映画『ゾンビランド:ダブルタップ』ネタバレ感想。10年経っても変わらない最凶面子は超最高。

ゾンビランド ダブルタップ 映画 コメディ

原題:Zombieland: Double Tap
2019年の映画:
おすすめ度:☆☆☆☆
グロ苦手でも大丈夫度:☆☆☆☆☆

【一言説明】
アレルギーヤヴァイ。

ゾンビランド2 ダブルタップ

ゾンビのゾンビによるゾンビのための映画だった前作から早10年。
昔の映画は『2』といえば駄作。『2』といえば別物。『2』といえば一部のキャラクターが名前同じで顔別人という代物でした。
が。
時代は変わり、キャラクターの生い立ちだのなんだのを語る必要があった『1』に比べ、物語的に成熟してやりたい放題になった続編はさらに面白くなるという現象があちこちで見られるようになりまして。
本作ゾンビランドも例に漏れずパワーアップ&主要キャラ四人が全員同じ顔という――有体に言って最高ってやつです。

主演はご存じウディ・ハレルソン氏とジェシー・アイゼンバーグ氏、エマ・ストーンさんとアビゲイル・ブレスリンさん。そして新キャラクターに『アンストッパブル』のロザリオ・ドーソンさんと『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のルーク・ウィルソン氏が出演されています。

※エンドクレジットの途中と最後に重要な映像が流れるので、席を立つのはNGでござんす。

↓前作の感想はこちら。

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あらすじ

諸君! 我々は再び君たちに会えたことを大変うれしく思っている!
十年経ってもここ『ゾンビランド』は相変わらずだ。
各自ルールブックは持ったかね?
あれから追加ルールが増え続け、73個になっちゃったわけだが、今回も厳守すれば生き残れることを約束しよう。

なんだ、二等兵?
うん? 11時にゾンビの大群?
ははは、慌てるな。二度撃ちで止めを刺せ。

うん? 何?
倒れない?
二度撃ちで駄目だと? なら三度撃ち……はっ、まさか!
あれが噂に聞く新種のゾンビ、T-800!?
落ち着け、諸君。大丈夫だ。
ここは慌てず四度撃ち、五度撃ち……なんだこいつまったく倒れないな。
やめろ、来るな! くそっ、来んなっつーの……
ぬぎゃーーー!

※以下ネタバレです。若干の不衛生な描写も含みます。苦手な方、未見の方はご注意を。

 

 

感想

めっちゃ面白かったです。
『1』を見たのが記憶に新しく、序盤はあまりの変わらなさに驚くやら嬉しいやら。
正直、あまりにノリが同じすぎて、このままこの調子で行ったら『1』の焼き直しで退屈になりはしないかと要らぬ心配までしてしまったんですが、杞憂でした。
同年代のヒッピー男子と出会ったリトルロックが離脱したあたりから物語が動き出し、続々登場する新キャラたちはどいつもこいつも奇奇怪怪で魅力にあふれた人物ばかり。
しかも走るゾンビになんと新種が現れる。
その名は『T-800』。
デデンデンデデン。
名の通りダブルタップ(二度撃ち)でも死なないし、こちらを食い尽くすまで前進をやめない、まさにゾンビの中のゾンビ。十年あればゾンビも進化しますってか。

普通のゾンビ=動く死体なら、新陳代謝が止まっているため十年もあればとっくに自滅してそうなんですが、ここゾンビランドのゾンビは死人ではなく、ウィルスの影響でめちゃくちゃ凶暴性が高くなったという設定。だから経年劣化しないうえに、じわじわと生き残り組が感染=新規加入が途切れないため、十年経ってもゾンビランドは絶賛営業中という感じでしょうか。
ただ人類側は生産ラインが止まっているので、銃やガソリンなどの物資もいずれは尽きるし、水やトイレや風呂はどうしてんの? 電気止まってないそうだけど、誰が発電してんの? そもそもスーパーの食料品も十年は持たないんじゃね? と疑問てんこもり……細けぇことはいいんだよ! 考察するような話じゃないしな!

