映画『貞子VS伽倻子』ネタバレ感想。見たら死ぬVS入ったら死ぬ……正直どっちもごめんなさいな最凶対決の軍配やいかに!

原題:貞子VS伽倻子
2016年の映画
おすすめ度:☆☆☆
ビビりでも大丈夫度:☆☆☆☆☆

【一言説明】
やばいものできた。

貞子vs伽倻子 経蔵

明けましておめでとうございます。
新年第一発目の記事は、まだ一件も書いてなかった邦画のカテゴリ――日本が誇る二大怨霊による豪華共演『貞子VS伽倻子』をお送りしたいと思います。
Netflixの新着カテゴリにて偶然見つけた『貞子VS伽倻子』。新年早々何を見とるんじゃと思えど、なんか再生してしまった『貞子VS伽倻子』。
実はビビり故に本家『リング』シリーズも『呪怨』シリーズも通しで見たことは一度もなく、とりあえず貞子は井戸、伽倻子は階段、でもってブリーフ履いた真っ白な子どもが俊雄君、くらいの知識しか持っておりませんでした。
でも気になってたんですよね、『貞子VS伽倻子』。エイプリルフールネタで見かけたときから、「おっ、なんつー夢のタイトルマッチだ」とぜひとも見たいと思っていたんですよね。
というわけで、夢が叶ったよ、おっかさん。

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あらすじ

※混ぜるな危険。
出会ってはいけない二人が出会ってしまった!
見ると死ぬ代表、『リング』の貞子
入ると死ぬ代表、『呪怨』の伽倻子
誰もが知る二大怨霊にして、呪いの権化。不条理の極み。
ホラー界の二大巨頭を前に、人類代表の常盤経蔵は考えた……。

闘ったら、どちらが強いのか。

誰もが一度は夢見た対決の舞台を、いそいそとおぜん立てする常盤経蔵。
果たして勝つのはどちらなのか?
その先に待つのは救いか破滅か?
人類の存亡をかけた戦いが、今はじまる……!

※以下ネタバレしております。未見の方注意。

 

 

感想

タイトルからして漂うイロモノ臭。何せ『貞子VS伽倻子』ですから、両者のファンをターゲットとした一見さんお断りの構成なのか……? と思いきや、なかなかどうして、初心者でも設定が分かりやすい親切設計&きちんとしたホラーな造りの映画で好印象。
前半は貞子パートと伽倻子パートに分かれての同時進行。それぞれの被害者となるめちゃんこかわゆい女子大生と女子高生が、どのようにして呪いに巻き込まれていくかが描かれており、本作におけるルールが分かりやすく解説されています。

貞子パート
・ビデオを見たら二日後に死ぬ
・第三者にビデオを見せ、呪いを拡散させれば死を免れる……というのはデマ。死ぬ
・二日経つ前に自殺しようとすると貞子が現れ死ぬ
・呪い発動の邪魔をしようとする第三者は貞子に怒られ死ぬ

伽倻子パート
・庭は大丈夫だが、家屋に入ったら死ぬ
・風呂桶を覗き込むと死ぬ
・押入れに隠れると死ぬ
・戸棚を開けても死ぬ

全方位死ぬじゃん。
死ぬ一択じゃん。
特に貞子は唯一助かるためのルールが消えたとか絶望するしかないんですが、伽倻子側に抜け道がないから仕方ないのかな。助かる道があると、「そうだ! 貞子に伽倻子をぶつければ助かるんじゃね?」という発想にならないもんね!
つーか、普通はならんだろ!
ばかじゃねーの? ばかじゃねーの??
「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」じゃねーわ。
ぶつけたら、ああなったわ!
日本どころか全世界震撼のハイブリット怨霊が出来上がったわ!
よくよく考えると、元凶と呼ぶべきは「死なばもろとも」を地で行く行動=呪いの動画をネットにアップしちゃった夏美ちゃんなんですが、海外勢とか「ノロイノビデーオ? ドンナノデースカ」と言って再生 → 二日後死亡のビッグウェーブがすぐそこまで来ているのが目に見えそうなだけに、世界滅亡待ったなし。
こんなメイド・イン・ジャパンは見とうはなかった。日本産アポカリプスでマジサーセンだ。

というわけで結局どっちが勝ったかというと、どっちも勝たずに融合したが正解でした。
名前はサヤコかカダコか、はたまたサダカヤか。何になるのかわからんけど、とりあえず容姿は貞子、動きは伽倻子っぽいんですが、両者に深く通じているわけではないのでよくわからん。でも多分怖さと理不尽さは倍……というか二乗。
呪われる原因もハイブリット化されたと思われ、動画を見た人はもちろん、その人物の居住区が伽倻子スポット=入ったら死ぬ区域認定されるとか、そんなレベルに昇華されたのではあるまいか。

