おすすめSF映画3選。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ラスト考察。

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ミッション:8ミニッツ SF 映画

多分遺伝子レベルで反りが合わない……と思いつつも、時々見てしまうのがSF映画。毎回「SFはなあ……どうせ最後に”SFって……”って名状し難い感情が湧き上がるんだよなあ……」と思いながらも手に取り、結局後悔するのエンドレスリピート。
何故人は過ちを繰り返すのか? 
答えはきっとSFの中に……。うん、知らんけどね。

それでは、最高に「SFって」な感想になる映画、『ミッション:8ミニッツ』『プリデスティネーション』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の3選です。

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ミッション:8ミニッツ

原題:Source Code
2011年の映画
SF度:☆☆☆☆

【一言説明】
8分刻みのエンドレス地獄ループ。

主演は『ナイト・クローラー』のジェイク・ギレンホール氏。ワイシャツの上からでもわかる鍛えられた大胸筋がマッチョマッチョしております。
ヒロインには『ミッション・インポッシブル』のミシェル・モナハンさん。気取らない美しさが大変感じの良い女優さんです。

あらすじ

スティーブンス大尉は憤っていた。
突如上層部から「すんげー装置作ったよ!」と言われ、数日前に起こった列車爆破事件の犯人を突き止める任務を押し付けられたのだ。
単なる犯人探しならまだいい。でもさあ、その装置ってのが『犠牲者の脳に残った死亡直前8分間のデータを集め、それを再現した列車に意識だけジャンプ!』って、何だそれ。
バーチャルリアリティっつーの? 
とある乗客の肉体に意識ジャンプしてみたけど、列車内はめちゃくちゃリアルで自由に動き回れるし、他の乗客と会話もできる。窓だって開けられる。す、すげー!!
……だけど『8分経ったら爆発するよ! やり直しだよ!』っておいおい! 8分は無理ゲーだろうが。作った奴出てこいや!


とにかく設定が「えすえふー」な映画。
よくあるタイムループものなんですが、繰り返す時間枠が8分しかないってのが味噌醤油。8分経つと列車が爆発して宿主となる教師・ショーンが死亡するので、意識が自分の肉体に戻り強制終了。その度に爆死の苦しみを味わうという鬼畜設定。
これ誰が開発したんだ……てなる(終盤にご尊顔が拝めます。笑顔でパンチしたくなること請け合い)。よく8分で行けると思ったな!!
だがスティーブンス大尉はマッチョイケメンな上に有能なので、8分刻みでも問題なく対応し、犯人の痕跡を次々と見つけていくのでした……。

ラストの展開が物議を醸したらしい本作。考察は過去にたくさん出てるし、今更感があるのでしませんが、「SFって……」てなります。けれどそれはいい方にも働く「SFって」なわけで。どうあがいても詰んでるだろって思った状況をハッピーにひっくり返す、膝を打つようなSF的展開なんです。ワーオ!!

ラスト考察についてはこちらがほぼ完璧なものを公開されていらっしゃいます
 → 『ひたすら映画を見まくるブログ』様

ハッピーな……とは言ったものの、よくよく考えてみると「あれ……? やっぱりそれってどうなの……?」といつものSFスパイラルに陥るため、結局「SFって」は健在でございます。
SFってね、SFってねえ!

プリデスティネーション

原題:Predestination
2014年の映画
SF度:☆☆☆☆☆☆

【一言説明】
SF脳をこじらせた結果。

一言説明を伏字にせざるを得ない前代未聞のSF。『Pridestination』とは『宿命』という意味だそうな。原作はアメリカのSF作家ロバート・アンスン・ハインライン氏が書いた短編小説「輪廻の蛇」だそうです。手に入ったら読もうと思いますが、多分膝から力が抜けるくらい「SFって……」てなる。

「SFっぽいSF映画を教えてよ!」と言われたらこれを真っ先に挙げたいくらいSFしてます。

主演は『マグニフィセント・セブン』のイーサン・ハント氏と本作で注目を浴びたサラ・スヌークさんです。スヌークさんが演技上手子。

あらすじ

タイムトラベル技術が開発され、時間移動によって世界の平和を守る組織。そこに所属する主人公は、ある日連続爆弾魔フィズル・ボマーを追っている最中に顔に大火傷を負ってしまう。
仕方なく整形手術を受ける主人公。
その後、過去に飛んでジョンという男と接触した彼は、かつて女性だったというジョンにそっと囁く。
「君を裏切った男に復讐したいか?」
ジョンを連れて過去に飛ぶ主人公。彼の目的と一体何なのだろうか……?


