の好さそうな顔と体型に加えて、ダニーとの熱い友情伝説が頭を駆け巡り、ついに引き金を引くことができなかった。
そのせいで任務を外れるも、ダニーの無実が確定となった後はほっと胸をなでおろしたであろう。彼もまたヒーローだ。
余談だが向こうの映画やドラマではたまに爪楊枝を口にしている人がいるが、『名探偵モンク』によると味がついているらしいことが判明しびっくりである。
えっ、何? ママの味? しょうゆ味もあるの? へえー。

●監督
F・ゲイリー・グレイ氏。
ウィキペディアを開くと実に男前なお顔を見ることができる。『メン・イン・ブラック』新シリーズ(2019年)の監督さんとのこと。大いに期待。
本作も骨太な作りで面白かったです。ありがとうございます!

↓『メン・イン・ブラック:インターナショナル』の感想はこちら。

↓Amazon Video にて配信中。気をつけろ……本当に濃いぞ……!!

↓珠玉の名作『名探偵モンク』シリーズ。
個人的感想ながら、『シャーロック・ホームズ』や『名探偵ポアロ』シリーズに並ぶ作品だと思っております。

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エイドリアン・モンク(トニー・シャルーブ)はサンフランシスコ警察の元刑事。型破りな捜査で難事件を解決する将来有望な伝説的刑事だった。しかし、シーズン1で、最愛の妻トゥルーディをいまだに未解決の殺人事件で失うという悲劇に遭ってから、モンクはシ...
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