TVシリーズ『アルタ・マール:公海の殺人』シーズン1ネタバレ感想。豪華客船で起こる殺人事件の犯人を暴け!

アルタ・マール シーズン1 海外ドラマ

原題:Alta Mar
2019年のTVシリーズ
おすすめ度:☆☆☆☆

【一言説明】
豪華客船で殺人起きた。

アルタ・マール シーズン1

Netflixにて配信中の、オリジナルシリーズ『アルタ・マール:公海の殺人』。
豪華客船! 美人姉妹! 殺人! と三拍子そろい、しかも時代設定が1940年代=大戦の後という、ミステリ好きの心をくすぐる仕様。
美人姉妹の妹エヴァを演じるイバナ・バケロさんは、『パンズ・ラビリンス』で主人公のオフェリアを演じていたあの少女。実に麗しく成長された彼女に加え、姉役のアレハンドラ・オニエバさんも好みドンピシャという、とにかく見るなというほうが無理なドラマでございます。

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人物紹介(ネタバレなし)

●エヴァ
美人姉妹の妹。職業は作家。靴製造会社を営む父カルロスを亡くし、姉とともにブラジルに渡ることを決意。
気が強く、無鉄砲という妹属性

●カロリーナ
エヴァの姉。金髪美女。父とともに会社の経営に参加していた。
この度、客船のオーナーであるフェルナンドと結婚することとなる。式は航海中に執り行われる予定。
聡明で落ち着いた性格。でもお人好し、という姉属性

●ニコラス
イケメンすぎる一等航海士。船内では船長に次いで地位が高いのもポイント。
姉妹のお目付け役に任命され、何かと彼女たちを気にかけてくれる。

●フェルナンド
カロリーナの婚約者にして、アルタ・マール号の持ち主という若き実業家。
何かとめんこい姉妹に両脇を挟まれ、両手の華状態になるのでそこを替われ。

●ルイサ
乗船直前、エヴァとカロリーナが乘った車に助けを求めて現れた女性。
暴力的な婚約者に追われていると訴えるが……。

●ペドロ
姉妹の叔父。兄亡き後は、二人の父親代わりとして支えてきた。
色付きのグラサンとステッキという、紳士アイテムを装備している。

●ヴェロニカ
姉妹の使用人。二人とは同年代で、互いを名前で呼び合うなど、信頼関係が築かれている様子。
質素な洋服を着ているが、ドエライ美人。スペインは美人しかいないのか疑惑。

●フランシスカ
ヴェロニカの母。姉妹に長らく仕えている頼りになる使用人。
縫物が得意で、カロリーナのウェディングドレスも彼女が作った。

●セバスチャン
フェルナンドの友人。青年実業家でお金持ち。過去にはカロリーナに気があったようだが、現在は客船で乗り合わせたヴェロニカに一目ぼれ。

●ディマス
セバスチャンの使用人。心優しい青年で、科学に明るい。
主人と同時期にヴェロニカを見初めるも、前途多難。

●ナタリア
フェルナンドの妹。非常にシャレオツな服装をしている。
一見冷たい感じのする美女だが、果たして……?

●アニバル
ナタリアの夫。洒落者。ちょび髭が胡散臭い。

●クララ 
客船のステージで歌う歌手。恋人のピエールは、船の二等航海士。

●ロハス
アルタ・マール号の船医。姉妹が幼い頃は主治医でもあった。

●カルロス
姉妹の父親。二年前に事故で亡くなった。

●船長
冒頭のモノローグに登場。すでに死者が三人も出てしまい、この航海は呪われてると語る。
果たして、呪われているのは、船か、人か……?

