映画『スリーピー・ホロウ』ネタバレ感想。超美麗ジョニデ。原作も紹介。

スリーピー・ホロウ 映画 ホラー

原題:Sleepy Hollow
1999年の映画
おすすめ度:☆☆☆☆☆☆


【一言説明】
首なし騎士が首を狩り。

アウリーピー・ホロウ 映画

なんということでしょう……首があるほうが怖かった……!

この映画で初めてクリストファー・ウォーケンさんを見た筆者。勝手に恐ろしい人なんだろうと思っていました。でも後年『ヘア・スプレー』での歌って踊れる軽妙なお姿を拝見し、イメージががらっと変わりましたよ。素顔は気さくな御仁なんですね。
でも怖すぎぃ! 鮫歯似合いすぎぃ!

[adchord]

 

さて本作。役者! 話! 美術! どれをとっても文句なし。個人的にティム・バートン監督の最高傑作ではないかと思っているのがこの映画『スリーピー・ホロウ』です。
しかも、

ジョニー・デップ最盛期!!!

いやー、出演作は数あれど。この映画ほどかっこいいジョニー・デップさんを拝める映画は他にないでしょう。かっこいいというか、最早”美しい”の域でございます。
ヒロインのクリスティーナ・リッチ嬢もクラシカルな衣装がグンバツにお似合いで、二人が並んだ姿といったら映画史上のベスト・カップルに押したいぐらいの完璧さです。
ティム・バート監督はすごいな!!

ジャンルとしては、一応ホラーに入る……のか?
ジョニー・デップ大好き☆なグロ耐性なしの女子が見たら「ぎゃあ」と叫びそうなくらい、それはもうずんばずんばと豪快に生首が画面いっぱいに飛びまくるので、耐えられる人だけ見ることをお勧めしますよ(wikipediaによると全部で18個飛んだらしい。数えた人お疲れ様です)。監督のこだわりで生首すら美しいの域に達してるんだけど、やっぱりグロテスクで薄気味の悪さは漂ってますからね。ハエとか蛆とか湧いてきそうなくらいね。

(ちなみに似たテイストの『スウィーニー・トッド』は未見です。あれは相当エグイそうですよ。大の男がオエッとなるくらい。やだわー)

スポンサーリンク

あらすじ

1799年。夜の闇が犯罪を隠した時代。
ニューヨーク郊外のとある村で、首なし死体が相次いで発見された。遺体の傷口は綺麗に焼き切れており、めぼしい出血すら見られない。
下手人は『首なし騎士』――二十年前の独立戦争の際、首を切断されて殺されたドイツ人傭兵の亡霊であると噂されていた。
恐れおののく村人たちを助けるため、調査に派遣されたのが主人公・イカボット・クレーン捜査官である。犯罪捜査の基礎すら定かでなかったこの時代に科学捜査の実践を主張し、上司に疎まれ左遷されてしまったのだ。

「ここがスリーピー・ホロウ……シティボーイの僕にはちょっと田舎臭すぎるところではあるまいか」
霧深い森の奥底から響く鳥の鳴き声なんぞにびびりつつ、村の名士であるバルタス・ヴァン・タッセルの屋敷を訪ねたイカボットは、そこで彼の娘カトリーナ・ヴァン・タッセルに一目ぼれする。
優しく美しいカトリーナは村で起こる首なし騎士の凶行に心を痛めていた。
「大丈夫。首なし騎士なんぞは迷信です。僕に任せてくれれば科学の力で解決してみせますよ!」
そう豪語し、首尾よく助手となる少年ジョナサン・マスバスJr.も確保したイカボットは、「化物の正体見たり枯れ尾花」を証明するために捜査を開始する。

だがしかし。

彼の目の前に現れたのは、文字通りの”首なし”騎士――首から上がなくなった男が被害者の首をはね、頭部を持ち去る様を目撃してしまうのだった。
「嘘……だろ……」
呆気なく失神してしまうイカボット。
「こいつはアカン」
不信感を抱くジョナサン少年を従えつつ、イカボットは超自然的存在に打ち勝つことができるのか?
ついでにカトリーナとのロマンスやいかに!??

