映画『ミッドサマー』ネタバレ感想。見ようか見まいか迷っている人は、確実に見ないほうがいいドギツい映画。

原題:Midsommar
2019年の映画
おすすめ度:
見たことを忘れたい度:☆☆☆☆☆☆

【一言説明】
ホラー耐性が少しでも低いと感じる人はやめておけ。

前作『へレディタリー/継承』が大ヒット。話題を呼んだというアリ・アスター監督の次作『ミッドサマー』。
『へレディタリー/継承』はとんでも怖そうだったのでスルー。
でも続く『ミッドサマー』はホラーというよりはサスペンスなのかしらん? という盛大な勘違いを元に、『カップルが旅行に行った先の村で怖い目に遭う』という漠然とした情報のみを頭に、「なんか話題らしいし、見てみっか!」的なノリでのほほんと劇場に行ったら、ひでぇ目に遭いました。

二度言います。
ひんでぇ目に遭ったヨ!

主演は『ファイティング・ファミリー』のフローレンス・ピューさん。本作は彼女のスンバラスィ演技力が全方向に炸裂。炸裂せんでいいんだわー。怖さ倍増なんだわー。
でもって、彼氏役に『トランスフォーマー/ロスト・エイジ』のニューカマー、ジャック・レイナー氏。イケメンがとんでもないことになったヨ!

※本作は、ホラーやグロに耐性のない方には、非情にキツいものがあります。多分途中で退場する人がいるレベル。筆者も中盤で気持ちが悪くなり、一瞬退席という文字が頭をよぎりました。
そのため、そういうのが苦手な方は、これ以上閲覧しないで下さい(直接は書いてませんが、文脈からなんかとんでもねーことが起こっていることが推察できます)。興味本位で本編を見ることも本気でおすすめしません。
以下ネタバレを含みます。

エンドクレジット後に特別な映像はなかったことを付け加えておきます。

 

 

 

※そんな閲覧注意映画が、なんと2021年9月23日から、かのAmazon Prime Video神の元で無料配信になるらしい!
マジか!
来んな!

↓そんないけずなAmazon Prime Video教には、以下から入信可能ざんす。
月額500円でアレやこれやが見られるのです。

……と思ったら、9月12日現在、Netflixにも登場してた。

なんで来たよ。
恐怖は増殖するとかそういうアレか?

来んなや!

あらすじ

「僕の地元で、90年に一度の夏至祭があるんだよ。ぜひ来てネ」

恋人クリスチャンの学友ペレに誘われ、スウェーデンの僻地にある、とある村を訪れたダニーたち。
「文化人類学を専攻する身としては、俄然興味が湧くね」
的な会話をし、きゃっきゃうふふと戯れるメンズ。

だが平和だったのは初日のみ。
その後は、とんでもぬんぎゃーな出来事が、次々と襲ってくるのだった……。

ミッドサマー 映画 メイクイーン

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感想

これはキツい。
中盤での崖イベントが始まってから上映終了まで、頭の中は「アカーーーーン」一色。
あまりにも「うへぁ」な出来事が起こるため、ショックを緩和しようと、どんどん下顎が突き出ていき、最終的には完全にしゃくれるまでいきました。
多分この衝撃は、しゃくれることでしかやり過ごせなかった。
その後、映画館を出たあともしばらくはしゃくれたまま。昼食に食べた中華料理の席で、ようやく普通の顎に戻ったヨ!

この『ミッドサマー』。事前に情報を収集しなかったことが本当に悔やまれます。
こんな映画だって知ってたら、見なかった!
見た人の中には、「それほど大したことはない」「グロもそんなにグロくない」とおっしゃってる人がいるようですが。

グロいよ!
エグいよ!!