 

※以下ネタバレ。未見の方ご注意。

 

 

 

 

一話:アホウドリ

あらすじ

豪華客船は、死の香り――。
カロリーナの結婚式に参列するため、新天地ブラジルへと向かうアルタ・マール号に乗り込んだエヴァ
ところが港に着く直前に、二人は婚約者から逃げて来たという女性ルイサを保護することになった。
花嫁衣裳の詰まったトランクにルイサを隠し、こっそりと乗船させた姉妹は、早晩、その選択を後悔することになるのだった……公海だけに。

感想

まずは登場人物の顔合わせといった面が強い初回。
意に添わぬ結婚を強いられたため、逃げ出してきた女性ルイサを助けるエヴァカロリーナの姉妹。
警察に行けば殺されると頑なに出頭を拒むルイサは、はっきりいって超怪しいのだが、お人好しの姉妹は、トランクに彼女を隠し、こっそり乗船させてしまう。

いざ出航!
……と思いきや、なんとブリッジの窓ガラスに、突如アホウドリが衝突するというアクシデントが。
「凶兆ですね」と余計なことを言う二等航海士ピエール
「確かに……縁起悪ぅい……」としょぼくれてしまう船長。
いらんこと言うから……!

それにしても、客船くらい大きなものに激突するとは、アホウドリさんたらちょっとお間抜け……と調べてみたら、名の通り、アホだからアホウドリとつけられたことが判明。安直と言ってよいのかどうか悩むこと小一時間です。

気を取り直し、ようやく出航するアルタ・マール号
まずは姉カロリーナの婚約者、フェルナンドが顔見せ。結婚の記念にと、カロリーナからバッジを贈られた彼。いかにも有能な青年実業家っぽいのだが、怪しい男に「真夜中の甲板に来い」と囁かれるなど不穏な動きが。
そして姉妹の案内役として、イケメンすぎる一等航海士のニコラスが登場。
ここに、カロリーナにはフェルナンド、エヴァにはニコラスの図式が完成。
やはり美人姉妹にはお相手がいなくてはなのだ!

他にも、美人使用人のヴェロニカが、セバスチャンディマスという二人の殿方と出会ったり、単独行動に出たルイサが姉妹の部屋をあさるという怪しい行動に出たり、フェルナンドの義弟アニバルが歌手クララに怪しい視線を送ったり、ペドロロハスが意味深な会話をしたり、謎の男性がやはり姉妹の部屋に侵入しようと試みたりと、今後の布石がばらまかれ、エヴァとニコラスが二階の甲板でいい雰囲気になっているところに、聞こえてくる女性の悲鳴 → 海に人が落下という、満を持しての事件発生。
しかも、彼女が落ちたらしき上階の甲板には、カロリーナがフェルナンドに渡した、あのバッジが落ちていた。
これは完全に容疑者の一人!

今のところ、怪しさ筆頭がフェルナンド。海に落ちたのは、前後の流れで多分ルイサ。
どうやらルイサは嘘八百を並べ立て、意図的に姉妹に助けを求めた模様。

さてさて、この血塗られた航海は、この後どれだけの骸を積み上げるのか? というところで、続け次回!
できれば一話に一人は死んでいただきたいですね! ヒューッ!

二話:消えた指輪

あらすじ

犠牲者第一号が発生した!
目撃者はエヴァニコラスの二人。
甲板でいちゃついてお互いについて語り合っていたところ、女性の叫び声とともに、誰かが海に落下していくのを目撃。
慌てて船を停止し、階上を捜索するも、見つかったのは波間に漂うドレスのみだった。

「このドレス……ルイサのものだわ」
「ルイサ?」

仕方なく、彼女を密航させた顛末を明かす姉妹。落ちたのは、おそらくルイサだ。
だが彼女は、一等客室で何をしていたのか……?
事件を解決すべく、同船していた警部ヴァレラの、何色かの脳細胞が活動を始めるのだったが……。