※以下、ネタバレにつき注意。

 

 

さて本筋ですが。
冒頭でイカボットが「これは幽霊の犯行なんてものでは断じてない! 下手人は人間である」とはっきり言いきっていたため、犯人探しのミステリーなんだな……と思いきや。

中盤で疑いようもなくモノホンの幽霊騎士が姿を現し、主人公の目の前で犯行に及ぶのである。

……あれ……? 
幽霊……出てきてるけど……?

推理物を期待していた観客には肩透かしだろうが、どっこい事件には人間が黒幕として存在し、幽霊騎士を操って村人を殺させていることが判明するのである。

なるほど!
首なし騎士=凶器というわけですな!
幽霊を道具扱いしちゃうバートン監督のセンス大好きっっ!!!

そういうわけで、実行犯は幽霊だが黒幕が誰なのかはわからないので、推理物の楽しみ=イカボットの名推理披露の場が失われるわけではないのでした。よかったな、イカボット君……!

[adchord]

感想

人物紹介と所感など。

●イカボット・クレーン
みんな大好きジョニー・デップ氏。あちらこちらで失神し、蜘蛛に絶叫し、十代の少年を弾除けにするヘタレ捜査官。……かと思いきや、騎士とブロム、武闘派二人の乱闘に介入できるくらいの身体能力を持つことが判明する。何気にすごいのでは……。頭はいいし、顔はいいし、なんだこいつイケメンじゃねえか。ちなみに解説書があれば解剖もお手の物だよ!
科学捜査七つ道具というワクワクギミックが詰まった鞄を持っているが、おかしな形の眼鏡といい、「それ使う意味ある……?」となるのはご愛敬だ。ほほえましく見守ろう。

彼のおかんは「おまじないをしてあげる☆」的な若干ふわふわした人だった。あまりにふわふわしすぎて、ついには回転した遠心力で空飛んじゃうというよくわからないことになった。だが少年イカボットが幸せそうなので問題にはならない……わけはなく、厳格そうなおとんによって「おめー魔女じゃねーか」とアイアンメイデンに入れられてしまう。ヒェッ。でもって、おとんの隙を突き、こっそり助けようとしたら●☆□▽(自主規制)な展開になったのがトラウマ。ほんとになんで空飛んだんだ、おかん。
多分イカボットおかんはモノホンの魔女だが、魔女は魔女でもよい魔女(=白魔女)で、魔法によってきれいなお花育ててたりとかの実害ない魔女だったんでしょうね(豆知識:ちなみに中世では男性でも『魔女』と呼ばれたんだよ)。

幽霊騎士=超自然的な存在が実在したことを知り、自身の価値観が崩れて心が折れかけるも、カトリーナの抱擁と黒幕の存在に気付いたこととで自分を鼓舞して立ち上がる。そしてマスバス少年を弾除けにする。
だが捜査を続けていくうちに「実は黒幕ってカトリーナ……?」という疑惑に打ちのめされ、もう今回はアカンよ……と心が再び折れて村を離れようとする。
心折れすぎ。
だが帰路途中で見かけた真犯人を示唆する小さなヒントを見逃さず、危機に陥ったカトリーナを救出するさまはヒーローそのもので超かっこいい! 直後にやっぱり失神したけどな!!
最後は無事に嫁さんと助手を手に入れてのご帰還と相成り、ハッピーエンドであった。

●カトリーナ・ヴァン・タッセル
本作のヒロイン。染めた金髪がお似合いなクリスティーナ・リッチさんの魅力が炸の裂。初っ端登場シーンでキスをかました際、イカボットに場所を変わっていただきたかった。そのくらいめちゃかわいい。
村の名士バルタス・ヴァン・タッセル(ヴァンがつくのはオランダ系移民だそうな)の愛娘。遺言により父親の全財産を相続することになったため、黒幕のラストターゲットとなってしまう。
そんな彼女は、ボーイフレンドと父親を騎士に殺される。想い人の命を守ろうとおまじないを描いたのに呪いと勘違いされる。しかも犯人扱いまでされた上にあやうく首なし死体にされかけるというとんだ目に遭わされる。
だが最後は財産相続して田舎も脱出、チャキチャキの大都会でイケメンとハッピーエンドなので、終わりよければすべてよしである。多分尻に敷かれることになると思うが。

