映画『アルゴ』ネタバレ感想。前代未聞の救出作戦で、ハラハラの限界に挑め!

アルゴ 映画 サスペンス

原題:ARGO
2012年の映画
おすすめ度:☆☆☆☆☆

【一言説明】
架空の映画で人質を救え!

アルゴ 映画

2012年のアカデミー作品賞などを受賞し、話題となっていた作品『アルゴ』。
当時は、こういう『見るのにエイヤッと気合を入れなくてはいけない映画』を見るのが億劫でしたが、先日Netflixで配信になっているのを見つけ、ようやく重い腰を上げた次第です。

主演は『ザ・コンサルタント』のベン・アフレック氏。
共演に『GODZILLA ゴジラ(2014)』のブライアン・クランストン氏と、『リトル・ミス・サンシャイン』のアラン・アーキン氏。『10 クローバーフィールド・レーン』のジョン・グッドマン氏が出演されています。

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あらすじ

1979年11月4日――イラン国内。革命により亡命した前国王を、アメリカが受け入れたことに対して大規模なデモが起きた。
アメリカ大使館が占拠され、数十名の米国人が人質となってしまう。
だがその混乱の最中、ひそかに市中に脱出し、カナダ大使の公邸に匿われた六人の男女がいた。

もしも彼らの存在が発覚すれば、処刑は必至――。
そうなる前に、なんとしても六人を救出しなくてはならない。
だが季節は冬。降り積もる雪に阻まれ、地上ルートでの脱出はほぼ不可能。
なら空ならどうか?
……空港の警備は日々強化され、救出作戦は実行前から失敗の気配が濃厚となる。
果たして、どうすれば彼らを国外に退去させることができるのか……?

そんな中、一人の男が立ち上がった。
CIAは人質救出のスペシャリスト、トニー・メンデスは、思いもよらない奇抜な作戦を提案するのだったが……。

※以下ネタバレです。未見の方はご注意を!

 

 

 

 

感想

お……面白いっ!
なんぞこれ。なんぞこれ!
めちゃくちゃ面白い!
さすが話題になるだけあり、ドキドキハラハラ、手に汗握って、最後は「っっしゃおらー!」とこぶしを振り上げる爽快さ。
もっと早く見ればよかったなあ……なんて思えど、やはりこういう『エイヤッ系』は、自分の中の見るタイミングというか、心技体すべてが揃ってこそ楽しめるというか、要するに、今だからこそ最大限に見て楽しめる映画だったのだと解釈いたしました。
ベン・アフレック氏はいい役者さんだと思いますが、氏を見てカッコいいという感想を抱いたことはなく。
が。
本作のアフレック氏は超かっけーー!!
ぶっちゃけ、ベン・アフレック氏史上、最大級のイケメン具合だったと言っても過言ではない!
過言ではないのですよ、奥さん!

ちなみに神楽酒造さんの出している焼酎「となりのおくさん」シリーズですが、「もとかの」「いまかの」「となりのハンサム」色々あれど、やはり筆者は「となりのおくさん」に一番そそられます。……とか、何を突然言っとるんでしょうか自分は。

閑話休題。

いつもの短髪を長めに伸ばし、サラサラーっと眉毛にかかる前髪具合。でもって、その下から覗く真っすぐな瞳に、もじゃこい無精ひげ……トクゥン……!
なんだ、なんだ。一見もさいはずの髭具合なのに、ひげがあったほうがかっちょよいというか、男くさいというか、激しく好みです。アルゴ・アフレック氏。
野太い声で、「兄貴ィ!」と呼びたい。

そんなイケメンアフレック氏ことトニー・メンデスが、イランに取り残された六人を助けるために考え出したのが、架空の映画企画『アルゴ』。
空港を通ってイラン領域外へと出るためには、警備が納得のいく身分を六人に用意する必要がある。
だがこのご時世。好き好んでイラン国内に滞在している外国人などほとんどおらず、説得力のある職業は一体何だと頭を捻る。
外国人教師か? はたまた猛獣使いか?
  ↓
息子がたまたま見ていた映画『最後の猿の惑星』を目にしたトニー。
「これだ!」

なんと架空の映画企画『アルゴ』を立ち上げ、六人を現地取材に来た映画クルーに仕立て上げてしまおうというのだから、ドびっくり。
はったりだけで、国家をまるごとペテンにかけようというのか、この男。
提案しちゃう方もたいがいだが、Goサインを出す政府も全体道化死てるぜ!!

……というわけで幕を上げた前代未聞の大作戦。
映画ということで、多分に脚色かつアメリカ寄りの視点で製作されているのはわかるのですが、そこはそれ。エンタメという観点から見ると、百点越えでの面白さ。
実際には、そんなタイミングでシュレッダーが復元されたりとか、あんなタイミングで確認の電話が鳴ったりとか、よりによって今エンストすんのかよとか、そんなこたぁないだろうとわかってはいるものの、ハラハラしすぎて胃が痛い。
ねえこれ間に合うの? そんな悠長にバス乗って飛行機乗って、今まさに追っ手が迫っとるというのに、二番目の滑走とかで間に合うのぉ???
……とハラハラが臨界点を突破した頃、無事イラン領空を越えて安堵する面々に、心底ほーーーっといたしました。