感想

やはり落下したのはルイサ。
ただ見つかったのは服のみなので、生きている可能性もある。

前回の引きで、第一容疑者となったフェルナンド君。犯行時刻に宴を退席したのは電報が入るからだと言い訳するも、当夜届いた電報はナシ。「夜じゃなくて、今朝届いた」とドヤ顔で見せて来た電報の中身はクリーニングの用紙。
「バッジをなくしたでしょ?」と問い詰められれば、「あれは金庫に結婚指輪とともにしまっておいた」と言い訳。金庫を開けると指輪も消えており、「誰かが盗んだんだ!」とアピール。
  ↓
二話の最後で、甲板から隠し持っていた結婚指輪を捨てるシーンが挟まれ、なんでお前はそんなに怪しいんだとツッコみを入れる羽目に。
多分、彼は犯人ではない。
怪しすぎて逆にないぞ、これ。

他には、左顔面に眼帯をつけた謎の男(怪しい)が何かを燃やしたり、フェルナンドの弟アニバルが歌手のクララにご執心な様(怪しい)を見せたり、ヴェロニカを巡って、セバスチャンとディマスが火花を散らしたり(怪し……くない)と色々あるが、最終的に、「自分がやりました」と犯行を告白する男が登場。
名はマニュエル。ディマスの友人で、彼と同室。
警部ヴァレラがマニュエルに面会に来た後、犯行を自白するという不自然さ。
とくに、「ルイサを殺した後で、甲板から海に落とした」という証言に、エヴァとニコラスは疑問を抱く。
二人は確かに悲鳴を聞いた=死んでいたなら、悲鳴を上げるはずがない=マニュエルの証言は嘘。
しかもマニュエルは聖書を読み込んでいる=熱心な信者が殺人を犯すわけねーずら、というわけで、まだまだ謎は解けないのだった。

そして、唐突にカロリーナのサービスシーン=ストッキングを脱ぐ、が挟まれ、さすがはスペイン。お色気ムンムン、熱気ムンムンの夜は深まりゆくのだった……!
続け、次回!

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三話:ソフィア

あらすじ

罪を告白した男が死んだ。
鍵のかかった部屋で、首を吊って。

「これは……密室?

今や使い古されたネタながら、時は1940年代。まだまだ本格推理小説全盛期。
素人探偵エヴァとニコラスが、密室殺人の謎に挑む!

感想

犯行を自白したマニュエルが首を吊っているのを、ニコラスが発見。
自殺か、他殺か? → 状況が不自然なため、多分他殺。
すわ密室かと思いきや、なんと排気口の蓋は取り外し可能。中の管は人が通れそうなほど太いうえに、何者かの服の切れ端が落ちている。
誰かが口封じにマニュエルを殺害した……と見るのが正しいのだろう。

一方、姉妹のと叔父ペドロ、ルイサが一緒に映っている写真が発見される。ルイサはソフィアと名乗り、当時ベルリンにいた兄弟の通訳だったとのこと。つまりは姉妹に助けを求めたのは意図的だったことになる。
彼女……とペドロ&ロハスは、カルロスが姉妹に残した何がしかのブツを探しているらしい。

きな臭くなってくる姉妹周辺。
うん……? 本当にきな臭いぞ……?
  

なんてこった、部屋が燃えてる!
なんとエヴァの入浴中に何者かが部屋に侵入し、火を放って逃亡。
我らがヒーロー、ニコラスが間一髪で助けに入り、気絶したエヴァをお姫様抱っこで救出するという胸キュン姿を披露してくれる。ヒューッ!
しかも、ご褒美は胸元をはだけた令嬢の寝姿という名のサービスシーン。これを役得と言わずしてなんと言おうかだ。

そしてその影で、一話からちょいちょい出てきていた怪しい眼帯男の名が、マリオ・プラザオラであることが判明。
ん……? プラザオラ……ルイサと同じ苗字。つまり、二人は親子?
  ↓
ニコラス「君は落ちた女性の親戚か?」
眼帯「いや、知らないっすね」
すっとぼける眼帯。
ニコラス「怪しい」
カロリーナ「怪しい」

怪しんだカロリーナが機関室フロアをうろうろしていると、その中の一室にて、なんと生きていたルイサを発見。
え、どゆこと? となったところで、次回へGO!