何を書いてもネタバレになるのでアレなんですが、勘が鋭い人なら冒頭で「あっ……」と察し、中盤あたりで「えっ……」となり、終盤で「うあー……やっぱりぃ……」となる最高に「SFって……」スパイラル作品です。
邦画『茶の味』で浅野忠信氏演じる叔父が「山よ、山よ」の歌を聴いた時に異次元に取り残されてましたが、見た後の心情はアレに近い。
SF脳をさ、こじらせてる人ってさ、なんなのかな! 

道化死てるぜ!!!

↑Amazon Videoにて配信中。
検索したらグロが満載らしくまったくお勧めでない映画ですが、貼らずにはいられませんでした。道化死てました。懺悔します。
ひかりTVの見放題一覧でこれがいっつも表示されてる時期があり、絶対に見る気はない。見る気はないんだけど、なんかもうめちゃくちゃ気になっていたんです。見なかったけど。

閑話休題。

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オール・ユー・ニード・イズ・キル

原題:Edge of Tomorrow
2014年の映画
SF度:☆☆☆

【一言説明】
エンドレス地獄ループ → その後いつものトム。

主演は言わずと知れたトム・クルーズ氏。ヒロインに『メリー・ポピンズ リターンズ』のエミリー・ブラントさん。
3作ともみんな時間に関係する映画だと今気づく。タイムリープってすごくSFっぽいですからね。っぽいすよね。

あらすじ

少し先の近未来−−ギタイと呼ばれる地球外生命体の襲撃により、人類は存亡の危機に晒されていた。
ギタイはとにかく超強い。仕方ないので人類はパワードスーツを開発し、身体能力を爆上げして挑むも敗戦は濃厚だった。

そんな中、ヨーロッパで大規模なギタイ殲滅作戦が開始されようとしていた。
広報として参加するよう米国から派遣されたウィリアム・ケイジ少佐は、臆病風に吹かれて上官の前で敵前逃亡ダッシュを披露したため降格となり、明日の戦闘に強制参加させられることとなる。
「無理むりムリィ! 俺、死ぬって!」
言葉通り秒で戦死したケイジだったが、直前になんか毛色の違うギタイの血を浴びたことによりタイムループの能力を獲得。
以降は死ぬたびに決戦前夜の時間軸へと戻り、戦場に駆り出されては死亡→復活→戦闘→死亡の地獄ループを繰り返すことになったのだった。


トム様がいつものトム様じゃない! 弱い!!
と思ったあなた。大丈夫。トムは不滅です。死ぬ度に強化され、へなちょこトムからいつものトムへと次第にレベルアップしていきます。
そしてついには人類の希望となる通常営業状態になるから安心して見なっせ!

※以下ラストのネタバレ・考察です。

 

 

そのあまりにご都合主義的なラストが物議を醸した本作。続編が製作されるそうなのでいずれ明らかになると思いますが、今の時点での筆者の解釈を書いてみます。

物議を醸したのは「オメガの力でタイムループしたのに、なんで人類は生き返ってギタイだけ全滅してんの?」って点ですよね。
これを解決する鍵はタイムループの方法だと思います。ケイジは死ぬ度に過去に戻るわけですが、他の人はどうなの? リタが訓練に失敗するとケイジ殺してるけど、あれって過去に戻れないリタはその後殺人罪で起訴されたりしないの? って疑問があります。
過去に戻る度に並行世界が生み出され、結局ギタイに全滅させられる世界が無数に出来上がるのでは救いがない。だから本作のタイムループは時間をジャンプするのではなく『巻き戻し』なのではないでしょうか。
ケイジ単体だけが時間を戻ってるわけじゃなくて、DVDとかの『早戻し』機能のように、ものすごい速さで起こった事象が逆再生され、再開時点まで戻される。その際、記憶を保持できるのはケイジとアルファ、オメガだけなので他の人は何回も戻されてることに気づいていない。

そしてオメガとアルファの能力にも違いがあり、アルファは死ぬと自動で能力が発動、強制的に全事象を元に戻すかわりに、オメガは死んでも自動では発動できない。そして巻き戻す対象を取捨選択できる。

だからオメガが死んだ際はオメガ自身は能力を発動できず、ケイジは無意識のうちにギタイだけを除いた他の事象を巻き戻したと。
そうすると、ケイジが気を失っている間にパリの間で爆発が起きた=オメガが死んだ際のインパクトがどーん、ってのも納得できる。

なぜ殲滅作戦前夜でなく、ケイジがヨーロッパに到着した時点まで巻き戻ったか?
ケイジがリタと対等な立場で再会するためです。平和な世界で脱走兵としてのこのこ面を出せるわけないわな。いよっ、複雑な男心!!

 

……と書いてはみましたが、続編で全く違う説明がされる可能性も高いですね。なんにせよ楽しみにしています!

SF脳はともかく、映画としても全部面白いのでおすすめですよー。

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