映画『バイバイマン』ネタバレ感想。名前を知ったら、奴が来る。理不尽系かと思いきや、幻覚と闘うスリラー風ホラーだった。

原題:The Bye Bye Man
2017年の映画
おすすめ度:☆☆☆

【一言感想】
名前を聞いたら死ぬ。

バイバイマン 映画 電車

ある意味冗談のような、インパクトのある名前。
それこそ学生が考え出しそうな名にも関わらず、知った相手を問答無用で死に至らしめる呪い、『バイバ●マン』。
以前から気になってはいたんですが、わざわざレンタルして見るほどでもないかなあ……と思っていたら、この度Netflixで配信になっていました。
じゃあ見るさ。
もちろん見るさ。

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主演は190cm超の長身を引っ提げたダグラス・スミス氏。氏のwikipediaを開くと、2020.2月現在で主な作品が『呪い襲い殺す』となっていて、お、おおう……となった次第です。
検索したら、2014年公開のホラー映画のようですね。なんつー直球なタイトル。
というか、大抵の幽霊はこの三工程を経てくるような気がしないでもないので、とっても端的じゃありませんか。
そんな『呪い襲い殺す』は、Yahoo!大先生の評価が3.3。正直……見るほど……ではない……はずなんですが。
なんでしょう、この気持。
万が一、これがNetflixで配信になってしまったら、多分というか、絶対見る
これは最早……ではなく、呪い? 
やだなもう、呪われちゃったよ、うふふ。という茶番はどうでもいいとして、その後襲い殺されることがないよう気をつけたいと思います。

↓Amazon Videoで配信中。原題が『Ouija』だから、ウィジャボード=つまりは西洋こっくりさんがテーマなんすね。ポスターがいい感じにおどろおどろしいざんす。

あらすじ

「考えるな、言うな」
謎の言葉をつぶやきながら、8人もの人間を殺し、最期は自殺した男がいた。
「考えるな」と言ってる時点で考えてるから負けとかそういうことではなく。問題は、男が何故凶行に走ったのか……なのだが、誰も答えを見つけられないまま、事件は忘れ去られていった。

そして月日は流れ、現在。
親友で幼馴染の男子二人と、内一方の恋人である美女という、考えるまでもなくあちゃちゃーな組み合わせの三人組が、とある一軒家を借りることとなった。
入居後、すぐさま不気味な気配を感じる三人。
この家には、何かがいる……?

※以下ネタバレです。未見の方は注意。

 

 

感想

B級どころか、C級の気配すら漂わせる題名。
そしてキャッチコピーという名のネタバレとして、見る前から堂々と宣言されている『この名を知るだけでお前は死ぬ。』という文字。
そうか、なるほどね。名前を知ったら死ぬやつね。
この『バ●バイマン』ってのを聞いたら死ぬ = つまりは、観客も皆死んじゃうよ、ってやつね!
  ↓
ぶっちゃけこういうの、やめろ●鹿マジで知りたくなかったアフォ……と見た後に思うやつなんですが、なんと今回はまったく怖くありませんでした。
多分、バイ●イマンの『襲い殺す』部分が、『相手に幻覚を見せ、自滅を誘う』という、幽霊が直接手を下す系ではなかったからかと思われます。
サダカヤのように、幽霊が突然現れ、被害者をどっか狭いところに引きずり込んでうぎゃー! 的な理不尽展開はなく、それよりは現実との境目がわからなくなるほど巧妙な幻覚を何度も何度も見せられるため、「そりゃーこんなことをいつまでも続けられたら、いつかは罠にハマってとんでもないことをしでかすよな」と論理的に納得できてしまった点が大きかったのかと。

幽霊に論理を挟んだらそりゃ怖くない。

てっきり、数人の学生が名前を見つける。
  ↓
『バイバイマ●』の呪い発動。
  ↓
・物音がしたので一人で見に行く
・粋がる筋肉自慢
・セクシィ枠がアハーン☆
・ハブられるマイノリティ枠
・メガネが眼鏡を落としてわざわざ踏む
・死なばもろとも思考になる
などのホラーあるある行動を取ったキャラから次々と襲われ、一人また一人と減っていく王道スプラッタ展開……なのかと思いきや、主人公たちは案外冷静。
というか、全員自制心がパない。

『●イバイマン』の影響が出始める
  ↓
名前を知った人間が呪われるルールに気づく
  ↓
絶対に名前を口にするな!
犠牲者は自分たちだけで十分だ!