みんな、気をつけろ……! 大したことないと言ってる人たちは、よく訓練された観客だ……!
普段はディズ●ーだのドラ●もんだのを好むか、はたまた「ジェームズ・ボンドの新作出るの? ダニエル・クレイグ氏大好き、絶対見に行こっ☆」とか言ってる一般人とは尺度が違うぞ!
貞子とか『クワイエット・プレイス』とか、ごくフツーの人たちでも耐えられそうなホラー映画を見て、「自分、ホラー映画結構いけるじゃん」と思ってる層は、地獄に叩き落されるぞ! → 叩き落された。

本作が面白いと感じる人とは別に、キツかった……と感じた人たちの中でも、『ダメだったポイント』は個々に分かれるようです。
音が怖すぎてダメだった人。
グロがキツすぎてダメだった人。
精神面での描かれ方が厳しかった人。

筆者はやはり、グロがダメでした。
手で顔を覆ったり、目を細めて視界をぼやかせればなんとかなったんですが、この監督。
嫌なものを、突然画面のど真ん中にバンと映す、という手法が大好きなようで、「怖いシーンは過ぎたな……うむ、もう大丈夫だろう」と油断した後に、ドギャーーーんってくるので、何度「はんぐぅ……」となったことか。
やめろ、もうしゃくれる顎は残ってないんだ!

そして、最早これは一周回って褒め言葉でしかないんですが、生理的嫌悪感を煽るビジュアルを、よくぞここまで作ったもんだよ!
グロさえなければ、話や怖さ的には自分は大丈夫でした。何も知らない若者が、辺境のカルト教を信奉する村に出向き、生贄に捧げられてしまう……という筋は、ごく使い回されたものですし、問題はなかった。
けれど、悪意が問題だった。
誰かの死や受けた所業を切り取る際に、そこに込められる悪意が、とにかく他の追随を許さないほど、ものすごかった。

この手の儀式に関する残虐な行いというのは、外側から――一般的な感覚を持って臨む身からすれば、まったく必要性のないものだと感じるんですね。豊穣や太陽の恵みに感謝するのに、いちいちそんなことする必要ある? と。
そして古来から続く儀式にしても、結局は人が考え作り出したものでしかない。太陽も自然も、人が人であること以外に求めはしないし(そもそも求めないすね)、花や植物の姿を模せなんて言わない。なのにやる。だから嫌悪感が強い。
自分がこの映画を受け付けなかったのは、あるべき姿を歪められたことに対する拒否反応だと思うんです。
監督は、本作では『人間の本性を描いた』という。
確かに死ねば肉体はただの塊だし、崖シーンでのビジュアルは、実際はあんな感じになるのかもしれない。
だけどそれは、物事のごく一面に過ぎない。
だから、映される悪意ある絵面に対し、「本当にそうかあ?」と反発する気持ちが湧いてしまい、結果顎がしゃくれました。

とにもかくにも、凄まじかったなあ、というのが最終的な感想です。音の使い方がとても上手で、要所要所で不穏さをかもす演出は素晴らしく。
あと、監督が言った「カップルで見ると別れる」ジンクスですが。
そもそもこの映画、二人に一人は受け付けない=カップルのどちらかはドン引く=「なんでこんなもの見ようって言った!?」と喧嘩勃発 → 別れる。が真相じゃないかな!
間違っても人に勧める映画じゃねーぞ!

あっ、でも。もしカップルで見に行って、両方とも「最高……!」ってな感想になったとしたら、それは最早完璧なソウルメイトだと思いますので、末永くお幸せにってやつだ! ヒューッ!

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人物紹介

恒例だから紹介しますが、各個人に何が起こったかについては書いてません。詳しく書くと、あの衝撃がよみがえってきて、今度こそ顎がしゃくれて元に戻らなくなる予感に悪寒がいたします。
重ねまくった伏線とかルーン文字とかは、『ミッドサマー 考察』で探すと山ほど出て来るので、そちらで補完してつかぁさい。
チキンでサーセンってやつだ!