四話:運命の進路変更

あらすじ

生きていたルイサ。

ルイサ「あなたの父親を殺したのは、ペドロとロハスなのよ」
カロリーナ「なんですって!?」

突如明かされた事実に驚愕するカロリーナ。
父カルロスは、二人の不正の証拠をどこかに残したらしい。

一方そのころニコラスは、エヴァにどんな感じで気持ちを打ち明けるかの練習に没頭していた。
仕事しろ。

感想

第一話の謎が解ける回。
実は海に落ちたのはルイサではなく、姉妹の部屋に侵入しようとしていた男=船医ロハスの手下であることが判明する。
彼とルイサ、ペドロとロハスが探していたのはマイクロフィルム。ペドロ組がカルロス殺害をたくらむ動機となった証拠が入っているという。
あの夜、侵入した姉妹の部屋で、出くわした男に襲われたルイサ。助けに入った叔父マリオが正当防衛から彼を殺害。ルイサの衣服を着せて、海に投げ込んだというのが真相だった。
父親の死が殺人だったという証拠を見つけてほしいと言われ、承諾するカロリーナ。

何やらこのあたりから、このシリーズは、『豪華客船内で起きる血みどろ連続殺人事件の恐怖』ではなく、美人姉妹の身内によるごたごたに終始する気配が見え隠れする。

……あれ……思ってたんと違うな……?
もっとこう、『海の上の客船』という広義の意味での密室を舞台とした、一人また一人と減っていく恐怖感というか、おどろおどろしいミステリを期待していたんですが、もしかしてこれは、アレか……?
映画『ペット』のギジェットが好んで見ていた、情熱ほとばしる昼ドラ的な、そんな感じのアレなのか……?

その予感を裏付けるかのように、船内を歩きつつ一人告白の練習をするニコラスや、主人とヴェロニカを取り合い、敗北して傷つくディマスや、歌手クララに手をかける鬼畜男アニバルなどのドラマが差し挟まれ、極めつけは、不幸ばかり起こるせいでなんかもう嫌になっちゃった船長が、「やっぱりあれは吉兆だったんだ! このままだとアカンから、黙って進路変更、元来た場所に戻るかんね!」とか言い出し、それを止めようとするアニバルと何故か銃撃戦になってみたりして、スペインという情熱ほとばしるお国柄を目の当たりにしたところで、次の回行ってみよう!

五話:大嵐

あらすじ

突如、進路を変更しやがった船長のせいで、嵐に突っ込む羽目になったアルタ・マール号。
天気だけならまだしも、大事な一等航海士が怪我を負ったり、ヴェロニカを巡ってまだまだセバスチャンとディマスが火花を散らしたり、マイクロフィルムがあっちこっちに渡りまくったりとてんやわんや。
果たして大荒れの海を行く、豪華客船の運命は……?

感想

最早面白いくらいに、わっちゃわっちゃとこじれまくる主要人物たち。
船長とアニバルの銃撃戦を止めようとして、なんと船長に撃たれてニコラスが大けがを負い(なんでや)、エヴァが輸血を行って二人の絆が深まった……と思ったら、なんと彼が妻帯者であることが判明したり、セバスチャンの二股を目にして意気消沈したヴェロニカを慰め、嵐も相まって株を上げた……と思ったディマスが、結局心変わりしたヴェロニカにまたしてもフラれた、何故か弱気になった船長が自分の地位をニコラスに譲ったり、マイクロフィルムが見つかった……と思ったら、ルイサがこっそりそれを盗んで「金儲けだわ、うはははは!」と裏切りっぽい態度を示したり、妻が自分に毒を持ったことに気付き、殺す勢いで暴力を振るってきたアニバルを、ナタリアとクララが二人がかりで殺してしまったり……と大混乱
最初は人が好さそうに見えたペドロ叔父も、今見ると色着きグラサンが胡散臭ェと思えてしまい、なんかもうエヴァとカロリーナが二人仲良く行動しているのを見るだけが癒し……という状態に。
スペインドラマ、色々起こりすぎ。
情熱がほとばしりすぎ。
でも正直嫌いではないヨ!