……という、騎士道精神を全員が発揮する形となる。
それがあまりに潔すぎて、逆に違和感。
誰一人、「どうせ死ぬんだから、誰彼構わず道連れだ!」となって、『バ●バイマン』の名前を拡散しようとする人間がいないんです。大学生=大人だとしても、ちょっと思考が高潔すぎやせんかね……と思ってしまう汚れた我が身が悲しい。
もしかすると、『名前を知った相手を全員殺して自殺する』というのも呪いのうちなのかもしれませんが。『バイバイ●ン』にしてみれば、どんどん名前が広まって、呪い殺せる相手が増えたほうが嬉しいんじゃないかな、とそのへんも疑問。

というわけで、幽霊というよりは、自身の中の猜疑心と闘う感じの内容なため、ホラーよりはサスペンスもしくはスリラー要素が強かった本作。
怖くはなかったけれど、いい意味でも期待が裏切られたのは事実です。映像や物語の運び方も、単なるB級映画とは一線を画す印象だったのもベター。
続編……は今の所ないようですが、ラストを見る限りでは、作られる可能性がなきにしもあらず。もし作られたら……きっと見ると思います。そのときはまた感想を。

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人物紹介

●エリオット
主人公。幼馴染で親友のジョン、かわゆい彼女のサーシャとともに、大学近くの一軒家を借りることにした学生。だがこの家、実は数十年前にとんでもなくドイヒな惨劇が起きた場所だった
アメリカはあれですか。事故物件を告知する義務はないんですかね。
そうとは知らず、ワクワク共同生活を開始した三人。ある日エリオットが、ベッド脇ナイトテーブルの中を覗いてしまったことから悲劇が起きる。
『考えるな 言うな』という文字で埋め尽くされた紙をめくると、底に刻み込まれた『The Bye ●ye Man』の文字。
『バイバイマ●』とはなんぞや? 
名前を知ったら呪われるとは知らないエリオット。彼がついぽろりとその名を口にしたせいで、ジョンとサーシャ、霊感少女キム、そして図書館員のワトキンス夫人が呪いに感染。
『バ●バイマン』と彼の愛犬が、電車に乗ってうきうきとやって来る羽目になってしまった。

いわば元凶とも言えるエリオット君は、責任を感じたのか、呪いを解こうと奮闘する。
そしてようやく見つけた記者の妻=呪いに巻き込まれたはずなのに現在も生き残っている女性に話を聞いてみれば、「私は名前を聞かされていないの」と役に立たない情報しか出てこない。
それじゃすでに名前を聞いた俺たちに明日はないじゃん、と思ったエリオット君。無理やりながらも対抗策をひねり出す。
曰く、『幻覚を見せられても、恐怖心を捨てて立ち向かえば現実に戻れる』
つまりは、「お前なんて怖くないぞ、これは幻覚だって知ってんだ、ブァーカ」的スタンスを取ることで、一度は敵の幻覚を防ぐことに成功する。
気を良くしたエリオット君は、続いて道路の真ん中に立ちふさがる人物を前に、「あれはきっと幻覚だから、止まる必要はなし!」とアクセルをベタ踏みして加速する。
いや、ちょっと待て。お前、それは人としてどうかと……。
  ↓
案の定幻覚だった。
エリオット「だと思ったぜ、ヒャッハー!」
  ↓
と思ったら、幻覚の向こう側に本物の人がいて轢いた
  ↓
ヒャッハー! じゃねえよ!

……という、なんともあんまりな結果になったエリオット君(しかも轢いたのはワトキンスさん)。
安全運転、大事。
そんなわけで、すっかり精神の均衡を崩した彼は、戻った自宅でジョンとサーシャを幻覚によって見間違え、サーシャを射殺 → 絶望 → 満を持して『バイ●イマン』とその愛犬が登場 → よりによってこんな時に来訪してきた兄と姪を守るために自殺……という結末を迎えてしまう。
しかも、名前を知るものは全員死んだ……と思いきや、虫の息ながらジョンが生存しており、駆けつけてきた刑事ショーにその名を教えるのか……? ということで物語は終了。
せっかくの犠牲が台無しとなる可能性を示唆するので救いがない。
まあでも、お兄ちゃんと姪は守られたし、いっか! 
ってナルカヨ!