多分ないとは思うが、もし続編があったなら、きっと舞台は日本を飛び出し世界へと広がるはず。
個人的にはオラついて日本を飛び出したサダカヤが、世界の熱い壁にぶち当たって泣きながら逃げ帰り、スポ根のごとく呪いの威力を高めるために修行を積むパートがあるとよいと思います。でもって宗教の壁を越えて、伝説のエクソシストとか呪術師とか、対悪霊バトルロイヤルを繰り広げ、最終的には宇宙を目指すストーリーが見てみたい……わけねーや。でも遠い未来には『貞子2149』とかが封切りになるんですかね。知らんけど。

ちなみに本作は娯楽作ということもあり、ビビりな筆者でも大丈夫でした。けど「これ案外本家もいけんじゃね?」と調子に乗って『呪怨』のまとめ記事を読んでみたら、途端に背筋がうすら寒くなってすいませんでしたと謝りたくなったのでやっぱり伝説になるだけはありますわー。

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人物紹介

●貞子
大人気怨霊その1。映画版『リング』は未見で1995年のドラマ版しか見たことがないが、ドラマ版ではふつーに美人で色っぽいおねーちゃんだった記憶が。
インターネット全盛期の時代にあって、VHSという二十代以下は何それな媒体に宿り、呪いをちまちま拡散している健気子さん。
映画冒頭にて独り暮らしの老人を呪い殺し、運悪くその遺体を発見した民生委員もきちんと呪い殺していた模様。とばっちりがひどい。
その後遺品が引き取られたリサイクルショップにて主人公有里にビデオデッキごと購入され、その友人の夏美共々見事二人を呪いの対象下に置いた。
だが中盤で現れた霊能者・経蔵により、「バケモンにはバケモン」の精神で突如伽倻子との対決をおぜん立てされる。
正直二人が顔を合わせたところでまともに対決すんのかよと半信半疑だったが、会った途端に互いが宿敵であることを察知したごとく律儀に戦い始めるので好感度が上がる。
戦績としては、俊雄君は格下とばかりにTVに引き込んで始末。伽倻子とのサシ対決では目力によって相手を爆散させるも、復活した伽倻子に引きずり込まれた……と思ったら奥から普通に登場し、長い髪の毛で束縛するなどさすがの怨霊力を見せる。多分戦闘力53万。
その後は井戸に飛び込んだ有里を追って伽倻子と物理的(?)に衝突。その衝撃で互いに混じり合い、うごめく醜悪な肉塊と化した……と思ったら、井戸の底で有里の肉体を取り込み三者融合したのか、サダカヤが爆誕して物語終了となった。

●伽倻子
大人気怨霊その2。『呪怨』シリーズは怖そうすぎてとんと縁がないが、とにかくテリトリーに入った人やそれにかかわる人を誰彼構わず呪い殺すイメージがあり、貞子よりも理不尽度が上な気がする。貞子に呪いを邪魔する奴も殺す要素が加わったのは、彼女に会わせて理不尽度を上げたせいかも。
お隣に引っ越してきた女子高生鈴花を餌食にせんと、無意識下に働きかけ、家に呼び寄せようとする。
近所では有名な立ち入り禁止物件らしく、鈴花以外に犠牲者が出なさそうだったのだが、そこは小学生という無鉄砲な生き物を登場させ、見事四人も呪いの餌食とした。
その後は自宅にやってきた大本命の鈴花……ではなく、その両親をさくっと手にかけ、本人が再びやって来てくれた……と思ったら、なんとその場で呪いのビデオを再生しやがったから戦闘開始のゴングが鳴り響いた。
息子をさくっと退けられ、自身は呪いの視線によって一度は爆散。だがあっさりと復活し、目の前に投げられたビデオ本体をこれ見よがしに握りつぶしてざまぁ……となったところに怒った貞子がとびかかり、世にも恐ろしい泥レスに発展。
たまらず逃げ出した有里たちを追って、例の奇怪な動きで井戸まで這って来るが、二足歩行の貞子と速度がたいして違わないのは何故なのか不明。まっ、細けぇことはいいんだよ!

●俊雄君
白ブリーフが印象的な伽倻子の息子。CMなどでよく見かけたので、筆者的には伽倻子よりも彼のほうがビジュアル的になじみがあった。
たいてい体育座りをして猫の鳴き声を立てているが、伽倻子宅は滞在時間と死亡までの時間が比例せずにまちまちなので、わりと気分屋な親子であるらしい。まあ時間が長くても生きては出られないんだろうけどさ。
ところで貞子とおかんは融合してしまったわけだが、この子はどうなったのか語られましたっけ? 最後のシーンに井戸の近くとかにいたか? よく覚えてない。

●有里
貞子側の主人公。めちゃんこかわゆい女子大生。
だが、バイトの疲れか何かか? 大学の講義での堂々たる居眠りっぷりには恐れ入った。かわいらしさを強調したかったのかもしれないが、講義中にあの体勢で寝るやつはまずいまい。