物語的にはとくに筋という筋がない本作。細かいことは考えず、繰り出されるギャグにどっと笑って楽しめればそれでオーケー。
32から73に増えたルールですが、73の詳細は英語版のwikipediaにも載っていないようなので、dvdとか発売されたら明かされる感じでしょうか。
今回も冒頭にてゾンビたちがポップでファンクに弾けまくる絵面が映されますが、それを超えればグロテスクな描写は控えめ。
でもゲ●多め。
ゾンビウィルスに感染すると、とりあえずゲ●ッパゲ●ッパしまくるので、紳士淑女は注意が必要デス。
『IT/イット THE END』のときも思ったけど、あの吐●物は何でできているんじゃろ。邦画だと豆とかをペースト状にしたもので結構おいしいそうですが、用途を考えると口に含んだ時点で個人的にはリバースしそうなので役者さんってゴイス。
でもやっぱりちょっとなめらかすぎてリアリティに欠けるっていうか、朝食に食べたシリアルがそのまま出てこないっていうか、なんで突然ゲ●談義になってんだっていうか、汚い話ですいません。

とにかくとっても面白かったです。特にB・M氏。前作でマーレっちゃったあの方が噂通りの再登場です。必見ざます。

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人物紹介

●コロンバス
主人公その1。ルール大好きな理屈人間。
前作で恋仲になったウィチタとその後も関係が続き、きちんと本塁まで進んでいたことが判明。1塁留まりかもとか言ってめんごだ。
十年前と今でノリや性格、そして容姿がまったく変わってない人物。何だよ、何食ったらそうなれるんだよ、教えてくれよ。

マンネリを打破しようとウィチタに結婚を申し込むも尻込みされた挙句に逃げられ、ショッピングモールで出会ったキラキラ系女子マディソンと一夜の関係を持ったところにウィチタ帰還=修羅場の予感となる。
ウィチタの性格故に修羅場は即時的な爆発ではなく、じわじわと針の筵形式でやってくるのだが目が怖い。

その後魂の同胞フラッグスタッフと出会うも秒で死別し、バビロンでの決戦にてナイスアシストをし、最後にはウィチタ相手に特大ホームランを打つという快挙を見せる。
続編があったらめんこい子どもが登場するであろう。あっぱれ。

●タラハシー
主役その2。破天荒な一行の親父役。十年経って渋みと深みを増しているが、ノリはまったく変わっていない。
都市伝説通り腐らないトゥインキー……ではなく、今回は彼が敬愛するプレスリーの聖地・グレイスランドが登場。プレスリーの邸宅は滅びていたものの、女傑ネヴァタが営むモーテルにて、プレスリーゆかりの様々な品物に歓喜する。

前作に引き続き、今作でも『今週のゾンビ殺し』を毎週受賞できそうな活躍を見せるが、彼の狙いはもっと上。『今年のゾンビ殺し』受賞だった。
さすがにスペイン在住のなにがし氏によるピサの斜塔殺しにはかなわない……かと思いきや、バビロンでの決戦において自身を囮とした決死のランナーっぷりを見せつけ、『今世紀のゾンビ殺し』に輝く快挙を達成する。
さすがにT-800もあの高さから落ちては助かるまい……。
リトル・ロックは戻って来たし、恋人もゲットしたし、ハッピーエンド!

●ウィチタ
主人公その3。迫力とも取れる落ち着きを醸し、かつての尖っていた部分に優しさという名の丸さが感じられるようになった麗しの美女。エマ・ストーンさんはめんこいのう。
序盤でコロンバスに結婚を申し込まれ、生い立ちから尻込みして一度は逃亡。けれど妹がヒッピーかぶれについて行ってしまったのをきっかけに、武器を取りに来たふりをして戻ってきてみれば、パ●ス・ヒルトンさんもどきといちゃこらしてやがるからあのアフォは。
まあ仕方ない。一か月も不在にしてたし、ゾンビランドはそもそも出会いの機会が奇跡的確率しかないし。

なんのかんので最後はコロンバスのプロポーズを受け入れ、見事ゴールイン。
ゾンビランドならではの結婚式もあったらよかったと思うけど、ストーンさんがかわいければそれでいいんだヨ。