ただ今回のサービスシーンがメンズの半裸だったことはまったく納得がいかないので、そこんとこよろしくお願いしたところで次のお話へ。

六話:大きな犠牲

あらすじ

誤ってアニバルを殺害してしまったナタリアとクララ。
正当防衛を主張できそうではあるものの、こいつのために臭い飯を食うのはまっぴらごめんだぜ! というわけで、『階段から落ちて死んだことにする』ため、夫の遺体を容赦なく階段から投げ落とす二人。

正体はク●男とはいえ、地位も名声もある男性の死は、客船内に様々な波紋を投げかけるのだったが……。

感想

冒頭の船長による述懐、『十日で三人が死んだ』を見事達成したアニバルの死。
控えめに言っても、『身から出た錆』しか思いつかないような気がしないでもないのですが、彼はアルタ・マール号の投資に一口噛んでおり、なんとフェルナンドはアニバルに借金があったことが判明。
しかも、一話にて謎の男に囁かれた『真夜中甲板に来い』は、実はギャンブルで借金したのに金を返してなかったからだったことが明かされ、ここに来て第一話の仕事一徹な実業家という印象が覆され、じゃあ結婚指輪をわざわざ海に捨てたあれはなんだったんじゃい、という、ミステリやホラーにおけるいかにも挙動の怪しい人物あるあるを踏襲する結果に。
まさか借金を隠したいがために、結婚指輪を魚の餌にしたのか……?
フェルナンド、お前……。

そんな婚約者の不手際に対し、糾弾するどころか借金を肩代わりして、さらりとフォローしてくれるカロリーナ。
正直フェルナンドに彼女はもったいないという気がしてきてしまったぞ。
しっかりするんだフェルナンド!

他にも、マイクロフィルムに残った証拠から、カルロスとペドロの会社は、靴の製造販売をする裏で、ナチスからお金をもらって収容所に人を輸送する手伝いをしていたことが判明する。
その際に儲けたらしき山ほどの金塊を、ペドロはスーツケースに入れて船内に持ち込んでいた。
ついでに、既婚者であることが判明したニコラスの妻は、なんと件のトラックにて収容所に運ばれた可能性があることもわかったうえに、マニュエルが死んだ部屋の配管に残されていた服の切れ端はマリオ・プラザオラのものと断定。
船内で指名手配された……と思ったら、なんとマリオ=死んだと思われていた姉妹の父カルロスであることがわかり、ほんげーー? となったところで、次回へ急ごう!

七話:3時間

あらすじ

マリオ=父カルロス。
衝撃の事実が判明した前回。
たしか三話でカロリーナはマリオを目にしていたはずだが、なんでその時気づかなかったのかとか、細かいことは気にするな!
眼帯と火傷の跡が、いい仕事をしていたと解釈だ!

そんなマリオ改めカルロスをしり目に、今回はあの男が動き出した。
ペドロの忠実なズッ友……そう、ロハスおじさんが大暴走!
カロリーナを人質に、マイクロフィルムを持ってこい! さもなくば、姉が死ぬ! と脅す、脅す!

ところで船が今どこにいるのかさっぱりだが、細かいことは気にするな!

感想

急きょ趣向を変えて、タイムリミットものとなった今回。
姉カロリーナに偽敗血症の薬剤を投与し、3時間で解毒剤を持って来なければ、彼女は死ぬと脅す船医ロハス。
一体、何がどうしてこうなったのか?
フィルムは恋人ニコラスの金庫にあるのだから、こっそり事情を話して渡してもらえば済むはずなのだが、何故か金庫破りの当てを求め、ヴェロニカに助力を求めるエヴァお嬢。
結局金庫本体を破ることはできず、最終的には銃でニコラスを脅してマイクロフィルムを取る羽目に。
多分フツーに話してたら、フツーに渡してくれたと思うで!