●サーシャ
エリオットの恋人。性格の良い金髪美人。
新しく借りた家の異変に真っ先に気づくが、男子二人には相手にされず。霊感があると噂の女性キムを招き、降霊会を行う → エリオットが『バイバイ●ン』の名をぽろっと口にする羽目になる。
その後すぐに風邪のような症状が現れ、終盤まで体調不良で苦しむ。
エリオットの幻覚の中では、「愛してるわ、ジョン」と口走ったり、ジョンと抱き合ってみたり、最終的には彼とアハーン☆なことをしてみたりと色々あったが、実際には呪いによる具合の悪さで終始ぐったり気味だったので気の毒。
浮気なんかしてる余裕ねーズラ。
最後は幻覚のせいで、ジョンをエリオットと見間違い、しかも幻覚エリオットが襲いかかってきたため、やむなくナイフで応戦。彼に馬乗りになって無我夢中で相手を刺しているところに本物エリオットが到着。こちらも幻覚のせいで『ジョンがサーシャに馬乗りになって彼女を襲っている』と思ったため、やむなくジョンを射殺……と思ったら、ジョンではなくサーシャだったため、最愛の恋人を我が手にかけてしまった……という悲劇的終わりを迎える。
エリオットに「絶対にあの名を誰かに教えちゃだめだ」と言われた際には躊躇なくうなずくなど、とても感じの良い女性だったために、なんとも残念な結末だ。『●イバイマン』めが!

●ジョン
エリオットの幼馴染で親友。
どことなくサーシャに気があったようなそぶりがないわけでもなかったが、実際にはサーシャと同じで、浮気なんかしてる暇ねーから。
『バ●バイマン』の名を知ってから、一番最初に幻覚を見たと言っても過言ではない。せっかく美人のキムとうっふんなことをしようと思ったのに、なんと相手の髪の毛から虫が湧く幻覚を見るという、ほんげーな現象に遭い、『バイ●イマン』の性格の悪さが伺い知れる内容となっている。
最後は前述の通り、エリオットに撃たれてしまったのだが、実はかろうじて生きていた。そして救急車に載せられる際、口元に顔を寄せた刑事の耳に、もう少しであの名を囁きそうになったところで、画面は暗転。言ったか言わなかったかは、想像におまかせする展開となった。
でも多分言った。
エリオットに「言うなよ」と釘を差されたとき、「ん……うーん……んん?」とか言ってたしな!
それも呪いのせいなので、しゃーないっちゃしゃーないのだ。

●バイバ●マン
名前を言ってはいけないあの人。多分、人。
本作のタイトル・ロールにして真の主人公。背が高く痩せた男性で、黒いコートのフードを目深にかぶっているため、顔が見えない。爪は長い。
名前を聞いた人間の元に現れる……んだか、なんなんだか、とにかく相手に幻覚を見せ、じわりじわりと精神的に追い詰めていく模様。
幽霊なのか悪魔なのか、その正体も起源もまったく明言されないのだが、唯一わかっていることは、通勤手段が電車だということ。
名前を聞いた相手の元に、カンカンカンと汽笛を鳴らしつつ(多分。なんかそんな音がしてたような気がする)、意気揚々と近づいてくるらしきイメージ映像が挟まれる。
まあ幽霊だしね。車で来るとは思わないけどね。電車とは斬新。多分前世は郊外から都心に通っていたリーマンではあるまいか。
……とまあ冗談はさておき、彼はお供にわんこを連れているのです。ピットブル系のかわゆいマッチョわんこ。
服装は現代的なようでいて、少し古風でもあるので、発祥は1800年代と言われてもしっくりきますね。もし続編があったら、『バイバイ●ン:オリジン』的な内容も語られるのではないかと思います。

そして『呪い襲い殺す』の『殺す』部分は一見地味ですが、呪った相手にはエンドレスで幻覚を見せることができるため、致死率はかなり高い。しかも的確に相手の弱みを突いた幻覚をチョイスするあたり、凶悪度も結構お高めな気がします。
フレディやジェイソンのようなスター級にはなれなくても、職人系悪霊としては活躍できるポテンシャルを秘めていると思いますね。今後の活躍に期待しております。

●わんこ
『●イバイマン』の愛犬。マッチョで肌がごつごつしている。
エリオットの寝室についていた小さな扉から出てくる。
この子自身は特になんも悪さをしないのかなーと思っていたら、サーシャの遺体にわっしゃわしゃ食らいついていたりするので、やはり飼い犬は主人に似るようだ。