いやあ、映画って本当に面白いものですね。
素晴らしい!
グンのバツにおすすめな映画でした。

人物紹介

●トニー・メンデス
CIAに所属する、人質救出のスペシャリスト。
モサ髭を生やした地味めな男性……かと思いきや、西海岸を目指すにあたり、若干チャラ目のシャツをチョイスするなど、さすがはCIA。TPOを心得ているのだ。
人質となった六人を救出するため、『アルゴ』という名の『スター・ウォーズ』のぱちもんのような脚本を選び出し、いくら架空でもお前そんな……というとんでもSF世界の美術ボードを製作させる。でもって、それを大真面目に空港の入国審査で提示するので、なんつーかもう全身が肝。
無口で無骨。あまり感情を表に出さないタイプだが、政府が土壇場で作戦を中止した際は、六人の命を救うため、独断で作戦を強行するという熱さを見せる。
ばれれば処刑は確実。にも関わらず、自分の命をかけて実行するという男前。
どうせ奥さんは美人なんだろ? と思っていたら、案の定美人かつ聡明そうだったので、満足。

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●オドネル
トニーの上司。部下の実力を評価しており、救出作戦に彼を組み込む。
土壇場になってトニーが作戦を強行した際には、上司にFワードをぶっ放すなどの迫力を見せつけ、作戦遂行の手筈を整えるという活躍を見せる。
惚れるなというほうが無理。

●シーゲル
トニーに協力するハリウッドの大物監督。演じるアラン・アーキン氏の魅力が大炸裂にて、最早好きという以外に言葉がない。
偽映画作戦に説得力を持たせるべく、本読みイベントを開催。カメラの前で大真面目に座る姿が超最高。
偽企画とはいえ、あれだけのキャストを集められたのは、まさに彼の人徳あってこそなんでしょうな。

●チェンバース
ハリウッドの凄腕特殊メイク職人。こちらも演じるジョン・グッドマン氏の魅力がサクのレツ。氏が画面に映った途端に嬉しい悲鳴が出た。
作戦当日。スタジオ6にかけられた空港からの確認電話に、「押し通る!」と叫んで進むおじさま二人のかっけーことよ……!
全部終わった後で、抱き合って喜ぶ姿も最高です。

●大使館の六人
大使館襲撃の最中、「あれ……このまま外に出たら逃げられるんじゃね……?」と言って、実際に出たらドえらい危機に陥った六人。
最終的には全員解放されたとはいえ、あの時点では生存できるか不透明だったのだから、そりゃ仕方ないよねと思ってしまう。
重要な書類は一生懸命シュレッダーにかけていたが、途中で職員リストが復元されてしまったことから、「人数が足りなくねーか?」と発覚。大ピンチに陥る。

その後、匿ってもらっていたカナダ大使の公邸に、ようやく救出要員がやって来た……と思ったら、「君は監督。君はカメラマン。でもって君は脚本家だ☆」と、とんでも作戦を言い渡されるので目が点になった。

最初は「そんなんで上手くいくわけねーずら」感満載だった六人だが、いざとなったら肝っ玉を発揮。「僕たち映画クルーでっす」をアピール。見事イラン領空を越えることができた。
一つ疑問なのは、脚本担当の人は、一夜漬けで脚本をすべて暗記する必要があったかどうかなんですが……どうなんですかね。

●カナダ大使たち
六人を匿い、救出に尽力した立役者。
顔写真が復元され、「大使んとこにいたぞ!」と軍部が踏み込んできたときはどうなることかと思ったが、列車を使ってすでに国外退去した後だったので本当によかった。
家政婦さんは一時期立場を危ぶまれていたものの、後にこちらよりだったことが判明。探りを入れに来た軍人をはぐらかし、最後は無事にイラクへと亡命したことが明かされ、心底ほっとした。

●空港警備員の人たち
やましいことがある身からすると、いかなる動きも疑惑の証と映るため、とにかく心臓に悪い。
疑ってるんでしょう……? どうせ疑っているんでしょう? だったらさっさとそう言え! と被害妄想バリバリ。
大抵は、「こっちの書類ねーけど、紛失したんじゃろか」とか、「映画ってどんな映画よ」とか、ごく普通の疑問を頭の中で考えていた模様。
搭乗ゲート前の警備が一番の難所で、飛行機いっちゃうよーーーと泣きそうになったが、最終的には『アルゴ』の美術ボードをプレゼントされ、うふふこれかっけくね? 的な視線を送り合う姿にほっこりした。
……と思ったら、「脱走者あり」の連絡もらって鬼の形相で飛行機とカーチェイスするもんだから、やっぱ無事に逃げられてよかったぜーーと心底ほっ。
飛行機はね、上に飛べるけど、車は止まらんといかんもんね。あとちょっと滑走路の距離があったら危なかったかもしれませんね。

●トニーの家族
息子はかわゆく、妻は美人。なのに父がどんな大活躍をしたのか伝えることができないとか……なにそのヒーロー設定。最高じゃないすか。

●『アルゴ』
映画タイトルにして、偽映画のために選び出された脚本の題名。
舞台が中東っぽいというだけで採用したため、おそらく中身の出来はほにゃららら。
なのに本読みの大々的なイベント開催や素晴らしいポスターまで作成され、脚本書いた人は幸せだっただろうなあと思います。
ぽしゃったけど。
あとイベントに集まってくる人たちの衣裳がゴイス。ハリウッドパネぇ。

●事実との相違
アメリカのアメリカによるアメリカのための作戦……みたいになっとりますが、実際はカナダによるものが大きかったようですね。
あくまで事実を基にしたフィクション。だからこそ面白い。

●監督
ベン・アフレック氏。主演と監督をかねるとは、なんと才能豊かなお方。
大変面白かったです。ありがとうございます。

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