その後も単独で行動した挙句、銃をロハスに取り上げられ、一瞬人質になりかけるエヴァ。
そこをニコラスに助けてもらい、解毒剤を入手。ロハスは取り押さえられ、無事に目を覚ましたカロリーナの前に、「娘が大変だ!」と身を隠していたカルロスが現れる……。

なんというか、盛大にとっちらかった印象の強かった回。
キャラブレというか、場当たり感というか、エヴァが無鉄砲を通り越して、ただのおバカな子みたいになっていたのも納得が行かず。カロリーナは救助を待つ無力な眠り姫、ロハスに至っては何がしたかったのか感がパない結果に。

結局、マニュエルを殺害したのはヴァレラ警部という結論になったんですが、動機がなんだったのかがよくわからん。
そもそも、マニュエルは何のために罪を被る必要があったのかというのも謎。
ルイサは結局無事だったわけだし、船長とカルロスも「誰が殺したんだろうねー」と会話をしていることから、この件には無関係と見ていいわけで。

すべては次回=最終回を見よ、ということだね!

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八話:カインかアベルか

あらすじ

シーズン1の総決算!
七話にも及ぶてんやわんやの焦点は、『ナチスに協力し、収容所送りのトラックで金を儲けていたのは、果たして兄か、弟か?』ということに尽きるのだった。

正直、さっさと真実を話していたら、犯人以外は誰も苦しまなかったような気がしないでもないが、仕方がないじゃない。人間だもの。

果たして、真実はどちらに転ぶのか……?

感想

結局、悪人は兄=姉妹の父親のほうだった!

強制収容所に人を送り、金塊をもらっていたのは兄単独。
けれど、彼はそれが弟と医師ロハスの仕業に見えるよう、彼らのサインを偽造して署名し、書類をマイクロフィルムに映すことで、偽の証拠として残していたのだった。
ペドロとロハスがマイクロフィルムを欲しがったのは、冤罪で罪に問われるのを防ぐため。
……にしては、カロリーナの命を天秤にかけたりと、ロハス君はやっていることがいかがなものか。結局、前回あれほど大暴れしても、部屋に軟禁されるくらいでけろりとしているし、納得がいかん。
叔父ペドロも、無罪なら無罪でさっさと真実を話したらよかったのではないすかね!

しかも、兄か弟かはっきりしたのはよかったが、結局のところ、何も解決しないまま終わってしまった今シーズン。
父カルロスはどこかへ逃亡(といっても、海の上なので客船の中にいるはず)。セバスチャンとディマスの決着は結局着かず、マニュエルを殺したヴァレラは罪に問われず、逆にナタリアとクララの犯行を嗅ぎまわる始末。
そのうえ難破船からの避難者として、怪しげな文様の描かれた本を持った怪しげな人物数人が、アルタ・マール号に救助されようとするところで物語は終了。
  ↓
シーズン2を見てね、ってことかな?
  ↓
んじゃそりゃ!
見るわ!

なんというか、当初予想していたものとはまったく違った内容だったわけですが、それでも居並ぶ美男美女の繰り広げる、情熱の昼ドラ展開は面白かったです。
大戦後の豪華客船。序盤を除き、全編通して海の上というのがとてもいいですね。
シーズン2を見終わったら、また感想を書きたいと思います。ありがとうございます。

人物紹介(ネタバレあり)

●エヴァ
妹&作家という属性故か、事件が起きた後は探偵役を買って出る。
時にぶしつけ、時に無鉄砲、だからこそ魅力的……なのだが。時々無鉄砲が度を越して無謀と評す行動に出ることもあり、特に第七話は素直にニコラスに打ち明ければいいのに、なんで君は一人で解決しようとするんだね、と膝に乗せてお説教したくなる。めんこい。

乗船早々、ニコラスといい感じになるも、後半に登場した金庫破り師やブラジルで待つ編集者など、フラグを立てる候補はまだまだいる模様。
家族のごたごたが終わった今、次シーズンではどのような展開を見せるのか、楽しみにしております。