●リトル・ロック
主人公その4。『1』の時代は子役だったため、一番様変わりしたウィチタの妹。『リトル・ミス・サンシャイン』にて幼さ残る妖艶ダンスを踊っていたアビゲイルちゃんが、まさか本当にけしからんナイスバディになるとは……なまらめんこい。
ゾンビランド時代にはすでに大人となっていた三人と違い、この十年でレディへと成長した彼女。当然同年代の若者とわいわいしたい年頃なわけで、偶然出会ったラブ&ピース男子バークレーにくっついて生存者の都バビロンへと去ってしまった。
正直若者がゆるーくわやわやするバビロンの雰囲気は嫌いではないのだが、T-800の襲撃を受けてわちゃわちゃ死ぬのかなと思っていたら、そんなことはなかった。ラブ&ピース最強。
でもリトル・ロックは根っからの武闘派なので、結局は家族の元に戻り旅を続けることになった。続編があれば今度こそ彼女にも大切な人ができるであろう。期待したい。

●マディソン
ゾンビを避け、ずっと冷凍庫に住んでいた女性。全身ピンクのお気楽な性格で、その頭脳はホーマーとタメを張るが、とってもいい子。
十年人との接触がなかったためにコロンバスと一夜をともにし、ウィチタの神経を逆なでするが、その後はバビロンにあっさり馴染み一員となった模様。

車調達におけるゾンビとの大バトル直後に変調をきたし、ゾンビ化した……のかと思われたが、ただのナッツアレルギーだったことが判明する。
アレルギーこっわ!
コロンバスが心優しかったからよいものの、紛らわしいことすんなや! ナッツ食うなや!!

●アルバカーキとフラッグスタッフ
ネヴァタのモーテルで出会ったタラハシー&コロンバスにそっくりなコンビ。
ルールならぬ戒律を有するところも似ており、番号は違えど似た内容が各自組み込まれている模様。
せっかく気が合いそうだったのに、立ち位置からして死亡フラグが明白だったため、T-800を撃退する際に噛まれて自身もゾンビ化するというあんまりな最期を遂げる。
ほんとにね、フラッグスタッフのウィチタはいなかったのかな。いたらかわいそうだな。

●ネヴァタ
ゾンビの闊歩するグレイスランドにて電飾も眩しいモーテルを営む女傑。
エルヴィスの真似をして見事なパフォーマンスを披露したタラハシーとアハーン☆な夜を送るも、一度は離別。
だがバビロンでの大決戦にて大ピンチに陥った面々の前に、モンスタートラックを引っ提げて颯爽と助けに現れた。まじかっけーっす。
その後は家族の一員となり、再び当て所ない旅へと出発した模様。
続編があったら二人の子どもも登場すると期待。あれか。コロンバス組の子とあれやこれやの青春の一幕か。なははん。

●ゾンビさんたち
主役その5。今作では一般のゾンビに加え、何種類かの分類がされている。
ホーマー:お間抜けゾンビ。名前の由来はシンプソンズのおとん。蝶々を追いかけて高層ビルから落下。
ホーキング:切れ者ゾンビ。かしこい。由来はご存じホーキング博士。
ニンジャ:ご存じ日本の伝説的スパイ! 音もなく忍び寄り、気づいた時には噛まれているよ。迷惑!
T-800:本作初登場の進化系ゾンビ。頭を粉砕されるまで死なない姿はまさにターミネーター。普通に速いし、これが大量に襲ってきたら死ぬしかないやん。
十年頑張って退治してるけど、後どのくらい残ってるのかな、ゾンビも人類も。

●ゾンビ化
今回初めて健常者がゾンビと化す様が描かれたが、エグッ……。
吐くの? やだわー、苦しいわー。

●ミニバン
各家庭において大抵両親のどちらかが乗ってるご存じファミリーカー。
タラハシーは毛嫌いしているが、大人数を運べるし、荷物も収容できるし、送り迎えに最適な有能カー。ええやん、ミニバン。

●B・M氏
なんとエンドクレジットでご登場。さすがに前作がアレすぎたのか、償いとばかりに『ゾンビランド Day0』にて、始まりの日に彼がどのように生き残ったのかを見せてくれる。
円熟のコメディアンっぷりに、これを見られただけでも劇場に来た甲斐があったと目頭が熱くなりました。B・M氏最高!

●マーレる
十年前、コロンバスの所業により生み出された造語。
せっかく生き残ったのにマーレりたくはないが、マーレった人は多分そこそこ多いと思う。

●監督
前作に引き続きルーベン・フライシャー氏。『ヴェノム』で大成功したお方。
大変面白かったです。ありがとうございます!

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