●バルタス・ヴァン・タッセル
カトリーナの父親で裕福な町の名士。村長であるヴァン・ギャレット家とは親戚関係であり、彼周辺の人間が次々と首なし騎士の手にかかったため疑惑を向けられる。
襲ってきた騎士から逃げて教会に籠城しようとするも、彼が標的であると知った村人からあわや追い出されかけてしまう。ならばと銃を奪ってわが身を守ろうとしたところを騎士の投げた杭で胸を貫かれ、そのまま敷地の外まで引きずり出されるという作中屈指の痛々しい死に方をした。そりゃカトリーナも失神するわ。
疑いが晴れた後で見ると、彼自身は貧しい身から真面目に働いて必死に這い上がった娘想いのよき父親であった。

●ジョナサン・マスバス・Jr.
とんだとばっちりで父親を殺されてしまった十代前半の少年。母親もすでに他界しており、父の敵討ちにとイカボットの捜査に手を貸すこととなる。
失神癖を持ち、自分を弾除けにしようとしてくる大人げない大人イカボットを「こりゃアカン」と見捨てず手助けしようとする健気さを持つ。
荷物持ちにされてはいるが、最後は無事にイカボット宅に引き取られた模様。その後都会でボーイミーツガールとなったであろうよ。むふふん。

●ヴァン・タッセル夫人
すべての黒幕。バルタス・ヴァン・タッセルの後妻にして、その正体はかつてヴァン・ギャレットに家を追われたアーチャー家の長女。
上記二人のせいで幼少時代は貧しくひどい境遇にあったため、彼らに復讐を誓う。ついでに財産も奪っちまえと首なし騎士を魔術で操り殺人を繰り返させた。
イカボットのおかんとは対極にある黒魔女だ。彼女の生い立ちを思えば同情できなくもないが、実の妹の首をはねたり、身代わりに下女を襲ったり、何より幼子の命まで奪わせたド外道。子供は見逃そうぜ……大人の話なんて聞いてないんだからさ……!
最後は首なし騎士に連れられて、生身で地獄行きという末路をたどる。順当すぎる結末ですな。

●首なし騎士
映画の顔。顔がないゆえに仕草で感情を表現せねばならず、その動きが何かかわゆくコミカルさをかもす愛されマスコットキャラ。
ただし首が戻る前の話である。
戻った顔を見て「ぎゃあ」って叫んじまったよ超怖い。地獄の住人らしく接吻も最高に荒々しいっちゅーか流血っちゅーか歯槽膿漏なんじゃねーのっちゅーか。
人間には厳しいけど動物には好かれるタイプらしく、『デアデビル』という名のかわいい愛馬が文字通り地獄の底までお供してくれる。忠犬ならぬ忠馬との絆に胸がキュンキュンくる。
ちなみに首がないときの中の人はかのダース・モールさんことレイ・パーク氏。どうりで動きがキレッキレなわけだ。

↓アクション・フィギュアが出るくらい大人気! 映画『インシディアス』に彼によく似た人が出てきます。

●ブロム
やめろって言ったのに引き際をわきまえなかったせいで真っ二つ(物理)になったカトリーナの元ボーイフレンド。血気盛んなのはいいけど深追いしちゃあかんぜよ。
彼は契約による殺害対象ではなかったので、首だけは切られなかった。首だけはね。

●切られちゃった人々
牧師とか公証人とかあれやこれや。騎士に切られた人も、魔女に切られた人も、大人も子供もおじいちゃんも!
誰だっけかな。判事か誰かが首を切られた際に、かぶってたヅラだけがくるくるくるーんってするシーンは最高にブラックだ。

●監督
言わずと知れたティム・バートン氏。やーもう最っ高に面白かったですわー。ありがとうございます!

↓Amazon Prime Video にて配信中。未見の方はぜひ。オススメです。

原作

原作というか、アメリカのニューヨーク近郊で語り継がれている伝説が元だそうです。
映画と同じく首を切られて殺されたドイツ人傭兵が、首なし騎士として地獄から舞い戻り、森の中で犠牲者が通りかかるのを待っている……というゴシックホラー。
これをワシントン・アーヴィングという作家さんが小説化し、それをまたバートン監督が映画化したそうな。

筆者は映画ノベライズのおまけとしてついていたのを読みました。映画とはまったく別物の展開でして、ブロムがかぼちゃのお化けに扮してイカボットをからかうシーンがそれに該当します。
現在は青空文庫で無料公開されています。興味ある方は一読あれ↓

青空文庫:『スリーピー・ホロウの伝説』
(リンククリックで外部ページに飛びます)

タイトルとURLをコピーしました