●カロリーナ
可憐かつ聡明な長女。妹エヴァと比べても、大人の女性的色気がパない。
カルロス亡き後は、ペドロから共同経営者に指名されるほど有能とされるが、フェルナンドと恋に落ちたため、会社を売ってブラジルへ渡ることを決意する。
財産家の美人妻……ええのう……。

当初は客船内で行われる結婚式への期待に輝いていたが、あれやこれやの事態が勃発。叔父が軟禁されたり、父が生還したり、最終的には父親が犯罪者だったことが判明したが、姉属性の肝っ玉を発揮し、すべてを受け止めた後で、愛するフェルナンドとささやかな式を挙げた。
当初は仕事一徹な彼を陰で支える妻ポジションかと思えたのだが、多分フェルナンドは尻に敷かれる。

シーズン2が控えているが、このまま幸せでいてほしいのうと切に願います。とくに、エヴァと末永く仲良し姉妹でいてほしいのじゃがー。

●ニコラス
第一話にて美女四人組の前に登場し、その中からエヴァをロックオンした後は、積極的に彼女と仲を深めようとする一等航海士。壁ドンだの、うわごとで名前呼びだの、イケメンだから成り立っている行動も多多ある。
ぶっちゃけ仕事よりもエヴァと二人できゃっきゃうふふしているシーンの方が多く、彼が船長となった船の今後が心配になる。

第五話にて、まさかの妻帯者だったことが判明。
このす●●●しめが! と思ったのもつかの間、なんと新婚一年目にして、妻を強制収容所送りにされていたことが発覚。ののしってメンゴめんごとなった。

四話終盤にて銃で撃たれ、五話では重体に陥ったりしていたはずが、六話ではけろりと戦線復帰しており、その後怪我に苦しむ様子もない。
お前は『24』のトニー・アルメイダかよ、とツッコみたい。

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●フェルナンド
眉間に皺の寄ったアルタ・マール号のオーナー。
一見できる男で実際にもできる男ながら、確実に将来尻に敷かれるであろう、ギャンブル下手男という属性を持つ。
第一話から、散々怪しい行動を連発するも、それが全部借金隠しってお前……。
もしかすると、シーズン2にて、さらなる謎というか、新たな真実が明かされたりもするのかもしれんが、若干のポンチキ属性を持っているのは確か。そのポテンシャルに期待したい。

二話の最後で結婚指輪を捨ててたんですが、八話で代わりがあったのを見ると、船内で調達したんかいのう。

●カルロス
自動車事故で死んだ……と思われていた姉妹の父。
重傷を負いながらも生きており、事故のせいで記憶があいまいになっていたそうな。
真実を求め、マリオ・プラザウラとして船員の職に応募、暗躍していた。
……ように見せかけて、結局悪人。ペドロの隠し持つ金塊を狙い、悪事がばれた後は、ペドロ憎しで護衛の皮膚を食い破り、ホラー映画もかくやの血濡れた口元を披露してくれる。
怖い。
こんなやつが父ちゃんなのに、「父は父。娘は娘」として受け入れてくれるメンズ二人は度量が広い。
シーズン2では、船外に逃げたのか、それともずっと船内に潜んでいるのか、活躍が気になります。

●ペドロ
実は無実だった姉妹の叔父。
あの怪しげな行動の数々は何だったのか……。
「君たちを悲しませたくなかった」という気持ちもわからんではないが、さっさと真実を話していたらよかったんではないかね。
まあ、あのめんこさなら、いつまでもかわいい姪っ子として大事にしたい気持ちもわからんではないのだがね。

ただ、カルロスを事故と見せかけて謀殺しようとしたのは事実……のようで、そこは恨まれても仕方ない気がする。

●ルイサ
結局、彼女はなんだったのか……?
カルロスと共謀し、金塊を狙って船に来た、というのが真相のよう。
マイクロフィルムを二人で見ていたときの、「これで大金持ちじゃー!」的、ゲスな笑いが印象的です。
カルロスと二人、とっ捕まって、きちんと裁きを受けてほしいですね。