●キム
サーシャの学友。霊感があり、サーシャに請われて家を見に来てくれた。
呪われた後は、霊感故に事態の重大さをいち早く理解しており、うっかり名前をもらしてしまったルームメイトを惨殺 → ちょうどそこにやってきたエリオットの車に同乗 → 相手宅に着いたら全員を殺害する目的でハンマーを持参していた……という超怖い行動を取る。
だが幸か不幸か、移動途中の線路で幻覚に襲われ、居もしない『事故にあって助けを求める親子』を助けようと車を降りて走りだした結果、やってきた電車の前に飛び出し轢かれるという悲劇に見舞われる。
結果、彼女を止めようとして追いかけたエリオットが、はたから見るとキムを威嚇して追いかけていたように見え、警察に疑われるきっかけを作ってしまう。
ただ、もし何事もなくキムを家に連れ帰っていたら、別の惨劇の幕が開いた気がするので、そこは『バイバイ●ン』グッジョブ……にはならないやね。うん。

●ショー刑事
キム死亡事件を担当した刑事。
疑惑の目を向けられたエリオットに対し、キムのほうに原因があったのではないかと推理する洞察力を持つ。
その後も何かとこの事件が気になっていたようだが、ラストではジョンの口から名前を聞かされる=次の犠牲者となる可能性を示唆されて終わる。
だが演じる中の人は『マトリックス』の女傑キャリー=アン・モスさん。『バイ●イマン』なんぞ、返り討ちで文字通りバイバイじゃねーのと思える頼もしさ。続編があったら、ぜひ大活躍させていただきたいですね!

……というか、モスさんは今おいくつなんじゃろと思ってwikiを見たら、親しみを込めて化け物と呼びたいレベルだったのでゴイスだなぁー! こんなふうに素敵な年の取り方をしたいものざんす。

●エリオット兄と姪
エリオットの頼れる兄ちゃんとかわゆい姪っ子。
姪っ子ちゃんは『バ●バイマン』も目をつけていたのか、パーティの夜に謎のコインに導かれてナイトテーブルまでおびき出されるも、なんとかフラグを回避。
……と思ったら、最終決戦時に一人エリオット宅の周囲をうろついていたときにナイトテーブルを発見。なんと中を覗いてしまう。
お前、さては幼●●味だな!
と総毛立ったところ、「暗くて何が書いてあるかは見えなかったわ」ととんでもかわゆい言動とともに、その身が安全であることを話してくれるのでセーフ!
よかった……本当によかった。エリオットが自害したのも、多分にこの二人を守るためであったので、そこはうかばれたといったところか。
だが兄ちゃんに至っては、今際の際の弟が「バイバイ……バイバイ……」ばかり言うので、人生にバイバイとか……あいつ相当悩んでいたんだな……的な誤解をした恐れがある。
そして続編では成長した姪っ子ちゃんが主役とか、そういう展開はマジでやめてくれ。

●ラリー
伝説の八人殺害を行った記者。
元々は『バイ●イマン』の伝説を調べにこの地へやってきたのがきっかけ。
まさにミイラ取りがミイラ。
名前を聞いた者を全員殺害し、その後自分を撃つことで悪霊の息の根を止めようとしたのだが、図書館の記録に一枚だけ名を記した書類が残っていた → エリオットが名前の部分だけペンで塗りつぶしたのだが、どう見ても下の字が読めちゃうぞ。もっと念入りに消してーな。
最初はあの家が彼の家なのかと思ったが、どうやら知人宅だった様子。
彼自身の奥さんには名前を告げずに済んだため、現在も生き残っている。
演じるリー・ワネル氏は『インシディアス』シリーズのスペックス役でおなじみ。本作でも大事な掴みの役を、抑えつつも狂気を感じさせる迫力の演技で引っ張ってくれました。ワオ!

●大家
花屋を営む大家。
「事故物件じゃない?」と訪ねてきたサーシャに対し、「借りたんだから家賃は払え」的反応を返す性格に難あり人物。
とんでもねー物件貸すなや。

●ワトキンスさん
エリオットの調べ物を手伝ってくれた図書館員さん。
なんでお前は名前を言ったよ。
サーシャたちはともかく、もうあの時点で名前言ったらヤバいのはわかってたのに、なんで言ったよ。
後で「本当にすまない……」と電話で謝っていたにも関わらず、なんと道路に立っていた彼女を轢いてしまうのだから、エリオットこの野郎。
ただワトキンスさん自身も、エリオットたちを殺●気満々だったので、お互い様といったところか。

●監督
ステイシー・タイトルさん。他にホラー作品の監督や、脚本なども書いていらっしゃる方。
面白かったです。もし続編があれば、ぜひ続投を。ありがとうございます。

↓Amazon Videoにて好評配信中。ポスターの女の子がサーシャちゃんです。