●ダニー
主人公。映画序盤にて、精神疾患を持つ妹が両親を巻き込んで死んでしまい、精神が不安定になる。
それは確かにとんでもない悲劇なのだが、スウェーデン旅行を黙っていた恋人を責める際のやり取りや、誕生日を忘れていたことへの怒りの示し方など、若干面倒くさい性格であることは事実な模様。
それでも最初は村で起こったことへの嫌悪感や不信感など、真っ当な反応を示していた。
が、メイクイーンを選ぶ舞踏に参加する際、怪しげなる飲み物を口にしてから、一気にアカん感じになってくる。

何この踊り。超ハイになる! → まさかの優勝 → 君が女王だ! おめでとう! → まんざらでもない → 女王として祝福の儀式に参加 → なんか変な声しない? → アカーーーン!!

本作をダニー救済の物語と捉える人は多いようですが、アスター監督自身も、「ラストでダニーは狂気という救いと自由を得た」という発言をされているそうな。
だが映画にノレなかった身としては、別の解釈を提示したい。
最後のダニーの満面の笑顔は、実は正気に戻ったからこその、演技なのだと。
燃え上がる神殿を前に、薬の影響が抜け、ようやく我に返ったダニー。だがここで真っ当な反応をすると、今度こそカルト集団に消されてしまう。だからダニーは笑顔を浮かべ、村にすっかり洗脳されたようにふるまった。
  ↓
からの、ダニー決死の大脱出=『ミッドサマー2』でお願いしたいですね! ないけどね!

正直、あのメイクイーンのお花ドレス。
美容院でかぶせられるカバーと同じで、めっちゃ鼻とか掻きにくそうなんだけど、大丈夫だったんですかね。もしかすっと、対岸のクリスチャンも実は「鼻かゆい」とか思ってた可能性も無きにしも非ずだ。こんな想像でもしないとやっとられんのだ! メンゴ!

●クリスチャン
ダニーの恋人。四人のメンズの中では一番のイケメン株。
故に村の女性に目をつけられ、作中屈指の爆笑シーンへとなだれ込む運命となった。
告白すると、ここだけはめちゃくちゃ面白かったです。笑うなと言う方が無理です。
けれど、それが原因でダニーの心が完全に離れてしまい、最期は☆☆☆☆なことになってしまった。
ダニー視点に立つと、彼女の救済物語……なのだが。よく考えると、クリスチャンは別にそこまでひどい男ではなかったのでは……と思う。
一年前から別れたがっていたとはいえ、悲劇に見舞われたダニーを見捨てずに半年間支えてきたわけだし、みんなでどこかに移動するなどの何気ないシーンでは、毎回ダニーをきちんとエスコートしている。
そうでなくても、ダニーに起こった悲劇はとても重く、まだ学生のクリスチャンには荷が重くても仕方がないのではないだろうか。
だからこそ、最後の決断シーンにて、あそこまで「裏切られた……」的顔をされるのは納得がいかないというか、薬を盛られたであろうことに思い当たれよというか。ちょっとでも冷静に考えたら、逆の選択をするのが当然だよね……と今ここまで書いて気づいたけれど、もしかすると神殿が燃えた後でダニーが一瞬正気に返ったというのは当たっているのではないだろうか。けれど、いざ薬が抜けて我に返ってみると、自分の選択がとんでもねー悲劇を招いたことに気が付き、結局狂気の中に逃げ込んだ……とか、なんというかまた顎がしゃくれてきそうなので考えるのをやめた。

●ジョシュ
クリスチャンの愉快な仲間その1。スウェーデンの風習などに熱心な興味を見せる学者肌。論文を書くために、村の滞在には一番乗り気。
色々と村人に質問をする過程で、相手がぽろっとぬんぎゃーな内容を口にしたりするが、さすが学者肌は動じません。
動じろよ。
「絶対に聖典の写真は撮っちゃだめだぞ。絶対にだ」と村の権威ある人が念押ししてくるのを、「押すなよー」的アピールと勘違いした彼は、深夜にこっそり忍び込んだ保管所で☆☆☆☆
実はこのシーンがよくわからず、近づいてきたのはマーク本人じゃねえんけ? あれはなんなんけ? とポカーンだったのが、後で別の方の解説を読んだら☆☆☆☆。明日の夕飯なんだろう。