友人の夏美にVHSをDVDに焼く作業を頼まれ、ビデオデッキを購入したことから死の呪いに巻き込まれる。
というか「呪いのビデオかも? 見てみようよ!」と嫌がる友人を前に無理やりビデオを再生したのに、肝心かなめのシーンをスマホに目を落としていたためスルー。夏美だけ呪いに掛かりましたとか、そりゃ怒るよ……。
その後は夏美のために呪いの回避方法を探して尽力するも、有名な霊媒師すら貞子に勝てないことを知り、夏美からビデオを受け取って再生 → 第三者に呪いを拡散すれば助かるルールを実践するも、デマだったことが判明。犠牲者が増えただけという悲惨な結果となった。
その後目の前で夏美が死亡 → 経蔵の秘策にすべてをかけるも失敗。プランBにて『どちらか一人が犠牲となって井戸に飛び込み、怨霊たちを誘い込む』役割を引き受け、意を決して井戸に身を投げるが、結局は怨霊二人の媒体となってサダカヤ爆誕の礎となってしまった。
自己犠牲の精神に溢れたかわゆい女子だっただけに不憫この上ない。

●鈴花
伽倻子側の主人公。めちゃんこかわゆい女子高生。
引っ越した先が伽倻子宅の隣という最悪の立地。転校先の高校で友人になった子から警告を受けるも、何かと気になって敷地を覗きこんだりしている。
ある日4人の小学生が敷地の前に立っているのを見かけ、後に彼らが行方不明になったことを知る。
そしてそのうちの一人が夜中に隣の家にいる姿を見掛け、思わずそのまま隣家に走り込んでいくのだが、そこは警察に電話したまへよ。
しかも隣に行ったのを両親に気付かれ、結局二人とも犠牲になってしまうという最悪の展開に。
その衝撃も去らぬうちに『バケモノVSバケモノ』の作戦を立てられ、あれよあれよというままに最終決戦へ。
両者が井戸に飛び込んだ後、蓋をして封印を完成させるが、現れたサダカヤを前に絶叫し物語は幕を閉じる。まあ多分……もにょもにょされてしまったのだろう。不憫。

●経蔵
有能な霊能者。当初有里たちが頼った法柳という霊能者が貞子の前に倒れ、絶望していたところに颯爽と現れる。
当初はかなり頼れる感じだったのだが、それでも二大怨霊を相手にするには分が悪いらしく、両者の呪いをぶつけて相互消滅させようという秘策……というよりは崖っぷちの策を思いつく。
結果は上述の通り。なんてことをしてくれたんだお前は。
どうにか助けてくれようとした結果とはいえ、すんげーもん生まれたなあ……。
まあ本人はサダカヤ爆誕の余波をくって、なんと下半身が吹き飛ばされてしまったようなので仕方がないのだが。
有里と鈴花にビデオデッキを渡し、「中に入ったらできるだけ早く再生して呪いを受けろや」と入り口の手前で話す彼の姿は無責任にも映りそうだが、自身が呪われてしまったら正しく怨霊に対処できなくなるというプロの姿勢を崩さないのだろうからそこはさすが霊能者といったところか。
あまりに漫画的位置づけの人物故に、彼が出てきてからは怖さがぐっと薄れる。

●珠緒
経蔵と行動を共にする盲目の少女。だが一瞬だけ映る彼女の視界によると、目は見えずとも物体の位置関係などは把握できているようだ。
経蔵よりも霊的なものがよく見えるようで、その方面から彼をサポートしている。
経蔵亡き後、鈴花とともに封印を完成させようとするが、最後は現れたサダカヤの手にかかったであろうことが察せられる。
まだ子どもなんだからそこは見逃して……くれないか。

●夏美
有里の友人。貞子の呪いにかかり、二日後に迫る死に怯えて徐々に精神に変調をきたす。
呪いのビデオを研究しているという大学教授・森繁を頼るも、紹介された霊能者・法柳のお祓いにてしこたま水を飲まされるこのシーンは絶対どこかの層に向けた何がしかの意図を感じる。
しかもそんな目にあったのに結局貞子の呪いは解けず、最後はもう捨て鉢になったのか、なんと呪いの動画をネットにアップし、有里に「一緒に自殺しよ? ねっ?」とサイコな表情で迫った挙句、結局予定時刻より前に現れた貞子によって呪い殺されるというあちゃちゃーな目に遭う。
というか死に顔怖っ! 置き土産ならぬ死に土産があんまりすぎるから仕方ないっちゃ仕方ないが、美少女にも容赦ないのー。

●森繁
有里たちの通う大学の教授……もしくは准教授か何か。
呪いのビデオをずっと研究しており、自費出版にて本も出しているほどの熱意を見せる。
実際に呪いのビデオを持って来られたときはさすがに恐怖を感じた……のかと思いきや、貞子見たさに自身はお祓いを辞退するなど、ある種の狂気を感じさせる。
そんなにまでして貞子が見たかったのだが、結局は貞子に乗っ取られた法柳に頭突きをされて死亡するという、最期まで姿を目にすることはできない結果となった。
なんぞそれ。追われると逃げるタイプなんか、貞子は。ドイヒ。

●監督
白石 晃士監督。『ノロイ』など怖い系を取っていらっしゃるお方。
楽しく怖い時間をありがとうございました。

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