●船長
奥さんを亡くしてから、絶賛意気消沈中の船長。
実は裏でカルロスに協力しており、第一話では姉妹の荷物にチョークで印をつけ、後でカルロスがそれを探る目印としていた。
というか、カルロスはどこにマイクロフィルムを隠したのかも忘れてたんですね。大事なことなのになあ。

船長自身は悪人というわけではなく、カルロスの嘘に騙されて、彼を匿っていた模様。多分。

四話にて方向転換した客船は、その後無事にブラジルに向けて進路を変更したんでしょうか。多分、船長がカルロスになったところで正しい進路を目指したんだと思うんですが、うろ覚え。

●ヴェロニカ
散々ディマスをじらしておいて、結局セバスチャンとくっついてしまう。
セバスチャンは洒落者だし、誠実なディマスよりも彼に惹かれる気持ちはわかるものの、後にセバスチャンが破産したことが視聴者にだけ明かされるのでハラハラする。

奔放そうに見えて、金塊を見つけたときは、すぐさま姉妹に報告するなど、根はしっかり者の素敵な子。口うるさく見えても、母フランシスかの教育がしっかりしていたのが伺えます。

●フランシスカ
ペドロに何がしかの恩があり、彼を支えることで、一時は姉妹から敵呼ばわりされてしまう。
けれど、燃えてしまったウェディングドレスをこっそり縫い直してくれていたりと、愛情深い素敵なご婦人。
シーズン2でも無事に航海を乗り切ってほしいと祈っております。

●ディマス
サトウキビから燃料を開発する事業を起こそうとする。
もしかすると、セバスチャンに事業を盗まれる……のかもしれないが、彼の頭では化学式を理解できないと思うのでどうなんでしょうか。
誠実にして野心とそれを実現する能力を持ち合わせているというハイスペック男子。いつかヴェロニカが彼の資質に気付いてくれるといいなと思います。

●セバスチャン
洒落者という言葉がぴったりの男性だが、なんと破産していることが終盤に明かされ、それじゃヴェロニカが結局路頭に迷ってしまうのではないかと心配になる。
ディマスの事業を盗もうとしているようだが、心を入れ替え、出資者という形でなんとか丸く収まってもらえないものかと期待しております。

●ナタリア
冷たい美女かと思っていたら……ひんでー目に遭っていたことが判明。
周囲は、彼女の顔に残る傷跡をどう解釈していたのか。
というか、なんでアニバルと一緒になったんだ……。
多分、兄に出資してくれた協力者として、夫の非道を誰にも訴えられなかったと思われ、アニバルこの野郎と感じずにはいられない。
ぜひですね、ヴァレラの手から逃げ切り、幸せになってもらいたいですね。

●アニバル
本作のキング・オブ・ク●男。
階段からずり落ちたときはスカッとした。
地獄で会おうぜ、ベイビー!

●クララ
アニバルに目をつけられ、「歌手にしてやる」と部屋におびき出されてひどい目にあう。
ナタリアに迫るアニバルを、とっさに鈍器で殴り、誤って死なせてしまうが、致命傷はテーブルに当たった傷なので、過失致死……くらいで済むのは現代になってからか。当時は結局殺人罪になってしまうのでしょうか。
ナタリアと二人、このまま逃げ切ってくれたまえ。

●ヴァレラ
客船の警備担当。船内で起こった犯罪を追うも、今のところ自力での解決率は0パーセントという快挙。
なのにナタリアの犯罪にだけは、しつこく食いついてくるので、パンチしたい。
マニュエル殺しの下手人らしいが、結局なんで殺したの……?

●救難者
救命ボートに乗った複数の男女。
シーズン2の展開の肝となるらしい。
予告編を見ると、交霊術が使える女性が中心になるそうですが、どんな展開が待ち受けるのか、楽しみにしております!

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