●マーク
クリスチャンの愉快な仲間その2。メンバー中では一番軽薄。そしてダニーにとんでも塩対応をする。
いざ村に来てみれば、予想以上にかわいこちゃんがたくさんで、テンションがだだ上がり。
だが、三日目(多分三日目)。先祖の灰を捨てる大切な木に、そうとは知らず粗相をしてしまい、見事死亡フラグを立てることとなった。
食事の最中、不自然に迎えに来た村の美人にほいほいついて行き、☆☆☆☆
たしかにマーク君はどっちかっつったらアフォだけれども、大学生という立場を見ると、許容範囲のアフォだったと思うんだなー。夕日って赤いよね。

●ペレ
元凶。てめえこの野郎。
本作は『初っ端映される一枚絵がストーリーを全ネタバレしている』というのが大変有名なのだが、そこでこの男はハーメルンの笛吹男として描かれている → お察し
村出身で、村人によると、18歳~36歳は夏=巡礼の季節=世界各国へ出て行って、☆☆を連れて来るという役目を負っているそうな。
負うな、そんなもん。
今回の儀式は、90年に一度の大夏至祭……らしいのだが、ペレの両親の死因や歴代メイクイーンの写真の枚数(写真が発明された時代を考えても、90年スパンでこんなにあるわけねーずら)などなど、ではない普通の夏至祭は、少なくとも10年くらいのスパンで行われている模様。
もしかすると、ペレもしくは両親は、元々村の人間ではなかったのかもしれない。
だからなんだというんだ。滅せよ、ペレ他。

●サイモン
ペレ組とは別に、イングマールという村人によって、ロンドンから連れてこられた青年。背がひょろりと高く、人が好さそうな印象。
が、崖イベントにて盛大に取り乱したのが村人の注意をひきつけたのか、見事死亡フラグ第一号となってしまった。
早々にいなくなったと思われていたのが、クリスチャンによって☆☆☆☆。コロッケ食べたいです。

●コニー
サイモンと同じロンドン組で、彼の恋人。
自分を置いてサイモンが出て行くはずない、と激昂して村を出て行こうとした後、少し間が空いて☆☆☆☆
でもそこは女性への配慮なのか、他と違って☆☆☆☆

●シヴ
村の責任者っぽい女性。
こういうカルト系で疑問に思うのが、集団の中で誰か一人は、外の人間と同じ、ある意味真っ当な判断ができる人間がいるんだろうということ。
さもないと誰も逃げ出そうとする外部の人間を止めないだろうし、巡礼というのは異教徒に対する教育でもあるのかとなんというか☆☆☆☆

●崖イベント
来るぞ来るぞと身構えていたら、予想の斜め上どころか十回転ひねりみたいなのが来て、出口の方向を凝視すること数十秒だ。
☆☆☆☆な展開が満載なのだ。

●イチイ
効かねーーじゃん。

●パイ
完全にアレだと思ったでしょう。アレだと思いましたよ。
別のやつだったけど。

●タペストリー
ラスト二コマの破壊力。
世界はこれをラブとは呼ばねーよ?

●劇場を出た後
正直に書くと、ク●が! ってなったぞ。
お金戻らなくていいから、見た記憶を消してほしいんすけどって、映画の神様にお願いする勢いだったぞ。

●監督
アリ・アスター氏。ありがとうは次の機会に言わせてと申し上げたいが、多分次の機会は永遠にないんだす。でも、末永くご活躍してほしいんです。

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↓前作『ヘレディタリー/継承』はAmazon Videoで配信中です。監督の処女作を目に焼き付けよ!

↓そんな前作の感想はこちら。見るまい、見るまい……と思ってたけど見てしまいました……。